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必死の攻防

ナナちゃんのお陰で再び私の手の中には

私達を救ってくれた祈りの剣が握られてる。

バラドーザさんが私達の為に作って貰った剣。

色々な人の思いが詰った剣。


「その剣は……」

「祈りの剣、バラドーザさんが私達の為に

 仲間に作って貰った最強の剣。

 この剣なら、お前をバラバラに引き裂ける!」


最後の宝石が光り輝いたことで

不思議なくらいに溢れ出した力。

今まで力が溢れ出す感覚は多かったけど

ここまで力が溢れ出したのは初めてだった。


今の私なら最高レベルのパフォーマンスが出来る!

祈りの剣を強く握り締めると同時に再び感じた感覚。

最後の宝石が強く光り輝き、力が溢れ出す。


「はぁ!」

「ぐ!」


私の攻撃はサイラーズの腕をあっさりと両断する。

あまりに速くてサイラーズも防戦一方になる。

私だって驚いてる、自分でも驚愕する速度だ。


「これでどう!?」

「く! 何だこの魔法!」


魔法の規模も今までの比では無いほどに高い火力。

剣を振うと同時に放たれてる炎の魔法は

サイラーズをあっさりと両断するほどだった。

だが、サイラーズを縦に裂こうとも横に裂こうとも

あいつは一瞬の間に再生してる!


「だが、無駄だ!」

「本当異常な再生力!」


サイラーズの反撃を避けながら足を両断する。

だけど、転けるよりも先に足が生えてる。

なんて異常な再生能力なの!?


「舐めるなよ、小娘!」


黒かったサイラーズの毛が真っ赤に染まる。

動きが異常なほどに早くなり攻撃をしてくる。

でも、今の私なら十分対処は出来た。


何度も攻撃に反応して反撃をしても

あいつは腕を斬った瞬間に腕を生やしてる。

黒い状態よりも遙かに再生能力が上昇してる!


「異常だ!」


今度は首を両断するも、あいつは自分の首を掴んで

即座に両断された場所に戻して治癒した。

あまりにも異常な再生能力、でも弱点は分かった。

流石に首を落とされては再生できないんだ。


少なくとも切断面に元の首を戻さない限りは

再生することが出来ず、きっと死ぬんだと思う。

そうじゃ無いと、わざわざ首を掴んで元には戻さず

そのまま体だけで攻撃を仕掛けてくるだろう。


つまり、あいつの首を両断して奪われないように動き

再生できない状態にする事が出来れば勝機はある。


「がぁあああ!」

「ッ!?」


大きな咆吼と同時に周囲に放たれた大量の牙。

私とお姉ちゃんはその攻撃を何とか捌く。

でも、即座にサイラーズは私に攻撃を仕掛けてきた。


「ふん!」

「ぐぅ! オルフィア!」


お姉ちゃんの攻撃により、サイラーズの腕が両断される。

今の状態は再生能力と速度に偏ってるせいで

防御力が疎かになってるんだ!


だから、お姉ちゃんの魔法でも効果はあるし

お姉ちゃんの剣でもあいつを斬ることが出来てる!

それに攻撃を私の代わりにお姉ちゃんが破壊したから

私はそのまま即座に攻撃が出来る。


「そこ!」

「ぐぅ!」


上空で構え、サイラーズを袈裟斬りにする。

心臓も両断したし、そのまま上半身が落ちる。


「そこ!」

「ぐ!」


今度はお姉ちゃんが炎の魔法でサイラーズの首を断った。

今度は完全に破壊しようと私は魔法を放とうとするも

サイラーズが再び衝撃波を放ってきた。


「しまった!」


そのまま私達は距離を離され、

お姉ちゃんは崖から落下しそうになり

私は壁に叩き付けられて大きな隙を晒す。


サイラーズはそのまま体を治癒させて、私に手を伸ばす。

でも、今の状態なら対処は出来るんだ!


