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異世界転移で言語理解魔法に失敗する

作者: そら猫豆

「あのう、ご理解頂けましたでしょうか」


 俺は線路の上で気絶した。

 そんな偶然があるかと思うが、この女神と名乗る女が言うには俺の問題ではなく神側の問題らしい。

 俺は女神を睨み付ける。


「申し訳ありません。こちらとしても現在調査中でして」

「そんな事務的に答えられてもな……俺の地球での人生は終わってしまったのか?」

「今まさに終わるところです」


 どうやら女神が俺の予定外の死の直前に俺の意識だけをこちらの世界に持って来たと説明した。

 ふむ?


「このまま轢き殺されて死んでしまうか、異世界に召喚されて……のどちらかを選んで頂きます」


 あー、もちろん異世界……召喚?


「召喚しかないんですか?」

「転生が良かったですか? 申し訳ないんですけど、今召喚術を行っている異世界がありまして……そちらに行って頂かないとその子も死を迎えてしまうんです」


 俺しかいないとでもいうつもりか?

 女神は俺の前にモニターのようなものを見せてくれた。

 空間に浮かぶ四角い映像には今まさに少女が何かを唱えて光に包まれているところだった。


「彼女が唱えた召喚術はその世界では本来起こりえない魔法なのです。桜井様が倒れたのと同時刻に宇宙の星々で不思議なことが起こっているのです」


「よくわからないけど、この子のところにいけばこの子は死なずに済むんだな?」

「はい、バランスが取れますので。それと地球での生が全うできなかったことのお詫びにその世界で使える強力な能力を授けますよ」

「あ、うん。お願いできる? 貰える物は何でも貰う主義だから」


 けちくさいことは平気でやる主義だ。


 おっと、何か手に入れたみたいだ。


「ステータス閲覧Lv1は私からの固有スキルです。大事に使って下さいね」


☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★


 スキル:透視Lv1 賢者Lv1 鑑定Lv1 時間操作Lv1 ステータス閲覧Lv1

 属性:不死(物理攻撃無効 四属性魔法攻撃無効)


☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★


 なるほどこの☆のラメみたいなものは女神の趣味か。

 お、時間操作がある。

 使えるじゃん。しかも属性不死は草生えるな。

 え……? 死なないってコト? それはなんかイヤだ。


「あの、めが――

「それじゃ、いってらっしゃい」


 目の前が真っ白に包まれて俺は少女の前に躍り出るように姿を見せた。


「マラキェルメラネ?」

 うお、何言ってるのかわかんね。

「アッラー!」


 嬉しそうにしている少女を見てとても死ぬように見えないのでなんだか少し騙された気分だ。

 俺が言葉が分からないことを身振り手振りで告げると少女が俺の頭に手を当ててきた。


『これで聞こえる?』

『ああ、聞こえる。召喚はうまくいったんだな?』


 女神の注文通り召喚されてないと俺としても困る。

 少女は嬉しそうに頷いた。 


『ええ、あなたの名前は?』

桜井凪斗さくらいなぎと。ナギトでいい』

『じゃあナギト。これから言語理解魔法を掛けるわ。あなたにはこれから王様に会って貰う。そこで私に召喚されたことを説明して頂戴』

『なんだかのっぴきならない状況なようだな。協力はやぶさかじゃないが、こっちだって色々あって疲れてるんだ。早めに終わらせてくれると助かる』

『ええ、そのつもり。いくわよ』


 頭にがつんと衝撃が走るとどうやら言語理解は習得できたようだ。 

 ステータス閲覧で確認する。


☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★


 スキル:透視Lv1 賢者Lv1 鑑定Lv1 時間操作Lv1 ステータス閲覧Lv1 言語理解Lv-10

 属性:不死(物理攻撃無効 四属性魔法攻撃無効)


☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★


 いきなり10レベルか。

 まあそうか。それくらいじゃなきゃ会話にはならんよな。


 さて、王様のところまで案内されると少し緊張が走る。


「君は――」

 王が口を開いた。

 中年の親父のようだが、果たしてどんな言葉を俺たちに投げかけるのか。


「ボトムMAの分離」

「はい?」


 思わず聞き返した。

 王は荘厳にいかつい顔のまま真面目にボトムMAの分離と喋った。

 一発ギャグではないらしい。


「クロエは私たちのヨガエリアを得た」

「何の話だ? ヨガが大事なのか?」


「DVDジャック。チュニアランクリーム」


 何を言っているのかわからない……。

 思わず少女の方を見る。


「このマッチョなパンナコッタの新鮮果実」


 少女も意味不明なことをほざいていた。

 もしやと言語理解のレベルを確認する。


「まて、言語理解Lv……マイナス10だと!?」

 

「アーモンドはモハンマド・イエスとは言えない」

「グレッグエスタドスがオマイマのスタートを指示する」

「キャリアは今日のオデンをつなぐかもしれない」

「またトラッキーな終日にコミットしました」


 何か会話が進んでる。

 ナニコレこわい。


「彼がこの猫スキャンをし返したと私はアナルでナレーションがオフになっていることを知っています。

 エジソンの余分な家庭教師でさえ私のコードは準備が出来た段階でOPPしている」


 どうやら少女は俺を背に何かを訴えている。

 OPPってなんだ?


「レジストラなテクニックはキャロル」


 お。国王はご立腹のようだ。


「Buh-Buh-Bearクリックトロッキーは否認」

「彼らは前に濾過を提供しましたYO」


 少女が何かを反論している。


「ガンブリアごめん高田コレクター教えて」


 少女の名前は高田!?


「本物と同じように毎日オフデイ」


 仕事しろよ。


「イメージメディアババア博士のカダフィと交換」


 何か人身売買始めだした。

  

「メディアババアを驚かせたことを知っています」

「相談した?」


 お、だんだん言語理解が治ってきたか?


「ハはい」


 静寂が訪れた。

 どうやら取引は終わったようだ。


「最終報告。リプリー」


「リプリーね、おーけーだ」

 

 何がおーけーなのかさっぱりわからんが、謎の疲労感が襲う。


 頼むもう一度言語理解を授けてくれ。

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