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好きなの?嫌いなの?

僕は何者かに追われている。


それはそれは幸が薄そうな年上の女性に。


僕はその女性に全く心当たりがない。


走りながら振り返っても女性は顔の表情を一切変えない。


ランニング中にその女性と擦れ違った後、気配に気付き後ろを見ると、走って付いてきていた。


今の僕にはランナーというよりスプリンターという言葉の方が合っている気がする。


追われている理由の候補は大きく分けて二つある。


好きだから追っかけているパターン。


嫌いだから追っかけているパターン。


追われているが、どっちだろうか。


こんな一般人の僕にストーカーみたいな熱狂的なファンはいるはずがないから好きではないか。


犯罪や悪いことをした覚えも、酒を飲んで記憶をなくした覚えもないから嫌いでもないか。


女性は意外なことを理由に男性を好きなることがあると聞いているし、痩せている僕のような男性を好きになる女性もいるかもしれない。


女性は意外なことを理由に男性を嫌いになると聞いているし、痩せている僕のような男性のことが嫌いな女性もいるかもしれない。


好きなの?嫌いなの?好きなの?嫌いなの?僕の頭ではそれが渦巻く。


あまりにも不気味に、あまりにも速く走る女性に恐怖を感じ逃げていたが逃げていても仕方がない。


僕は足を止めて、恐る恐る近寄り、理由を尋ねる。


すると女性はカッコつけた口調を溢れ出させた。


「そこに走っている人がいたから……」


僕は何事もなかったかのようなに普通の感情で、普通ではない女性から逃げるように再び走り出す。

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