牛乳好き界のサラブレッド
母の好きな飲み物。
牛乳。
父の好きな組み合わせ。
あんパンと牛乳。
妹の嫌いな飲み物。
牛乳以外。
僕の好きな飲み物。
牛乳以外。
僕は牛乳大好き一家の長男として生まれた。
毎日、食事の時に母が牛乳をコップに注ぐ。
ご飯を食べながらそれを飲む日々。
何を食べるときも飲むのは牛乳。
妹は、しっかり牛乳好きへと成長したが僕はそうはいかなかった。
牛乳が嫌いなわけではない。
でも自分から飲みたいとは思わなかった。
ある日、友達の家に遊びに行った時に紅茶と出会った。
そのあまりの美味しさにびっくりした。
こんなに美味しいものがあるのかと思った。
それから僕は親の期待を裏切り牛乳を見捨てて紅茶に走った。
食事の時、母がコップに牛乳を注ぐのを拒み紅茶を飲み続けた。
母はとても悲しそうな顔をしていた。
両親が牛乳好きでも子供が牛乳好きになるとは限らないのだ。
ある日、友達の家に遊びに行った時に今度はミルクティーと出会った。
紅茶と牛乳の絶妙なハーモニーを知って僕はミルクティーが一番好きな飲み物となった。
そして牛乳の評価が急上昇した。
牛乳の評価が上がったことで僕は牛乳を久し振りに飲んでみた。
すると牛乳の美味しさに気付いてしまった。
父の好きなあんパンと牛乳の組み合わせにもチャレンジして牛乳がどんどん好きになっていった。
それからは毎日牛乳を飲み続けた。
これで両親の期待通りになったようにみえた。
しかしあるものが邪魔をした。
それはおなかの調子が悪くなることである。
牛乳が原因か定かではないがおなかの調子が悪くなることが続いた。
僕は飲み続けるか止めるか悩んだが止めることにした。
その後まったく牛乳を飲まなくなった。
僕は次にコーヒーを好きになった。
そしてコーヒー牛乳を飲むようになった。
コーヒー牛乳の美味しさに気付いて、また牛乳の評価が上がった。
おなかを壊すという理由で一度は避けた牛乳だったがまた飲むことを決めた。
毎日、牛乳を飲み続けた。
すると、またしてもおなかの調子が悪くなった。
そして渋々、牛乳を飲むのを止めた。
牛乳好き界のサラブレッドは期待に答えることが出来ずに別の道へと進んだ。
でもミルクティーとコーヒー牛乳は牛乳が入っているがおなかの調子が悪くならないので今も飲み続けている。




