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鈍感王子  作者: 蒼咲 秀
8/15

第7作戦


どうやら10話くらいで終わらない気が…



あまり長くならないようにしようとは思っているのですが、

なかなか上手くいかないものです。






あたしの好きな人は










あたしではない人を好きでした。










あなたならどうする?












あたしは当分動けません。







『失恋をしたら新しい恋を探す』






なんてよく言うけど










簡単には忘れられないよ。










せめてあなたに想いを伝える程の勇気があれば……









「誠がそんな風に言ったの?」


今にもじめっとした空気が漂う今日、


教室にいたくなかったあたしは、亜美を連れて屋上の階段に座る。




ここは稀に人が来るくらいで、

今はあたし達だけだ。


「本当に千夏ちゃんが好きって言ったの!?」


亜美がもう言葉を付け足し、同じ事を聞いてくる。



今は、昨日行った遊園地での出来事を亜美に報告中。




勿論、せーちゃんの事です。







「…はっきり好きとは言ってないけど、そんな感じ。」


「あちゃー。あの鈍感が気付くくらいなんだから…」

亜美は思い出したように口を手で抑えた。









「…相当好きなんだろね……。」


亜美の代わりにあたしが言葉を付け足す。


自分で言う事でかなりのダメージを受けたあたし。




だって悔しいの。




「…一番好きなのはあたしなのに……。」



「え?」



「一番長くいるのもあたしだし、あいつの宿題やってあげたのもあたしだし、おばさんがいなかった時あいつの世話をしたのもあたしだし、あいつがおばさんに怒られる時一緒に謝ってあげたのもあたしだし、」


言ってる間に涙が次から次へと溢れ出す。



「さーよ……。」


「学校一緒にいつも行ってるし…休日買い物に一緒に行ってたし…クリスマスも誕生日もずっと一緒だったのに……」







これからせーちゃんの隣にいるのは、あたしじゃない。



それがこんなにも悔しいんだ。



普通のカップルなんか比べ物にならない程、

あなたへの想いはこんなにも溢れているのに、













あなたは見てくれもしない……。









「あたしは誰よりもせーちゃんが好きなの……。」



泣いた後だから、辛うじて小さな声でしか言えない。


それでも亜美はちゃんと聞こえたのか、

黙って背中をさすってくれる。









そんな時。




『ガタン』







ドアの向こうから音がした。


あたし達は、びっくりして慌ててドアを開くと、















千夏ちゃんが一人突っ立っていた。













そう、屋上の階段には









稀に人が来る。












ここまで読んで下さった方全ての人に感謝の嵐です。


もうしばらく付き合って頂けると幸いです。





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