知らない二人のまま
僕はIT企業に勤めている。
とても大きな会社である。
今日は楽しみだった合コンの日。
でも参加することが出来なかった。
風邪をひいてしまったからだ。
ずっと体調が悪かった。
「健太、早退するか?」
そう何回も上司に言われた。
でもなんとか乗り切った。
合コンに行かずに家でゆっくり。
それも悪くはないだろう。
でも合コンにタイプの女性がいたら。
そう思うと風邪に腹が立った。
僕のタイプはいじめてくれる女性だ。
そんな女性は来たのだろうか。
僕は家で趣味のテレビゲーム。
合コンよりも何倍も楽しい。
そう思うようにしていた。
今日は楽しみにしていた合コンがあるので私はとてもワクワクしていた。
なんと今回の相手はずっと合コンをしたいと思っていたIT企業の社員だ。
男女五人ずつの合コンのはずだったが男性が一人来られなくなって代わりの人も見つからなかったみたいだ。
男性四人と女性五人がお店に集まって合コンが始まった。
「恭子さんってとても可愛い顔していますよね」と男性が私を褒めてきたがその男性は好みではなかった。
そして私の好きなタイプのドMの男性は一人もいなかった。
自慢話を聞かされたり全く楽しくない合コンになった。
こんなことになるなら家で趣味のテレビゲームをしていた方が楽しかっただろう。
私は誰とも番号交換をしないで合コンが終わったら足早にお店から立ち去った。
姉が帰ってきた。
どうやら合コンだったらしい。
でもいい人がいなかったみたいだ。
僕は合コンに風邪で行けなかった。
でもその分ゲームに熱中した。
熱があってもゲームは出来る。
「健太、ちゃんと薬を飲んだか?」
「飲んだよ。恭子姉ちゃんも一緒にゲームやろうよ?」
「いいわよ。でもね私にゲームで勝つなんて一生無理よ」
姉とゲームをやっていると父が帰ってきた。
そして父と一緒に知らない女の人が家に入ってきた。
しかも女の人は二人いた。
「恭子と健太に言いたいことがある」
僕は父の言葉に耳を傾けた。
すると驚くことを言ってきた。
「この二人の女性は俺の妻だ。つまりお前たちの新しいお母さんだよ」
知らない二人のママに僕は戸惑った。
ママは一人で十分だ。