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騎士見習い

久しぶりに大人の女の人と眠った。

いや、久しぶりなのかな? それさえ曖昧。

だけど、きっと、小さい頃にはきっと

誰かと一緒に眠ってたんだと思う。


あの記憶の後からは、私はなんの記憶もなく。

ただ、奴隷として過ごしてた。

ベットは無くて、地べたで眠ってた。

部屋も無いような物で過ごしてた。


そもそも、殆どまともに眠ってないし

大体、ほんの数時間で起されて

すぐに仕事をさせられてた記憶しかない。


「うーん、よく寝た」

「ん、おはよう」

「リンちゃんも起きたんだね」

「うん、余り長い時間眠るのも慣れなくて」

「うん、私もだね、あはは」


私達は基本的に殆ど眠ってなかったからね。

だから、どうしても大分早起きになる。

時間は4時、実際よく寝た方だとは思う。

とりあえず、私は昨日買って貰った食材で

料理を作る事にした。


「じゃ、教えて!」

「うん」


私はナナちゃんと協力しながら

ゆっくりと料理を作る。

ちょっと手を切りそうになってる

ナナちゃんを静止したり

切り方のコツを教えてあげたり

火の通し方も教えてあげたりした。

その結果、なんとか怪我も無く料理が出来る。


「んー、良い匂いが……あ」

「ん、おはよう」

「おはよう! エディーお姉さん!」

「ぼ、僕より早起きだったとは……」

「はい、エディーの分」

「あはは、あ、ありがとね」


ちょっと申し訳なさそうにエディーは

私にお礼を言ってくれた。

私達より起きるのが遅くなったのを

結構気にしてるようだった。


「早起きだね、本当。いつ起きたの?」

「4時」

「うん、よく寝たよ!」

「え? よ、よく寝たの?

