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【竜崎タカオの転生譚・特別篇】転生探偵クレア~水筒の中身~

作者: 藤咲 流

この度は皆様のおかげで総合ポイント100ptを達成することができました。


まことにありがとうございます。


ささやかではございますが、稚拙ながら特別篇として「転生探偵クレア」をお届けします。


本編の要素を含めた微推理ものです。


ほんとに「微」です、推理ものを書かれている方に申し訳ないぐらいに……。


オチに関しては解答も用意しておりますので、微推理を少しでも楽しんでいただければと思います。


*関連エピソードは「竜崎タカオの転生譚」の第30話となります。よろしければ、ぜひご覧いただければと思います。

https://ncode.syosetu.com/n7980ef/

「……ないわ」


 クレアは夜中にも関わらず、俺とターニャを叩き起こしてくる。歩き疲れもれあれば戦闘疲れもあり、そして宴会疲れ。そこに輪をかけてクレアの我がまま……。さすがの彼女も目をこすっている。


「おい、こんな夜中に起こすなんて……。ちょっと考えろよ」


「大事なことなの。水筒が無くなったわ」


 水筒、と俺は言葉を繰り返す。そう言われたクレアは、手で筒状の物体を表現する。


「うん、こんな感じの水筒。不服ながらあんたとも相部屋になった訳だけど」


「不服とは何だよ」


「でも、あんた達と一緒の部屋で無くなったの。あんただって十分に容疑者の一人なんだからー」


「クレアしゃん。しょの、これ……」


 ターニャはまだ眠気が抜けていないのか、ムニャムニャと酒に酔った状態のような口調でしゃべる。その手には、クレアがジェスチャーで伝えてきたような水筒が握られていた。


「しょのしゅいとうって、これでしゅか?」


 クレアがポカンとした顔をして水筒を見る。その時点でこの事件に対する興味が無くなっていく。とにかくムニャムニャ口調のターニャがかわいい。もうそれでいいじゃないか。


 よし、問題も解決したし寝よう。残念ながら名探偵・タカオの出番は無かったが、俺が出る幕でもなかった。このままペンを置き、話を締めくくってりベッドに付こうとする。しかし、クレアに首根っこをつかまれてしまう。


「なんだよ、もう解決しただろ。疲れてんだから、寝かせてくれよ」


 さらにターニャも援護するようにしょうでしゅよ、と言葉を続けてくる。


「しゅいとうの中身は無事じゃにゃいかもしれましぇんが、もういいじゃにゃいでしゅか。ねましょ」


 ピカン、とひらめいた音が聞こえてきそうなほど、クレアは目を見開く。まるでどこかの探偵もの主人公のように、彼女は額を指で叩きながら、ターニャに近づく。


「ターニャさん、やはり今回の犯人はあなただったですね……。あなたのために水筒を隠しておいたのに、非常に残念です」


「はあ? なに寝ぼけてんだよ。水筒は隠したんじゃなくて無くしたんだろ? それを見つけてくれたんだから、むしろターニャは汚点を拭ってくれたメシアだぞ。ったく、こんな夜中に起こしやがって……」


「これだから君はいつまでも三流なんですよ、タカオくん」


 何を物真似ているか知らないが、いつもと違う間延びした口調で話し続ける。こんな口調で話す探偵なんて、俺は刑事コ〇ンボか〇畑〇三郎しか知らないぞ。


「よく考えてください。ターニャさんの言動には、少しおかしいところがあるんです」


 クレアに言われてから、俺は眠い頭をなんとか回転させながら考えてみる。すると、先ほどのクレアと同じように俺の頭にも閃光が走る。そして、どうしてターニャの口調が妙に変化していたのか。その解答に行き着くこともできた。













解答:クレアは「水筒が無くなった」としか言っていないのに、ターニャは中身が無事でないことを知っていました。そして、ターニャは異常にお酒が好きで、飲んでしまうと口調が変わってどんどん飲んでしまいます。彼女が飲み過ぎて二日酔いにならないようにクレアはお酒を水筒に入れて隠しておいたのですが、見つかってしまったというわけです。


どうでしょうか、楽しんでいただけたでしょうか?


ホントに推理センスが無くて申し訳ないのですが( 一一)


少しでも楽しんでいただければ幸いです。


今後も本編「竜崎タカオの転生譚」をよろしくお願いします。

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