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時は飛んで、約一か月後。

 ──こうしてバルコニーで空を見上げるのは一ヶ月ぶりか。・・ていうか毎日いっぱいいっぱいでそんなに時間が経ったなんて信じられない。

 

 あれから毎日クレア先生のレッスンを受けて私は大きく変わった。主に体型が。

 驚くべきことにくびれができたのだ。以前の寸胴体型からは到底信じられないことである。

 所作の方もバッチリ!何てったって今では頭に鈍器のような辞典を3冊乗せて階段を上り下りできるもんね。



 二分の一聖哲式も明後日に迫る。クレア先生の熱血レッスンも万全のコンディションで明後日の本番に臨むため、今日、明日はお休みだ。

 初めは死にかけながら受けてていたクレア先生のレッスンも、最後まで死にかけながら受けていた。こう聞くと全然成長していないじゃないか、と思かもしれないが先生は私が成長するとその分レッスンのメニューを増やすのだ。

 私は気づいた。クレア先生は人の限界値を見定めるのが得意なんだ、と。

 事実私はずっと死にそうだったが、ガチで死にそうまでは決してならなかった。

 私は前世、純粋無垢な女子高生だったのでその手のことは全く知らないが、私は気づいた。クレア生はきっとS嬢に向いている、と──



 冗談はさておき、今、私は手の震えが止まらない。なぜなら・・・

 


 (な、なんでー⁇)



 

 

   空が赤色に見える






 “空が紫色に見える〟これは私が前世の記憶を取り戻してココが異世界だと確信するに至ったきっかけだ。

 魔法を発動する時に必要なエネルギー「魔力」の元となる「魔素」は空気中に漂い、普通6歳以降からその人の魔力量により魔素の色は変わってくるらしい、という話は以前聞かされた。ってかその日から私のレッスン漬けの毎日が始まって、常に自分の筋肉と向き合ってたからそんなこと忘れかけてたよ。

  

 「魔力量が多い順に夜空が紅>赤>紫>青>藍の色に見え・・・」

 以前のマーヤの言葉が頭の中でフラッシュバックする。


 私なんで魔力量増えてんの?

そしていつの間に・・・うーん

 レッスン後、大体夕方に死にそうになりながらもギリギリ夕飯を口に詰め込んだらすぐ寝て・・朝になったら激マズポーションを無心で飲んでレッスン受けて・・死にかけて・・を繰り返して夜空なんて眺めることなかったから、いつからなのかわからない。

 

 ・・・一応、伝えた方がいいよね?


 「マーヤ?なんか今日は空が赤色に見えるわ」

 

  「お、おおおおおおお奥っ様ぁ、おお、ゲッホおおお嬢様が!」そう言ってマーヤは走り出して行った。

 流石に落ち着いて、気を確かにマーヤ!


 あ、コケた。

 

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