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第三話 夜中の勤務

話を投稿したあと、何回か修正を加える事があります。何度も修正を加えたり、直したりすると思うので、ご了承下さい。

今の時間帯は、午後22時を指している頃……。目の前には、鎌を持った妖怪が鎌を構えながらこちらを睨みつける。俺は、手に持つ武器を構えて、戦闘態勢に入る。

なぜ、この様な事になったのかというと……。

話は、少し前にさかのぼる。


□□□3時間前


俺と美沙さんは、仲良く晩飯ばんめしを食らっていた。アイツから届いた食材や、調味料等を使って作ったご飯である。因みにメニューは、白飯に、味噌汁、山菜炒め、柳葉魚ししゃもである。


美沙「うまぁ〜〜い!」


頬にいっぱい詰め込んで、幸せそうな顔でご飯をらう。


美沙「こうひんはんって、ひょうひできだんへふね!」

訳[考心さんって、料理できたんですね!]


美沙さんは、口をモゴモゴと動かして喋る。ちゃんと口の中の物を飲み込んでから、喋ってもらいたいものだ。とりあえずなんて言っているのか聞き取れたので、返答する。


考心「料理するの好きだからね。それに、良い気分転換にもなるし……。」


そう言って、味噌汁をずずずっとすする。


美沙「考心さん?」


と、箸を進めながら俺の名前を呼ぶ。俺は、ご飯を口に含み、食べながら美沙さんの話を聞く。


美沙「どうして、うちに食べ物が無いってわかったんですか?」


美沙さんが、そう俺に問いかけた。俺は、口の中の物を飲み込んだ後、その質問の返事を返す。


考心「それは、なんとなくでそう思っただけさ。あと、ぼろぼろだったからっていう理由くらいかな?」


と、根拠のない返答を返した。あれ、今俺失礼な事を言わなかった?俺は申し訳ないと思い、訂正する。


考心「あっ!決してけなす為に言ったわけじゃ無いからね!!?」


美沙「大丈夫です。キニシテイマセンノデ……。」


そう笑顔を浮かべてこちらに返答する。その顔の裏に、何かありそうな気がした俺は、気にせず平然を装うのだった。

そういえば、まだこの仕事についての詳しい内容を説明していなかったね。俺が今やっている仕事の内容は、何かしらあってこの世に強い念を抱いた亡霊を、あやかしへと堕落だらくさせない為に、監視もといお世話をする事だ。最初は簡単だと思ったけど、よくよく考えると、予想外に大変だということに気づいた。今更ながら後悔をしている。



ーーそして、


考心と美沙「「ごちそうさま!」」


と、ご飯を完食し、同時に合唱する。

俺は、皿を手に持って台所へと足を運ぶ。続く様に美沙さんも、皿を台所へと運ぶ。皿を受け取った俺は、まだ止まっていない水道の蛇口を捻り、食器を洗う。

余談だが、ご飯を作る前に、この家の掃除をあらかたしておいた。汚いところでご飯を食べたり、料理をしたくなかったというのが理由だ。なので、居間や台所だけを綺麗に掃除をしたのだ。


皿洗いを終えて、お茶の間でゆっくり茶を飲んでいると、ピコンッ!、という電子音が俺の羽織はおりの袖から響く。俺は、羽織の袖にある携帯式お札を取りして、確認する。

届いたのは、音声メールだった。俺は、そのメールを開いて要件を確認する。


【閻魔です。】


【八頭さん、至急私の元へ来て下さい。内容は、こちらに来た時にお話します。なので、早く戻ってきて下さい。】


と、そこで音声メールは終わった。俺は、携帯式お札を羽織はおりの袖の中へとしまったあと、書き置きを残す。

そして俺は、そのまま神社を後にするのだった。


□□□[閻魔の宮殿]


閻魔様に呼ばれた俺は、閻魔様の部屋へと向かう為、廊下を突き進む。にっしても、今度はなんのようで呼び出したんだろうか……。俺はそれが気になって、考え込んでいた。すると、


