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召喚物語 - 召喚魔法を極めた村人の成り上がり -   作者: 花京院 光
第二章「アルテミス王国編」
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第七十四話「魔王城前の攻防」

〈クーデルカ視点〉

 メンバー:クーデルカ、ルナ、シャルロッテ、エドガー、アルベルト、ワイバーン


 サシャ達が「ゲート」の魔法によって姿を消してから、私達は尾行していた敵を倒した。サシャとシルフ、ヘルフリートは魔王城内に強制的に転移させられたのでしょう。ルナはサシャが消えてから、今にも泣き出しそうな表情を浮かべている。直ぐに合流しなければ、サシャ達の命が危ないわ。


 仲間の無事を確認するために、ギルドカードを取り出した。ギルドカードにはサシャの名前が表示されている。無事に生きている事は間違いない。それに、レベルが100まで上昇している。きっと城内で強力な敵と戦ったのでしょう。


「ボリンガー様のレベルが大幅に上がっているという事は、相当手強い魔物と戦ったのでしょうね」

「うむ。幻獣、幻魔獣クラスの魔物を倒したのだろうか。兎に角、急いで魔王城を目指すぞ!」


 エドガーはパーティーを率いて歩き始めた。やはりエドガーは頼りになる男ね。続けてギルドカードを確認すると、『幻魔獣 LV30 シャーロット』と表示されている。きっとサシャが城内で召喚したのでしょう。魔王城で新たな仲間を召喚しなければならない程、深刻な状況に陥っているのかしら。


 クリスタルはアルテミシアで幻獣のサイクロプスを召喚したみたい。アルテミシアもかなり危険な状況なのでしょう。皆命を賭けて戦っているのね。


「クーデルカ。急いで先に進もう。ワイバーンは後方からの奇襲に警戒するように。それからルナ、敵の気配に気が付いたらすぐに俺に知らせてくれ」


 エドガーは仲間に的確な指示を出した。私達は魔王城から流れる魔王の魔力を辿りながら、目的の魔王城を目指している。サシャ達が姿を消してから三時間が経過した。道を進むにつれ、魔王の魔力は次第に強さを増している。そろそろ魔王城が近いのでしょう。


 敵の奇襲に警戒しながら魔大陸を進むと、私達はついに魔王城を発見した。巨大な石造りの城で、魔王城を守るように巨体の魔物が立っている。石から作られたゴーレムだろうか。私達の姿を目視しているのにも拘らず、持ち場を動こうとしない。


 体長は五メートル以上ありそうだけど、敵は一体。私達の攻撃を受けられる程の魔物ではないでしょう。


「ストーンゴーレムですか。石に強力な魔力を込めて生み出した召喚獣です。魔力から察するに、強さは幻獣程度でしょうか。ゴーレムの強さは召喚士の魔力に比例します」

「敵が誰でも構わねぇ! 俺は行くぞ!」

「待て! エドガー!」


 エドガーはサーベルを構え、一人で飛び出した。冷静な所もあるけれど、基本的にエドガーは好戦的。敵を見つけると直ぐに飛び出す癖がある。アルベルトがエドガーを追う様に走り出すと、ワイバーンが飛び上がった。


 ワイバーンは魔王城の上空を旋回すると、ストーンゴーレムに対して炎を放った。ストーンゴレームの体は瞬く間に炎に包まれたが、石の体には火属性の魔法は通用しないのでしょう。特にダメージを受けている様子もなく、ストーンゴーレムはワイバーンを無視しながら、エドガーに対して拳を振り上げた。


 エドガーはストーゴーレムの拳をサーベルで受け止めると、ルナが飛び上がってエドガーに加勢した。翼を開いたルナは、ストーンゴーレムの周りを高速で飛びながら、レイピアによる突きを放っている。爆発的な魔力を込めたレイピアの突きは、ストーンゴーレムの体に傷を付けたが、致命傷には至らないみたい。


 シャルロッテは冷静に戦況を確認しながら、ガーディアンに指示を与え、仲間を守らせている。アルベルトは空中に無数の槍を作り上げると、ストーンゴーレムの頭上から降らせた。


 ストーンゴーレムとは驚異的な防御力を持つ召喚獣なのでしょう。仲間達の総攻撃を受けても、動きを止める事もなく、執拗にエドガーを狙い続けている。しかし、エドガーも海賊ギルドのマスターだ。そう簡単にはストーンゴーレムの攻撃を喰らわない。巨大な筋肉を総動員させたサーベルの一撃でストーンゴーレムの攻撃を受けている。今、この場にストーンゴーレムの攻撃を受けられるのはエドガーしか居ないでしょう。


 私は状況を確認しながら、上空に杖を向けて冷気を作り上げた。私のアイシクルレインでとどめを刺すしかない。体内の魔力を放出して上空に強い冷気を集め、無数の氷柱を作り上げた状態で攻撃の機会を待つ……。

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