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なぜ詰まったのか

トイレに行ったおじいちゃんが戻ってきてこう言った。



「トイレが詰まっとるぞ」



まるで他人事だが家族はみんなおじいちゃんを疑っている。



「わしはもう寝るぞ」



祖父はさっさと寝てしまった。



午後の5時を回ったところだった。



祖父を除く僕と姉と父と母の4人でトイレが何で詰まったのかを考え始めた。



「僕の意見から聞いて。おじいちゃんが入れ歯をトイレに落としたと思うんだけど」



すると残りの3人があきれた顔をして喋り始めた。



「お父さんはありえないと思うぞ。もっとありえる説を言ってくれよ」



「お母さんも絶対ないと思うわ。あんたバカじゃないの。どんな脳味噌してるの」



「お姉ちゃんもその可能性は0に近いと思うわ。入れ歯なわけないよ。あんたアホだな」



ひどい言われようである。



「次はお姉ちゃんの意見を聞いてね。 おじいちゃんがカツラをトイレに落としたと思うんだけど」



すると残りの3人が悩んだ顔をして喋り始めた。



「お父さんは違うと思うぞ。トイレに入る時にカツラしてないの見てたからね」



「お母さんもその話を聞いたら違う気がしてきたわ」



「僕も違うと思うよ。金髪のカツラは家では外してることが多いもんね」



この説は違うようである。



「次はお母さんの意見を聞いてね。ペットのポチが間違ってトイレに詰まったと思うんだけど」



すると残りの3人が悩んだ顔をして喋り始めた。



「お父さんは違うと思うぞ。ポチは見当たらないがどこかに隠れているだけだろう」



「お姉ちゃんも違うと思うわ。あのポチがトイレに詰まるはずがないもの」



「僕も違うと思うよ。ヘビのポチは洋式トイレを登れるかもしれないけど詰まることは考えにくいよ」



どうやらこれも違うようである。



「次はお父さんの意見を聞いてくれ。おじいちゃんがしたのが超粘着系排泄物だったんじゃないか」



すると残りの3人が納得したような顔で喋り始めた。



「お母さんもそうだと思うわ。あなた天才ね」



「お姉ちゃんも納得だわ。超粘着系排泄物なら説明がつくわ」



「僕もそうだと思うよ。では結論は超粘着系排泄物ということで」



4人の答えが出た時におじいちゃんが起きてきた。



「お腹が空いて何か食べようと思ったんだが入れ歯が無いんじゃ。わしの入れ歯知らんか?」



「あっ!!!」



4人は揃って大声をあげた。

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