表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/100

失恋しました

寒かった冬は過ぎて春になった。



春になっても少し寒い日はあったが、今日は暖かくとても過ごしやすくなりそうだ。



それにしても体中がとても痛む。



昨日あることが起こったせいだが、その理由は今は言わないでおく。



僕は今日も朝早くに散歩に出掛ける予定である。



散歩は運動不足解消のために毎日続けているのだ。



ちなみに昨日の朝は大雨だったので散歩はしなかった。



コースは毎回、同じである。



住宅街から川沿いを通って公園に行く。



そして来た道を戻るというコースになっている。



家から公園までは片道15分くらいかかる。



往復だと30分くらいである。



僕は玄関を出ると公園へと歩き出した。



昨日、失恋したばかりの僕は落ち込んで下を見ながら歩いていた。



すると、前から犬を連れた若い美人の女性が歩いてきた。



僕は単純だった。一目惚れしてしまったのだ。



すれ違った後もあの子のことをずっと考えてしまっていた。



そして僕は水溜まりをよけながら公園に向かった。



すると友達の家が見えてきた。



友達の家につくと家の前には友達がいた。



僕はその友達に話かけた。



「おはようございます。ケンです。



相談というか聞いてほしいことがあるんですよ。



失恋の話なんですけど聞いてもらえますか?」



友達はそんなこと聞いてくるなよという顔をしていたが話を続けた。



「昨日、僕は失恋しました。



その原因、知りたいですか



知りたいのなら話しますけど」



さっきまでの青空が嘘のようにポツリと雨が降ってきた。



「実は僕の浮気が原因なんですよ。



浮気なんてしちゃ駄目だとわかっててもしちゃうんですよね」



友達はじっとしてこちらをずっと見ていた。



「浮気したこっちが悪いんですよ。



でも殴ったり蹴ったりは駄目だと思うんですよね



この通り、体中がボロボロなんですよ」



そう言って僕は痛々しい体を友達に見せた。



「僕ってとても惨めですよね。



同情してくれますか。同情してくれますよね」



友達の目からは透明なしずくが流れ落ちた。



わかってくれたのかと僕は安心した。







「ほら、行くよ」



飼い主は犬のケンのリードを引っ張った。



「それは犬の置物なんだけどな」



ボソッと飼い主が言った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