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「俺、朝起きるのが苦手でさ。目覚まし時計が鳴っても止めて寝ちゃうんだよね」



「そうなんですか」



「お前はどうなの?」



「僕は大丈夫ですよ。起こしてくれる女性がいますから」



「えっ、起こしてくれる女性がいるの?電話で?それとも直接?」



「直接ですよ。一緒に住んでますからね」



「えっ、一緒に住んでるのか。いいな。俺はずっとひとりだよ」







「俺、いつもコンビニ弁当なんだよな。弁当を作ってくれる人もいないしさ」



「そうなんですか」



「お前その弁当、誰が作ったの?」



「女性です」



「例の女性?」



「そうですよ。一緒に住んでいる女性が作ってくれました」



「うらやましいな。誰か俺に弁当作ってくれないかな」







「ごめんなさい。長電話で」



「早く弁当食べないと昼休み終わっちゃうぞ」



「そうですよね」



「今、電話してた相手って例の女性?」



「そうですよ。毎日、電話が来るんですよね」



「いいな、ラブラブで。俺も毎日電話するような女性が欲しいな。お前、誰か紹介してくれよ」



「自分で探してください」







「今度の土曜日なんだけど予定入ってなかったら一緒にクラシックコンサートへ行かないか?」



「行きたいですけど、予定が入ってるんですよね」



「予定って例の女性とどこかに行くの?」



「そうですよ。ちょっと草津温泉に行ってきます」



「温泉旅行か、いいな。お土産を買ってきてくれよ」



「わかりました。でも何でコンサートに女性ではなくて僕を誘ったんですか?」



「女性を何人も誘ったけど断られたんだよ」



「あっ、そうですか」







「今から飲みに行かないか?」



「すみません、女性が料理作って待っているので」



「そう言うと思ってたよ。俺は誰にも相手にされない寂しい男だよ」



「そんなこと言わないでくださいよ」



「お前の家に行って料理をごちそうになるって可能か?」



「それは無理だと思いますよ」



「そうか、でも部屋にひとりでいるのが耐えられないんだよ」



「そう言われましても」



「じゃあ、お前の家に行ってお前が食べているのをただ眺めていいか」



「そっちの方が気持ち悪いです」







「ただいま」



「お帰りなさい」



「お母さん、今日もお弁当おいしかったよ。温泉旅行楽しみだね」

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