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シンデレラのガラスの靴

「待って」


王子様に呼び止められたが私は急いで階段をかけ下りて城を出た。


王子様に好意を抱いていたが訳あって逃げてきたのだ。


王子様は私のことをどのように思っているのだろうか。


私は急いでいたのでガラスの靴を片方だけ階段に残してきてしまった。






「待って」


僕は彼女を追いかけたが追いつくことは出来なかった。


彼女は逃げた時に階段にガラスの靴を片方残していった。


どうしても彼女のことを見つけたい。


そう思った僕はガラスの靴を手掛かりに彼女を探すことにした。






あの日逃げてきてしまったのは私の勇気が足りなかったからだ。


私の頭の中はあの日からずっと王子様のことでいっぱいになっていた。


どうやら王子様は今ガラスの靴を手掛かりにして私を探しているらしい。


王子様のことは好きだけど私と王子様は会ってはいけないのだ。


私は自分の部屋に隠れて王子様と会わないようにした。






僕は今から街に行って彼女を見つけることにした。


顔は分からないが僕にはガラスの靴がある。


舞踏会で彼女に住んでいる街を聞いておいてよかった。


僕はその街へと出掛けていって手当たり次第に彼女を探した。


すぐ見つかると思っていたがなかなか合う女性が見つからなかった。


今日はもう諦めようかと思った時その女性は現れた。






「あなたで間違いない」


最先端の指紋鑑定によってすぐに犯人が私だと分かってしまった。


王子様に盗んでいたところを見られてしまい追いかけられたが私は仮面をつけていた。


だから顔は見られていなくて逃げ切れば捕まらないだろうと思っていた。


でも逃げる時に私はシンデレラから盗んだガラスの靴を片方だけ落としてしまったのだ。


私の指紋が付いたガラスの靴を手から落とさなければ捕まることはなかったはずだ。


私は逮捕されて車で警察署まで連れていかれた。


大好きだった王子一郎様が警察官だったということは今初めて知った。






私は今もこう思っている。


『シンデレラのガラスの靴より眩く美しいものなどこの世には存在しない』のだと。

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