第9作戦
みなさん、こんな小説でもいよいよ次で10話です。
次の話は重くなりそうなので、今回は軽めでございます。
何卒、最後までお付き合い願います!
あたしは、嘘の仮面を被るのが上手い。
それもあなたのせい。
「いいの?さーよ。」
千夏ちゃんがいなくなってから、
亜美が静かに言う。
「…うん。」
だって。
他にどう言えばいいの。
あたしが教えて欲しいよ。
教室に戻ると、
鈍感野郎と千夏ちゃんが楽しくお喋りをしていた。
突然、心臓を鷲掴みにされた気分だ。
手をギュッと握ると、爪が手のひらに食い込む。
でも、
痛いのは手なんがじゃないんだ。
千夏ちゃんは、あたしに気付くとせーちゃんからさっさと離れた。
千夏ちゃんは、まだ女の子の友達がいない為一人自分の席で俯いている。
止めてよ。
まるであたしが悪者じゃん。
せーちゃんが首を傾げながら、こっちに歩いてくる。
「あっ、さーよ。」
『あっ』って何よ。
「お前に言いたい事があったんだ。」
「何?」
「今年の文化祭、一緒に回れないから。」
「何で!?」
「…千夏誘おうと思って。」
また……。
そんな顔、赤くしないでよ。
もう、十分わかってるから。
「…わかった。」
あなたは、あたしが一人でも気にしないんだね。
もう呆れて、涙も出ないよ。
誰よりも好きなのに、想いが届かない。
恋なんて楽しくない。
そろそろ、夏休み。
の前にある文化祭。
毎年、あなたといたイベント。
またあなたから離れて行くね。