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 目を開けるとベッドの天幕が視界に入り込んできた。って、え? 私、ベッドから転がり落ちていない⁈

 ・・・やっったー、ついに、ついに私の寝相の悪さが直ったのだ!るんるん気分で起き上がガガガガ

ッっつうう、いっったぁ、いてぇええええ、腹筋が、広背筋がぁ!筋肉痛うう

 起き上がるどころじゃない。呼吸するので精一杯だ。 

 くっ、どうにかして、助けを……マーヤを呼ばなくては…落ち着いて、まずは呼吸を整えて、腹から響き渡るような声を…スゥウウウウヴヴ……

 

 「マァーヤァ〃ア“!!!!」



 ん?(トトトトトトトト)お?(ドドドドドドド)おお!!(バタン)

 

 「お嬢様⁈」


 「マーヤ…私の筋肉が唸ってるぜ」

 「…………筋肉痛ですか?すぐにお薬をご用意いたします」



 薬?この世界にも湿布みたいなものがあるのか?















 「……ナニコレ?」目の前には赤色の、怪しげに光り輝く液体の入った小瓶が置かれた。


 「ポーションです。もう少し質の良い物を、とも思ったのですが…初めてのお嬢様には刺激が強過ぎるとも思い敢えてこれにいたしました」


 ポーション!!うひゃあっ!そうだよね魔法だってあるんだもん、ポーションだってあるよね!キラキラ光ってるぅ、え、え?飲んでいい?

 マーヤにコルクを開けてもらってさっそく…

 

   ゴクリ


 ………ま・ず・い……


 何度でも言おう。まずい。⚪︎味ビーンズのせっけん味に漢方特有の苦味が加わった味だ。不味すぎる。まだ半分も残っているという現実を直視できない……やめろ、そんなギラついて存在をアピールしなくていい。


 今だ!無心で胃の中に流し込め。


 考えるな、感じるな。


   ゴキュリ




 ウエエエ、何?今度はめちゃくちゃ甘い。喉が焼けるんじゃないかってくらい甘い。


 うっ…人前で吐きたくない。耐えろ……


 それにしてもなんてまずいもん売ってんだ?ん?小瓶の底に小さく何か書いてある……


 

 〝〝よく振ってからお飲みください〟〟




 ……もっとデカく書けよ!!!




 


 いや…まぁコレ、振ったところでどうにかなる代物でもない…か。


 「お嬢様、筋肉痛の方はどうでしょうか?」マーヤが心配そうに尋ねてきた。そうそう筋肉痛を直そうとしてたんだった。取り敢えず起き上がって…あ


 「痛く……ない?」ええええ、すごっ!いつの間に?不味さで効果出たのにも気が付かなかった。

 「効果覿面ですね!よかったです」

 そうだね良薬口に苦しとはこのことかって言えねェよ!不味過ぎるよ!確かに力が湧き出てきて、パワー!!とでも叫びたい気分だけど…


 ……待ってマーヤの言い方的にもっと質の良いものはもっと刺激的、つまりもっと不味いってコト⁈

 

 




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