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ラッキーの定理

「付き合ってください!」

私は勇気を振り絞って好きな男性に想いを伝えた。

「ごめんなさい。」

男性の答えはノーだった。


男性は残りの運が減るから付き合えないと私に伝えてきた。

全ての人には元々100ラッキーがあるらしい。

そしてラッキーな出来事が起こると、そのラッキーはどんどん消費してしまうらしい。

私に告白された時点でもうすでに5ラッキーが消費されてしまい、付き合うとなったらもっと消費してしまうので告白を断ったみたいだ。

ラッキーを老後に残しておきたいという理不尽な理由で私はフラれてしまったのだ。

しかし、不幸な出来事が起きたり、良いことをしたりするとラッキーは返還されるのだという。

男性は半年ほど前に遭ってしまった交通事故で12ラッキーが返還されたらしい。

今はそれを大事にしたいというのだ。

過去には困っているお婆さんを助けて2ラッキー増えたが、そのお婆さんに御礼として大量のリンゴを貰ったので2ラッキー減ってプラマイゼロになったことがあったみたいだ。

お婆さんを助けたら見返りがあるかもしれないと予測が出来るように、私と付き合った場合どんどんラッキーが消費していくことが予測出来てしまったようだ。

好きなアイドルと街で遭遇して4ラッキー消費したこともあったらしい。一日に一回も赤信号に引っ掛からなくて3ラッキー消費したこともあったらしい。

そのよく分からない考え方によって私はフラれた。

でも男性はどうやら私のことが大好きらしい。


「タイプではない人に告白されたこともあったけど、その時はラッキーに変動はなかったよ」

男性の長たらしい運に関する話に私はかなりうんざりしていた。

「もういいです」

その場から私は走り去ってきた。

男性にフラれてしまったので私のラッキーは7ラッキーくらい増えただろうか。

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