「それは無駄!」

「うぐ!」


今回は意識が朦朧とすることも無かったから

私はサイラーズの手を逆に両断することが出来た。

その間にお姉ちゃんは崖から上がった。

でも、持っていた剣は落ちたようだ。


「……」


お姉ちゃんが何かを考えて、懐に手を入れてるのが見える。

私はお姉ちゃんが何をしようとしてるのか分からないけど

今はサイラーズへの攻撃をし掛け続けなければ駄目だ。

再生限界があるのか、いくらでも再生するのか。

それはさっぱり分からないけど、このままだとジリ貧だ。


ここまでの治癒能力があるのはあまりにも異常。

ここが洞窟の外であれば大規模魔法を扱う事で

こいつを完全に消滅させることも出来るかも知れないけど

洞窟での大規模魔法は崩壊のリスクがある。


だから、私達にある勝ち筋は首を両断して

その首を何とかあいつよりも速く破壊する事だ。

いや、いっその事こいつの頭を吹き飛ばせば。

駄目だ、その余裕が無い。頭が急所だと分かってるのか

魔法攻撃を狙うと回避行動に集中してきてる。

頭を狙いすぎれば隙を晒すことになる!


「この小娘!」

「な!」


ただ攻撃に特化してかの攻撃、私へ伸びた一撃。

辛うじて反応して反撃したけど、やっぱり再生された。

このままだと不味い!


「無駄なんだ、無駄なんだよ!

 どれだけ強かろうとも、俺は殺せない!

 俺の再生能力は無敵だ! 貴様らなんざ!」

「なら、これはどうだ? デミ・ビーストの獣」

「な、うぎ!」


お姉ちゃんがサイラーズの背後から接近して

あいつに小さな短刀を突き立てた。

その短刀はあの時見た、ビクトールの短刀だ。


「ま、まさか、き、貴様!」

「ヒューマンビーストの再生能力さえ阻害する短刀。

 私達を殺す為の刃だろうが、さてお前はどうなる?」

「う、ぐぅうう!」


明らかにサイラーズの表情が歪んでる。


「ふざけるな、オルフィア!」


お姉ちゃんに攻撃が飛んで来るも

お姉ちゃんはその攻撃に反応して辛うじて避けた。


「リンフィア!」

「分かった!」

「な! ぐが!」


その隙を突いて、私が一気に接近し

サイラーズの心臓に祈りの剣を突き立てる。


「が、あ、がぁああ!」

「死ね! このまま!」

「な、がぁあああ!」

「再生が明らかに遅くなったな!」

「ぐが!」


お姉ちゃんが放った攻撃でサイラーズの両腕が断たれる。

そして、私は祈りの剣を引き抜き、飛び上がる。


「これで終りだ、サイラーズ!」

「この生意気なクソガキがぁ!」


最後の抵抗となる大きな攻撃を辛うじて避けて

私はサイラーズの首を今度こそ斬り裂いた。

今まで首を裂こうと動いて居たサイラーズだが

今回は動きが鈍く、首を掴むことが出来ずに

サイラーズの首は地面を転がり、消えていく。


「く、そ、こんな……」

「……自分が用意させた武器が原因とはな」

「さ、再生しない……こ、こんな事が……」

「はぁ、はぁ……今度こそお前は死ぬ。

 このまま放置して苦しませるのも良いけど

 すぐに消えた方が良いでしょ?

 せめての慈悲だ、さよなら」


私は消えかかってるサイラーズの首を踏み付けた。

サイラーズの首は一瞬で灰の様に散っていく。

同時に背後で倒れそうになってた体も

一瞬の間に灰の様になり、消えていく。

どうやら、本当に終わったようだ。

同時に逃げ道を塞いでた瓦礫が壊れ

ナナちゃんの姿が見えた。


「リンちゃん! 大丈夫だった!?」

「うん、何とか」


焦ってる様子を見せてるナナちゃんが私達方に来る。

そして、私の姿を見て驚きの表情を見せる。


「リンちゃん、その姿って」

「……うん、お姉ちゃんとお揃い。似合ってるでしょ?」

「うん!」

「……あぁ、凄く……似合ってるよ」


ナナちゃんは笑顔を見せて、エディーは涙を流す。

そして、お姉ちゃんも同じ様に涙を流してくれた。

私はヒューマンビーストであり、お姉ちゃんの妹だ。

それが確定して、騎士達も全員涙を流す。

仕えていた主の大願が果たされた瞬間だ。


「……本当に……良かった」


少しして、お姉ちゃんが呟いた。

お姉ちゃんの声は震えてる。

私もお姉ちゃんの方を見て、改めて顔を見ようとした。


「おねえ……ちゃ」


お姉ちゃんの方を見ようとした瞬間に意識が遠くなる。


「リンフィア!?」


更に不意に力が抜けてしまい

一気にバランスを崩した私は

お姉ちゃんにもたれ掛ってしまった。

そしてそのまま、私は意識を失った。

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