???「どうも、はじめまして……。」


考心「……?」


瞬間。俺に挨拶をする人の声が聞こえた。気づくと、俺の真横で歩く人がいた。

その人は女で、綺麗な銀色の髪を持ち、ニ本の刀を背負った妖怪だった。

その妖怪からは、物怖ものおじしない風格ふうかくと、礼儀のあるおもむきが感じられた。俺はそれに気圧けおされて、自然と緊張する。


考心「どっ、どうも、はじめまして……。」


とりあえず、挨拶をされたので、返事を返す。

だけど、急に話しかけられた俺は、頭の中が混乱していた。なぜ俺に話かけたのか、わからないからである。

考え込んでいる内に、無駄な時間が過ぎて行った。気づけばもう、目的地の閻魔様の部屋に着いていて、俺はそこで足を止める。そして、刀の少女も同時に足を止めた。

俺は疑問をいだきながら、扉を叩いて入室する。


□□□


扉を開けて、入室すると同時に一声ひとこえ入れる。


考心「失礼します。」

刀の少女「失礼します。」


入ると同時に、俺と刀の少女の声が部屋に響く。


閻魔様「よく来てくれましたね二人とも。」


と、言って俺たちの事を見つめる閻魔様。そして、待ったなしに要件を話し始める。


閻魔様「八頭やがしらさんに、村上むらかみさん。今回、あなたたちに仕事を頼もうと思います。受け持ってくれますか?」


そう言って、頼み込む閻魔様に、俺と村上という少女は、ハッキリと返事を返した。


考心と村上「「はい!」」


閻魔「うむ。良い返事ですね。それでは、この紙をご覧になって下さい。」


と、言われて前に出された一枚の資料を交互に手に取る。


閻魔「その資料に記載されている通り、貴方達二人には、妖怪の退治をお願いしたいのです。」


そう言って、俺たちの目を見る閻魔様。それに動じない村上という少女が、先に口を開く。


村上「それで、私たちは何を退治しに行けば良いのですか?」


村上という少女は、真剣なおもむきで閻魔様にそう問いかける。そして、すぐさま返答が返ってきた。


閻魔「今回は、ここ最近よく増えている妖怪。」


閻魔「【地獄落とし】という、妖怪の集団を退治してきて貰いたいのです。」


閻魔「ですが、その妖怪はとても強いそうなので。貴方達は、天狗庁てんぐちょう白狼天狗はくろうてんぐ部隊と合流して、共に調査してもらいます。そして、特徴等ですが………。」


そして、長々と説明をする閻魔様に俺は、長い、と心中でそう思った。余談だが、最初に渡された資料には、今説明してもらっている内容が、しっかりとしるされています。ぶっちゃけ、資料を見るだけでいいんじゃないかと、そう思わずにはいられなかった。


