第13作戦
上手くまとまれば、次が最終話となります。
ここまでお付き合い本当にありがとうございます。
皆さんの望み通りの進み方ではないかもしれませんが、こういう話の進み方もあると言う事が少しでも伝わればいいなっと思っています。
走りつづけた。
涙なんか拭ってられない。
呼吸が出来ないくらい全力疾走して。
でもやっぱりあなたには叶わないね。
「待って、さーよ!」
あたしは腕を掴まれた瞬間、その場に崩れ落ちた。
もう走れないからじゃない。
もう駄目だと思ったの。
多少なりともさっきの空気のまんまなら、明日から普通に接して何事もなかったように出来る。
でもこうしてキチンとふられたらあたしはどうすればいいの?
「…お願い、さーよ。ちゃんと聞いて。」
あたしは出来る限り首を横に振る。
頭が痛い。
「頼むから…聞いて。」
せーちゃんが弱々しくあたしに言う。
「俺自身も自分の事がわかんないんだ。
自分でもまだ気持ちの整理がついてないし。
正直さーよの事はそんな風に意識した事はなかった。」
駄目。
それ以上言われると涙が溢れてしまう。
「千夏にふられた瞬間、やっぱり落ち込んだよ。この世から消えてしまいたいくらい。
…でもさ、こんな俺でも立ち直れたのはさーよのお陰なんだよ。」
え?
「さーよがこの教室に来た時、丁度さーよの事考えてたんだ。」
「…え?」
「無性にさーよに会いたくなって。さーよが来た時はびっくりした。」
駄目。
溢れる……。
「だからまだわかんないけど、この先俺の傍にいて欲しいのはもしかしたら……」
『さーよなのかも。』
涙が止まらない。
せーちゃんが優しく背中を叩いてくれる。
誰もいない教室で、
私とあなたの顔は夕暮れ色に染まる。
次がラストとなります。
宜しければこんな小説でも最後までお付き合い頂きたい限りでございます。