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戦いの決着

戦いは続いた、長い長い戦いだ。

都市を攻められ、大々的な被害を受けたし

バナージの騎士が合流したとしても

即座に決着とまでは行かなかっただろう。

でも、終わらない戦いは無い。ある訳がない。


「何!?」


不意に扉が開かれ、ジャッキーが避難所へ来た。

ジャッキーはボロボロではあるけど

にやりと口角を上げ、息を吸う。


「戦いが終わった! シャリーズの魔物、全て排除!」

「わぁあああ!」


歓喜の報告を聞き、民衆達が喜びのあまり抱き合った。

涙を流す人達、歓喜の声を上げる人達。

安堵の表情を浮かべる人達。

全員、生き残れたことを歓喜している。


何人かは避難所から飛び出して行く。

ジャッキーは避難所の人達から感謝の言葉を告げられながら

何人かの人達をなだめたりして、少し大変そうだ。


「ありがとう、ありがとう……」

「いえ、当然の事です。私達は共に戦う同胞。

 困ったことがあれば、手を貸すのは当然です。

 さ、急いでこちらへ」

「はい……はい!」


怪我人を案内しながら、エディーが笑顔を見せる。

そして、私は怪我をした人を治した。

外の戦いが終わっても、私達の戦いは終わってない。

怪我人は数え切れないほど居るんだから。

今はナナちゃんが限界だから、私が1人で回復してる。

ナナちゃんは私よりも魔力量が沢山あるからか

私よりも長い間だ頑張ってたけど、流石に限界だ。

もう数え切れないほどに回復したからね。

1000人は少なくとも回復したと思う。

それでもまだ、怪我人は何人も居る。


「ソールティアス殿!」


しばらくの時間が経って、ソールティアスさんが

避難所に帰ってきた。

騎士達はかなり負傷してる様子だけど

ソールティアスさんは無傷だった。

いや、鎧は何カ所も損傷してるようだけど

血は全く出て居ない様だった。

回復の魔法で自分を治療したんだろうと分かる。


「此度は、本当にありがとうございました」

「いえ、当然の事をしたまでです。

 しかし、お話しは今は後。

 今は急いで負傷した人々の治療に取りかかります」

「ありがとうございます、まだ負傷者は多い」

「えぇ、私も回復の魔法を扱えます。

 急ぎ回復をさせていただきますね」

「お願いします」


ソールティアスさんが私達の方へやってくる。

そして、私達の姿を見て、笑顔を見せた。


「よく頑張ってくれたね。

 これからは私も手を貸そう。

 1人でも多くの命を、助けよう」

「うん!」

「そう言えば、ナナはどうしたんだい?」

「ナナちゃんは回復の魔法を使いすぎてね。

 疲れてるから寝てる」

「な、彼女も回復の魔法を……

 子供の成長はやはり速いな。

 私も負ける訳にはいかない」


ナナちゃんが回復の魔法を使えるようになったと聞き

嬉しそうに微笑んでる。

そして、すぐにソールティアスさんも回復を始めた。


「では、この方を」

「あぁ、しかし大人か? 子供を優先した方が」

「え? いえ、ナナちゃんが気付いたらしいのですが

 どうやら、回復魔法には治癒限界があるそうです」

「治癒限界?」

「え? し、知らなかったの?」

「あ、あぁ」


知らなかったんだ、治癒限界を。

私も気付かなかったけど、ナナちゃんは気付いた。

やっぱり魔法に関しては、ナナちゃんの方が凄いんだ。


「えっと、ナナちゃんが気付いたことなんだけど

 回復魔法には治癒限界があるみたいなんだ。

 大人よりも子供の方が沢山怪我が治るみたい」

「ふむ、詳しく教えてくれ」

「うん」


私はナナちゃんが気付いた治癒限界のことを

細かくソールティアスさんに伝えた。

ソールティアスさんはその事に驚いてる様子だ。


「なる程……そう言う事が」

「知ってたんだと」

「いや、種族によって回復速度に差があるのは

 知ってたんだが、年齢でも差があるのは知らなかった」

「え? 種族によって違うの?」

「あぁ、例えばヒューマンビーストと人間は

 回復魔法で治癒できる範囲が全然違うんだ。

 例えば純人間が致命傷を負った場合は癒やせないが

 ヒューマンビーストが同じ様な致命傷を負っても

 回復の魔法を使えば即座に回復出来るんだ」

「え!? そうなんだ……」

「あぁ、エルフの場合も違うらしい。

 流石に細かい部分は分からないけどね」

「そうなんだ」


それは分からなかった、いやうん、それは当然だ。

ヒューマンビーストは本当に数が少ないみたいだ。

今でもヒューマンビーストを見たのは1人だけ。

それだけ貴重な種族なんだ。


「だが、そう言う事が分かれば動きやすいね。

 ナナちゃんは魔法の天才だ」

「うん、そう思う」


私には感じ無かった手応えだけど

ナナちゃんは感じてたみたいだしね。

私はどんな感覚なのか分からなかったのに。

やっぱり天才って言葉が凄く似合うと思う。


「では、急いで大人の治療を始めよう」

「うん、頑張る」

「では、このまま案内しますね」

「あぁ、お願いする」


そして、私達3人は交代しながら回復を続けた。

負傷した人達の怪我の具合や状態を確認して

バナージの騎士やシャリーズの騎士や看護師達が

上手く死傷者を出さないように案内してくれてる。

私達は必死に回復を繰り返すだけだった。


その間、シャリーズの復興作業も行なわれてる。

まだまだやることは多いだろうけど

私達は私達に出来ることをするまでだ。

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