表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/100

「ハクショーン!先生、これって花粉症ですか?ハクショーン!」


僕は今朝からこんな状態だ。


今日が休みで良かった。


「花粉症ではないですよ」


「ハクショーン!」


「とても珍しい病気です」


僕は健康で病気にかかったことがなかったのでかなり不安になった。


「ハクショーン!僕は何て病気ですか?ハクショーン!」


「病名は『連続くしゃみ病』です」


聞いたことはないがすぐに治るだろうと思っていた。


「ハクショーン!どうすれば治るんですか?ハクショーン」


「この病気は治らないです」


「ハクショーン!治らないんですか?嘘でしょ?ハクショーン!」


「まだ薬がありません」


僕は頭が真っ白になった。


それにしても先生は僕のくしゃみのタイミングを避けて喋るのが上手すぎる。


「ハクショーン!先生、話し慣れてますよね?ハクショーン!」


「3人の患者を担当しましたからね」


だいたい2秒に1回のくしゃみは僕の体力を奪っていった。


「ハクショーン!もしかして僕が4人目ですか?ハクショーン!」


「そうですよ」


「ハクショーン!」


珍しいと言っていたがここまで珍しいとは思わなかった。


「でも2秒型は初めてです」


2秒に1回のくしゃみを2秒型と呼んでいるみたいだ。


「ハクショーン!あと何型があるんですか?ハクショーン!」


「5秒型と10秒型です」


こんなに間隔が短いのは未知の世界みたいだ。


例がないみたいなので不安が増した。


「ハクショーン!3人は今どうしてますか?ハクショーン!」


「仕事を辞めた人もいます」


そう聞いて言葉が出なかった。


僕は心の整理がつかないまま病院を出た。



下を向いて歩く帰り道。


相変わらずの連続くしゃみ。


すれ違う人たちはみんな僕を変な目で見てきた。


その反応を見て僕は変わってる人なんだと実感した。


仕事ができないだけじゃない


生活をすることも苦痛になる。


家に帰って『連続くしゃみ病』についてネットで調べてみた。


やはり治らないと書いてあった。


そしてずっと調べていると怪しいサイトにたどり着いた。


するとそこには『この薬を飲めば連続くしゃみ病は治る』の文字があった。


値段は少し高くて疑いはしたが信じることにした。


薬は2種類あって名前は『リクツヤシ』と『ラナオ』だった。


僕は迷って『リクツヤシ』を注文した。



次の日、薬が届いて早速試してみた。


すると、くしゃみは全く出なくなった。


だが、喜べないことがあった。


それは2秒に1回のしゃっくり。


くしゃみがしゃっくりに変わっただけだった。


くしゃみよりはしゃっくりの方が楽かもしれないがガッカリした。


薬の効果は24時間で薬を飲まないとくしゃみが出るし薬を飲むとしゃっくりが出る。


また同じようなことになるかもしれないが今度は『ラナオ』を買ってみようと思う。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