□□□


閻魔様からの話が終わったので、部屋から退室して扉を閉めたその刹那。俺は、誰にも聞こえない声量で、こう吐き捨てる。


考心「やっと終わったぁ〜……。」


…と。

そして、そのまま廊下を突き進み、外を目指す。村上という少女は、俺のペースに合わせて、真横を歩く。そして、


村上「よかったですね。武器…貰えて…。」


村上という少女は、俺の腰にたずさえる刀を見ながら、唐突にそうつぶやく。

実は、説明を受けた後に、閻魔様が特別にこの刀を与えてくださったのだ。たしか……、使うべき時に本領を発揮するみたいな事を言っていたな……。


考心「あっえっと……、自己紹介がまだだったよね?一様しておこうか?」


俺はまだちょっと緊張しながらも、そう彼女に尋ねる。


村上「そうですね。この先、一緒に行動することもあるかもしれないので、自己紹介をしておきましょうか。」


そう言ってうなずく村上さん。そして、言い出しっぺである俺から、自己紹介を始める。


考心「俺の名前は、八頭考心。これから宜しく!」


と、言って、俺は笑顔を浮かべる。


村上「私の名前は、村上幽華むらかみゆうか。こちらこそ、よろしくお願いします。」


幽華は、礼儀正しくお辞儀をして頭を下げる。

そうして俺たちは、お互いに自己紹介を交わした後、共に合流地点を目指すのだった。


□□□閻魔の皇室


閻魔「……。」


付き人鬼「あの、閻魔様。」


静かな部屋の中、隣で声をかけて来た付き人鬼。

私はそちらの方に向いて、付き人鬼の言葉を待つ。


付き人鬼「良いのですか?あの様な者にあの剣を渡してしまって?」


閻魔「良いのですよ。ある者からの助言ですから、私はそれを信じた上で、彼にあの剣を託したのです。」


そう、あの男なら…、きっと直ぐに使いこなす事が出来るだろう。なんせ……、


あの男の子孫なのだから。


□□□


幽華「あの……、ちょっといいですか?」


考心「はい、なんでしょうか?」


人間界の夜。

暗い夜道を渡り歩く中、幽華さんに質問された。そして、その続きの言葉を待つ。


幽華「閻魔様から頂いたその刀。少し見せては貰えませんか?」


考心「……えっ?」


そんな素っ頓狂な声が、俺の口から漏れる。

だってそうだろ?何か自分の事について聞かれるかと思いきや、全く的外れなことを言ったのだから。


幽華「実は私……、刀が好きなので、考心さんに渡されたその刀、ずっと気になっていたんです!」


あの時のカッコいい趣とは、打って変わった態度で喋る幽華さん。それを見た俺は、[可愛いところもあるんだな]と思った。


幽華「お願いします、見せて下さい!」


頭を下げられた。

いや、そこまでして刀が見たいのかこの子。執念しゅうねんが芸人並みだなっと、思わずにはいられなかった。

俺は、腰から刀を外して、


考心「はい、どうぞー。」


そのまま彼女に受け渡した。


幽華「えっ?良いんですか?!」


そんな驚愕きょうがくな光景を見たかの様な声をあげる。


考心「嫌だったか?」


そう言って、俺は渡した刀に再度手を伸ばす。すると、それを否定するかの様に俺の手から遠ざける。


幽華「いえ、遠慮なく拝見させてもらいます!」


そう言って刀を鞘から抜いて、まじまじと観察をする。俺は、遠目からその刀身を見る。

一言で言うと、黒かった。

一見するに、ただの黒い刀だ……、ただの黒い刀??

俺は目をまん丸にして、心中でそう叫ぶ。


幽華「微力ですが、電気を帯びていますね……。もしかしたらこれは……あの神の剣かもしれませんね……。」


幽華は小声でそう小言を呟いた後、刀身を鞘に収めて俺に受け渡す。


幽華「ありがとうございました!とても興味深い刀でした!」


考心「おっ、おう…そうか……。」


俺はその予想外な態度に、再度驚きながら刀を受け取る。

そうして、この会話で俺は、幽華さんが重度の刀マニアであることがわかった。正直そっちの振る舞いの方が、自分に取っては接しやすいため、いつまでもこんな会話をしていたいと、思った。まあ……、無理なんだろうけど。



そして、そうこうしているうちに、目的地へと辿り着く。周りには、武装した白髪の天狗が多く配置されていた。すると、ひとりの天狗が、俺たちに近づいてきた。


天狗「夜分遅くにお勤め頂き、感謝します!警部がお待ちです。ささ、こちらへどうぞ!」


と、言われるがままにその天狗に案内されるのだった。


面白かったら、高評価とブックマークの方をお願いします。


キャラクター説明


八潟 美沙

ヤガタ ミサ


ぼろぼろな八潟神社の巫女をしており、数年前に亡霊となった元人間である。亡霊なんだけど、取り憑いているのは、場所ではなく、物である。それによって、現代に留まっている形になっている。

性格は、おしとやかで、仲良くなるとよく喋る。最初は警戒するものの、案外すぐ打ち解けやすい感じである。少し抜けていて、警戒心が「ドッ!」と抜けてしまっているのが欠点である。


見た目

純粋な白色が基調の服を着ており、少し変わった巫女服を着ています。頭の右側には、割と大きな青いリボンが付いている。髪の色は黒く、しなやかな髪をしている。目の色は黒い。

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