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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

悩んでいる

作者: 深瀬アリス

「はぁ、もう慣れてきたな」

 スマホで日付を確認した僕は、ため息まじりの声を出した。辺りを見渡しても、特に変わったところはない。

 僕は今、悩んでいる。なぜなら僕は今日、八月三十一日をループしているからだ。

 これまで、彼此三十回のループを体験したが、未だにループが起こる原因は分かっていない。


「あぁ、起きたの。明日から学校始まるんだから準備しておくのよ」

「うん、分かってるよ」

 寝室から出た僕は、母さんとの一連の会話を終えると、自分の部屋へと向かった。なぜなら、いちいち母さんに話しかけられるのは面倒であり、集中してループを止める方法を考えたいと思ったからだ。

「あら、そっちの部屋に行くの?」

「うん」

 僕はそのまま部屋に入ろうと、ドアノブに手を置いた。そのとき、おかしな点に気が付いた。

(あれ、前回のループのときの会話と違う……)

 そう思った瞬間、僕は一つの考えが頭に浮かんだ。

(そうだ。ループする前、本来の八月三十一日では家に誰もいなかった。でも、ループが起きると、母さんは家にいるようになっていた。つまりこのループは……)

「母さん。ループを引き起こしていたのは、アンタだったんだね」

 僕がそう言うと、母さんは今まで見たことがないような悍ましい顔をしながら言った。

「そうよ。私がループさせていたのよ」

 僕が母さんに理由を聞く前に、母さんは僕の首を絞めてきた。

 視界が暗く滲んでゆく。

(ちくしょう……死、ぬ――)


 

「――はっ!?」

 目が覚めると、僕は寝室にいた。状況を把握しようとするが、頭がうまく回らない。

 咄嗟に僕は、ポケットに入っているスマホを取り出し、日付を確認した。

 スマホには、八月三十一日でも、九月一日でもない、「八月三十二日」が表示されていた。

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