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「それではクリスティーナ様よろしいですね?」
「はい、先生」
「位置について、、よーい…」ゴクリ
「ドン!」
クレア先生の合図と同時に私は走り出した。
はぁはぁはぁはぁ
「もう無理、足が動かない」
「なにをいうんですかお嬢様⁈まだ200mも走ってませんよ?」
「・・・・」く、苦しくて声も出ないぃ
その後も「もっと肩の力を抜いてください」「肘の角度は90度!」「頑張ってください!」「困難から逃げるな!全力で走り抜け!」「痛みや疲労を乗り越えた先にゴールは必ず現れる!」など鬼コーチと化したマーヤからの松岡⚪︎造ばりの激励は続いた。
ぐげぇっはっげほげほ、脇腹がぁあ。ちょっと少しだけ歩かせてぇ。
「お嬢様!あきらめたらそこで試合終了ですよ!」
ついにあの名言まで出たよ。
「ほら!ご覧くださいお嬢様!」
「へ?…っなに?」
見るとそこにはハチマキをしたクレア先生が、、え、ああえ突然ヴァイオリンの演奏を始めた⁈
ーーーー
「クレア様はヴァイオリニストとしても有名なんですよ」
・・・確かに、一つひとつの音が澄み切っていて私の狭く醜い心が浄化されるようだ。これが天才?聞く者全てを魅了する音──いや、それだけではない、努力、それも並外れたものがなければこの領域には到達できないだろう。
私がキッと先生を見据えると先生は──小さく頷いた気がした。
「マーヤ!あと何km?」
「あと6kmです!」
うぐっ、、、うん
「私、クリスティーナはっ絶対、絶対、走り切るんだぁっ!」
「・・・はいっ、お嬢様」




