キスが好き
俺は女が好き。
そしてキスが好き。
でも全然モテない。
モテないがキスがしたい。
キスがしたいがする方法が思いつかない。
酔ったらキスしてくるおばさんの知り合いはいる。
でもおばさんではなくて若い女性とキスがしたい。
若い女性とキスがしたいが若ければいい訳でもない。
若くて美女じゃなければダメだ。
どうすれば若い美女とキスが出来るのかを毎日考え続けた。
そして色々考えた結果いい方法を思いついた。
俺はその方法をさっそく試してみた。
すると思った通りにキスが出来た。
そして俺は美女とキスをしまくった。
とても夢のような時間だった。
「ニュースをお伝えします。
昨日午後10時頃、駅前で男が若い女性数人にキスをするという事件が発生しました。
人通りが比較的多い場所ですが目撃者はおらず犯人はまだ捕まっていません。
被害者の女性によると犯人はニット帽とサングラスをしていて顔がよくわからなかったようです。
犯人は現在逃走中なので夜に出掛ける方は注意してください」
俺の足の速さをなめないでもらいたい。
陸上の大会で優勝したこともあるのだから。
絶対に捕まらない自信が俺にはある。
今日も俺は駅前にキスをしに来ている。
もちろん捕まらないために前とは別の駅を選んだ。
やる方法はまず物陰に隠れて女性の顔を遠くから眺める。
そして美女を発見したら足音を立てずに素早く後ろをつける。
それから正面に回り込んでキスをする。
最後に全速力で逃げる、それだけだ。
品定めする時にしなければいけないことがある。
それは本当に美女かどうかをちゃんと確認すること。
美女ではなくて髪の長い綺麗なお兄さんということもあるからだ。
それ以外に注意することは特にない。
すると俺の好みの女性が向こうから歩いてきた。
男性ではないことをよく確認して後ろをついていった。
そして素早く回り込みキスをした。
だが俺は苦しくなってその場に倒れこんだ。
そのまま取り押さえられて警察に捕まった。
捕まる前にキスをした美女の夕食はすりおろしニンニクたっぷりのラーメンだったみたいだ。
世界で一番嫌いなものはニンニクでにおいを嗅いだだけで苦しくなってしまう俺。
ニンニクが嫌いだが俺は吸血鬼ではない。
ただの通りキス魔なのだ。




