プロローグ -突然の呼び出し-
今は二一六〇年。工業が物凄く発展し、貧困がない世界となっていた。人口は爆発的に増え、すでに二二〇億人を突破しようとしていた。そんな中でも、やはり世界に不満を持ち続ける人も少なからずいる。それをわかってほしい。
まあ、いづれもうすぐこの世に終末が訪れるであろうが…
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行きつけの居酒屋「ちょ」で飲んで騒いでいるのは、刑事の小森谷恭子と、宮田友寛、栗本愛、江波田文恵、山口瑞樹、竈山香、小野剛、大石瑞貴、そして、姉弟の宮本佑輔、宮本myの十人だった。
「では、『東京大阪同時多発交通安全殺人事件』、解決を祝して、かんぱーい!」
と、小森谷が音頭をとると、みんなも、
「かんぱーい‼」
と応えた。いつもは数日から一週間ほどで解決できているこの捜査チームも今回の事件の解決にはなんと一か月もかかってしまった。つまり、それほど珍しい難事件だったのである。
事件の大まかな概要は、二一五九年十二月二四日の夜遅く、東京と大阪でほぼ同時に交通安全にかかわる殺人事件が起きた。すぐに目撃者が通報し、すぐに警察の捜査が始まった。そこの東京側に駆り出されたのが、今回の十人であった。始めは、意図的に起こされた同時殺人事件として捜査を進めていたが、
全くと言っていいほど、捜査が進まなかった。その時につけられた名前が、先の『東京大阪同時多発交通安全殺人事件』であった。そしてそのまま一か月が経ち、もうあきらめようとしかけていたところに、大阪側で、その次の日に東京側で、相次いで犯人が自首をして、事件は終了。結局、事件は本当に稀ではあるが、偶然に同じ時間に起こった事件だった。なぜ事件名があのままかというと、………
長が面倒くさがったのである。
「でも、まあ良かったわよ。カッコ。ねっ、佑輔君。」
と、栗本がけなすと、いきなり佑輔が顔を赤らめる。
「えっ、あ、はい。…」
「かわいい!赤くなったぞ~。」
「に~く~い~ぞ~‼」
と山口が割と本気で言う。彼はバツイチで、こういう人が憎いのだ。
そんなことを言いながら騒いでいると、そこへ店長が来た。
「あれ、見てくださいよ。」
みんなが一瞬にして静まる。全員、つい癖で、誰かが話し出すと、すぐに黙るようになっている。その中で、小森谷が代表して受け答える。
「んっ?どれですか?」
「テレビですよ。てれび。ああいうのは皆さん、呼ばれたりしないんですか?」
全員はテレビを見た。キャスターが伝えている。キャスターの話は、今日二一六〇年一月二五日未明に、長野県の安曇野市で、不審なヘリコプターが墜落しているのが見つかったというもの。それ以外のことは伝えられていない。
「あ~。ああいうのは呼ばれませんよ。私たちが担当になるのは、もっと別の種類の事件ですから。」
その時、全員のスマフォが鳴る。全員、顔を見合わせながら、スマフォを取り出す。
「嘘だろ。」
係長からの一斉メールだった。
『to.みんな
まさかいまのにゅーすみてないだろうな。みたとおもうが、いますぐにしょにきてくれ。
from.いとしのもとブチョーでいまカカリチョー』
小森谷が叫んだ。
「急ぐよ!みんな!」
というところで自分の初の投稿作品のプロローグは終わりです。
意見・感想待ってます。厳しめでもおkです。