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わたくしの狗  作者:
2/15

二、前世

ユリシアの設定を 長女⇒跡継ぎに修正しました。

 前世の私は、『狗 ~slave's dog~』という乙女ゲームにはまっていた。

 内容はよくある異世界トリップもので、ヒロインの女子高生、麻里(デフォルト名)はある日、中世ヨーロッパに似た世界へとトリップする。

 しかし、その世界では女性が絶対的に優位で、男は女性の欲求を満たすための道具でしかなかった。特に、高貴な女性達にあてがわれる男達は『狗』と呼ばれ、一生を主にささげるという。

 ヒロインはそこで約一ヶ月間狗達と交流を深め、最後に元の世界に共に帰るか、とどまるかでエンドが分岐する。


 そして私は、お約束にもポジションはライバルキャラ。名のある貴族の跡継ぎで、私が16歳のときに現れるヒロインに目の前の少年――クロードを奪われ、潔く去るのだが。


「………きれい……」


 うっそりとつぶやいた言葉に少年は怪訝な顔をしたが、私はそんなこと気にならなかった。


 少年は、あまりに美しかった。

 瞳に輝きこそないが、黒の首輪が映える透き通るような白い肌、切れ長の目、形の整ったややつり気味の眉、目元に影を落とすほど長い睫。成長したら、さぞや高値で取引されるであろう。


 ――これが、私のものに。


「あなた、名前は?」

「……クロード、です」


 不安だろうに、はっきりとこちらを見据える藍色の瞳。それを見て、私はひとつ思いついた。


「そう、クロード。お母様、素敵なプレゼントをありがとう。早速、一緒に遊んでくるわ」

「あらそう、行ってらっしゃい。気に入ってくれてなによりです」


 お母様とクロードににっこりと微笑むと、首輪につながるリードではなく、クロードの手をとって歩き出す。

 彼は一瞬体をこわばらせるも、無表情のまま後をついてきた。




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