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動き出した日々

あの日常は私達を幸せにしてくれる。

あの時間から1年の月日が経った。

私達はかなり強くなったと思う。

騎士見習いからしっかりと騎士になって

星はエディーの予想通り3からだった。

ナナちゃんの魔法は威力が上がってる。

まだ火属性魔法以外は使えてないけど

それは、私も同じだった。


そんなある日、大きな問題がやって来た。


「シャリーズからの救援要請か」


今日はソールティアスさんが

直接私達の訓練をしてくれる筈だった。

二週間前から予定が決まって

今日がその当日だったはずだけど

ソールティアスさんの部屋から小さな声が溢れる。


「救援要請?」

「何かあったのかもね」


一緒に来てたエディーもその言葉を聞いて

少しだけ表情を歪める。

どうも嫌な予感を感じてるようだった。

それは私もだ、シャリーズは確かバナージから

右上に行った都市だったはず。

魔物と戦ってる都市だから、凄く危ない都市。


同時に、魔物と良く戦ってるのだから

騎士達の練度は相当高いと予想出来る。

そんな都市からの救援要請。


「おっと、3人とも」

「あ、おはようございます!」

「あぁ、だが済まない、急用が出来た。

 今日の訓練は中止させてくれ」

「あ、あの、救援要請って」

「む、そうか、聞えてたか」


そう言って、ソールティアスさんが紙を取り出す。

かなり丁寧な手紙だった。


「実はつい先ほど、シャリーズの伝令が来たんだ。

 シャリーズからの救援要請の手紙を持ってね」

「シャリーズは」

「あぁ、魔物と戦ってる都市だね。

 非常に高い戦力を誇ってはいるが

 騎士個人の実力はバナージには劣るんだ。

 だが、魔物の襲撃を自力で乗り切れるほどには

 高い実力を持ってる都市である事は間違いない。

 そんな都市からの救援要請だ。

 ゆっくりとしてる余裕は無いだろう」


そう、自力で戦えるのに救援の要請をしてきたって事は

自分達だけでは厳しいからだ。

だから、ソールティアスさんに救援の要請をした。


襲撃されてるのに戦力が厳しいって事は

最悪の場合、都市内部に侵入される危険性もある。

そんな事になれば……大惨事は避けられない。


「エディー、急いで騎士達の招集をしたい。

 君も手伝って欲しい」

「は!」

「私達も手伝う」

「うん!」

「そうだね、時間がない。

 君達にもお願いしよう」

「うん!」


私達も手分けして、騎士さん達に声を掛けた。

私達が声を掛けたことで、他の騎士さん達も動き

短い間で都市全体に散らばってた騎士達が集まる。

周辺警戒へ赴いてる騎士達と一部の見張り以外が

すぐにソールティアスさんの館で合流した。


「皆、良く集まってくれた。

 今回、君達を招集した理由は1つ。

 先ほど、シャリーズからの救援要請が届いた為だ!」

「シャリーズからの救援要請……」


その言葉に、騎士達が一瞬響めいた。

1年の間にそんな要請は1度だって無かったし

かなり異例な事態である事は間違いないだろう。


「君達も知っての通り、

 シャリーズは魔物達の領土と隣り合わせ。

 それ故に、常に魔物達と戦ってきた精鋭都市。

 だが、その都市でさえ、自らの力だけでは

 対処出来ないほどの事態が起こった為

 我々に救援を要請してきたのだと分かる!」

「相当な規模の襲撃か」


何人かの騎士から溢れた言葉だった。

だが、恐怖心見たいなものは決して感じ無い。

むしろ焦りの様な物を感じた。


「シャリーズ程の都市が対処出来ない事態。

 当然火急を有するだろう。

 よって、君達には私の指揮の元

 シャリーズ防衛のために動いて貰う!」

「は!」

「急ぎ装備を整え、遠征の準備を!

 私が留守の間、グラーズには都市の統括を委ねる」

「はい、ソールティアス様」


グラーズさんがお辞儀をする。

あの人は右腕が無いから、遠目でもすぐに分かった。

あの人は副団長だ、右腕が無い理由は教えてくれ無かった。

ただ名誉の負傷という事だけは教えてくれたけど。

そして、エディーのお父さんって言う話も聞いた。


エディーもグラーズさんが何故右腕なのか

それを教えてはくれない。

お父さんの意思を尊重してるらしい。

ただ、大事な人を守る為に失ったことは教えてくれた。


「では、急ぎ準備を!

 星3以上の騎士は共に来て欲しい」

「はい!」

「ただ、ナナ、リン。君達はどうする?」


そう、私達は星3の騎士ではある。

強さは星3相当の騎士以上は確定してるから。

でも、私達は子供だ、だから最終判断は私達に委ねたんだ。


「とても過酷な任務となるだろう。

 君達にはまだ辛い光景を見る事になるかも知れない。

 だが、騎士としての明確な覚悟を得る為には

 経験した方が良い任務でもある。


 だが、強制はしない、君達の意思を尊重する。

 君達を育ててきた騎士達も君達を責めたりはしない。

 いや、むしろ来ないでくれと思ってるかも知れないね」

「行く! 私は行く! 私だって強くなったんだ!

 色々な人を守る為に、私も諦めないで努力した!

 だから、過酷でも1人でも多くの人を助ける為に!

 私も一緒に行きたい!」

「ナナちゃんが行くなら、私が行かない理由はない。

 私はナナちゃんを守る為に強くなったから。

 それに……戦えない人達を助けたいから」


私達の言葉を聞いて、ソールティアスさんの表情が

少しだけ変わったのが分かった。

周囲の騎士達は少し喜んでる様子だったけど

ソールティアスさんだけは、ちょっとだけ不安そうだった。

それはある意味、当然なのかも知れない。


ソールティアスさんは私達に妹さんを重ねてる。

だから、そんな私達が危ない目に遭うのが嫌なんだろう。


「……分かった、では共に来て貰おう。

 過酷な戦いになるかも知れない。

 残酷な光景を見ることになるかも知れない。

 だが、君達なら乗り越える事が出来るはずだ。

 共に災禍に苦しむ同胞達を救い出そう」

「うん!」


不安なのはそうだ、私は嫌なトラウマが蘇る。

でも、ここで逃げるわけにはいかないんだ。

私達だって強くなった、先に進むためにも

騎士として胸を張って振る舞える様に進もう!

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