 昨日寝たのは10時だったと思うけど」

「うん、よく寝てる。6時間も眠れたなら

 とてもよく寝た方だと思う」

「うん、前は2時間でも良かった方だよ」

「……」


私達の言葉を聞いたエディーは

開いた口が塞がってない。

よっぽど驚いたと言う事なんだと思う。

だけどすぐに、その表情に陰りが生まれた。


「そうなんだ、大変だったね」


私達に優しい笑みを浮かべて、私達を撫でた。

その瞳の奥には怒りのような物が見えたけど

それは、私達へ向けられた物ではないと分かる。


「ごめんね、君達がどれだけ苦労してきたか

 それを全然知らなくて」

「教えてないから知らないのは当然だと」

「いや、知っておくべきだったと思う。

 僕自身の決意のためにもね」


そこまで言うと、エディーは私達を抱きしめる。

不意に抱きしめられて驚いたけど

無理に引き剥がすのは悪いと思って何もしない。

私は大人は嫌いだけど、我慢しよう。


「エディーお姉さん、どうしたの?」

「……僕、しっかりするよ、うん。

 君達に苦労を掛けるわけには行かない。

 そして、僕は必ず君達を守ってみせる」

「……ありがとう」


ナナちゃんが一瞬動揺をした後に

少しだけ涙を流して、エディーに抱き付いた。

きっと嬉しかったんだと思う、あの言葉が。


ナナちゃんは誰かを庇ってばかりだった。

お姉ちゃんだからって、頑張ろうとしてたからね。

だから、自分よりも年上の誰かに守って貰えるのは

ナナちゃんからしてみれば、嬉しい事だと思う。


「あ」


そんな会話をしてると、時計の音が鳴る。


「あはは、ご飯食べようね」

「うん、食べて?」

「うん! 今回は私も手伝ったから!」

「あはは! それは楽しみだね! じゃ、頂きます!」


食事前の挨拶をして、私達は一斉に料理を食べる。

うん、私だけで作ったときよりも美味しいと感じた。

やっぱりナナちゃんも一緒に作ったら美味しいね。


「じゃ、着替えだね」

「うん」

「そう言えば、制服とか貰った?」

「いや、何も」

「まぁそうだよね、1日やそこらで

 子ども用の鎧なんて無理か。

 じゃ、普通に私服で行こう」

「ん、分かった」


とりあえずエディーに言われたとおりに

ワンピースを着た。

兵士さん達から貰ったワンピースだ。

今の私達にある服はこれ位だからね。


「じゃ、行こうか」

「うん!」


私達は3人でソールティアスさんの館へ移動した。

そこでは朝礼という事をしてるらしい。

騎士さん達が庭で立ってるのが見えた。


「あぁ、来たな」


私達はその場所へ行くとソールティアスさんが

声を掛けてくれた。


「ソールティアス様!? 何故ここに!」

「リンちゃんとナナちゃんに用があるんだ」

「用?」

「今日の朝礼で紹介する。

 鎧は無いが、顔見せは必要だろう」

「そうですね、正式に騎士見習いとして参加するなら

 やはり他の騎士達にも紹介は必要ですね」

「あぁ、だから2人はこっちに」

「はい!」


ソールティアスさんに手を引かれて

私達は館の方へ連れて行って貰った。

……大人と手を繋ぐことはあまり無いけど

何となく大きな手は落ち着く気がする。


「それじゃ、私が声を掛けたら来てくれ」

「分かった」


私達にその言葉を告げた後、ソールティアスさんは

館の外へ出て行き、

集まってきてる騎士さん達の前に立った。


「それでは、朝礼を始める!」

「は!」

「だが、その前に紹介したい子が居る。

 これから、騎士見習いとして諸君達と共に

 切磋琢磨し、成長をする事になる仲間達だ!」

「騎士見習い?」

「あぁ、将来有望な子達でね。

 君達にも彼女達を育ててあげて欲しい。

 では、リンちゃん、ナナちゃん、こっちへ」

「り、リンちゃん、ちょっと恐いかも…」

「大丈夫」


少し気圧されてるナナちゃんと一緒に

ソールティアスさんの隣へ歩いて行った。


「子供……」

「彼女達がこれから、騎士見習いとして

 私達の仲間になる事になったリンとナナだ!

 元奴隷らしいが、その実力は確かだ」

「元奴隷……あんな幼いを奴隷なんて」

「どんな精神してやがる、クソ……」

「ソールティアス様!

 幼い子を戦いの場へ連れて行くのは

 その……私としては子供達には笑顔で」

「あぁ、私も当然その方が良いと思う。

 笑顔で生きて欲しい。

 だが、さっきも言ったとおり

 彼女達は元奴隷であり、身寄りがない。

 幼い子に出来る仕事は冒険者くらいだろう」

「……そうですね、冒険者くらいしか…」

「無論、彼女の実力であれば

 冒険者もこなせるだろう。

 デュラハンを1人で倒せるくらいだからな」

「デュラハンを!? ひ、1人でですか!?」

「あぁ、ジャッキー達からの報告だ」


その言葉の後、周りの騎士さん達が

一斉にジャッキーさんの方を向く。


「本当か!? ジャッキー!」

「あぁ、嘘は言わないさ」

「俺も見た」

「俺もだな、デュラハン討伐の任に赴いたときに

 デュラハンを彼女が倒したところを見た。

 そして、彼女がジャッキーを追い込んでたのもな」

「ジャッキーを追い込む……お前、結構強いだろ」

「自分で言うのはあれだが、戦績は良い方だな」


ジャッキーさんは結構周りから評価されてるようだ。

でも、エディーの方が強いんだったっけ。

この人達の強さがどんな感じなのかよく分からない。


「そう、ジャッキーは君達の中で

 1番とまでは行かないが

 非常に高い実力を持ってるのは知ってるだろう?

 そのジャッキーを追い込むほどの実力がある。

 最も、この齢でデュラハンを倒してる実績がある。

 彼女は非常に有望だと言えるだろう。

 その才能を、君達で磨き上げて欲しい。

 将来、彼女達が強さを持ち、

 幸福に生きて行けるように」

「は!」


ソールティアスさんの言葉を聞いた騎士さん達が

一斉に前を向き、同時に言葉に応えた。

完全に一緒だった、そんな事あるんだ。


「では、これより朝の訓練を始める!

 今回は彼女達の体力を鍛えようと思う!

 10時になれば次の指示を出す。

 それまで、それぞれ自らを鍛えよ」

「了解です!」


その言葉の後、ソールティアスさんが館へ帰った。

私達はどうすれば良いのか、とりあえず鍛えよう。

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