ノットヒアー
お姉ちゃんの馬鹿! お姉ちゃんなんて大嫌い!
どうしてひろっちまでそんなこと言うのっ!? お姉ちゃんが悪いのに!
もういいよ……皆どっか行っちゃえばいいのに。
薄らと目を開けると、いつの間にか開けられていたカーテンから差し込んでいた朝日が目に突き刺さった。
思わず一度瞼を降ろし、少し角度を変えてもう一度目を開く。
「うぅ……ん……」
耳元で、携帯電話がついこの間配信開始されたばかりの着うたを延々とループさせていることに気付いたところで、やっと少女は――河瀬理安は一日が始まったのだと理解した。
やや重たい瞼を右腕でこすり、ゆったりと身体を起こすと、長い髪が耳と頬をくすぐった。それを数本つまみ上げ、そろそろ染め直さないとまずいかも、などと考えながら理安はベッドを降り――――違和感があることに気が付いた。
「あれ、理安の部屋ってここだっけ……」
見渡しつつ、呟く。
部屋の様子はいつもと変わらない。机の様子も、貼っているポスターも、飾ってあるぬいぐるみも、棚にしまわれているゲームソフトのタイトルだって一作たりとも間違っていない。間違っていないが、理安の部屋は姉――詩安の部屋とは反対の位置にあり、詩安の部屋は窓から日光が差し込むが、理安の部屋は窓を開けるとすぐ隣の家の壁があるため、さっきのように朝日が差し込んだりはしないハズなのだ。
「お姉ちゃんの部屋……じゃないしなぁ……」
唸りつつ考えたところで、特にわかることは何もない。
何気なく時計に目をやると、いつもより少し遅めに起きてしまったようで時間にあまり余裕がないことがわかった。今日は休日でも何でもない、学校に行かなければならない平日だ。
嘆息しつつ、理安は眠そうなたれ目をごしごしともう一度こすり、身支度を始めるのだった。
「おはよー……」
先程慌てて結ったツインテールを揺らしつつ一階のリビングへ向かうと、朝食をとる両親の姿があった。
机の上には既に朝食が用意してあり、作りたてのトーストの隣でココアが湯気を立てていた。
椅子に座り、机の上に朝食が三人分しか置かれていないことに気が付いて、理安は思わず間の抜けた声を上げて母親へ目をやる。
「あれ、お母さーん、お姉ちゃんのはー?」
言いつつ、トーストをかじる。口の中にトーストの味が広がるのと、キョトンとした母の表情が理安の視界に入ったのはほぼ同時だった。
「お姉ちゃん?」
「うん、お姉ちゃん。お姉ちゃんの朝ごはんは? お姉ちゃんもう学校行ったの?」
理安が口の中のトーストを飲み込んだ直後、母は信じられない言葉を平然と口にした。
「アンタ、一人っ子でしょうが」
ポトリと。トーストが音を立てて皿の上に落ちた。
「え、お母さん何言って……」
「夢でも見てたんじゃないのか」
やや笑いながらそんなことを平然と言う父に、理安は思わず信じられない、とでも言わんばかりの表情を向けていた。
「ふ、二人共冗談ばっかり……お姉ちゃんは――」
言いかけ、二人の表情が訝しげになっていることに気が付いて、理安は口を閉じた。
些細な嫉妬だった。
ホントはそんなこと毛ほども思っていなかったのに。
軽々しく「大嫌い」だなんて。
軽々しく「どっか行っちゃえ」だなんて。
言葉は、重いよ。
河瀬詩安は存在しない。
家の中を捜しまわってみたが、本人はおろか部屋すら見つからなかった。そもそも理安が起床した部屋の位置が、理安の記憶している「お姉ちゃんの部屋」であり、理安の部屋があったハズの場所にドアはなく、平らな壁があるのみだ。
「嘘でしょ……」
口から漏れたそんな言葉は、無情にも壁に吸い込まれるだけだった。
存在しない。
頭の中でそんな言葉がぐるぐると巡り始める。
存在しないハズがない。顔も、声も、仕草も、ハッキリと理安には思い出せる。存在しないハズがない。
ない、のにだ。この家のどこにも河瀬詩安はいない。産んだ親が存在を否定する。
長い夢を見ていたとでも言うのか。
河瀬詩安という姉が自分にいる、という夢を?
姉の詩安が消えている、ということ以外に変化は見られなかった。クラスメイトも普通にいるし、登校中も特に違和感はなかった。
朝のホームルームを終えた後、いつもなら仲の良いクラスメイトとの雑談に花を咲かせるのだが、今日はそんな気分になれずに自分の席に座って窓の外を眺める。
重い、溜め息。
それがズシンと音を立てて机に落ちたような気がしたところで、理安は不意に勢いよく立ち上がった。
「そうだ……超常現象……!」
超常現象。
自然現象を逸脱した現象。
それが今理安の身に起こっていて、それが原因で姉の詩安が消えているのだとしたら……?
その可能性は十分にある、何故ならここは――蝶上町。
理安の住むこの町、蝶上町は少し特殊な町だ。
この蝶上町では、どういうわけか現実では起こりえない現象――超常現象が頻繁に起こるのだ。神隠しだの未確認生物だの幽霊だの、果てには都市伝説じみた怪人まで出現するこの町。
そしてこの町には、それら超常現象を解決するために作られた集団、超常現象解決委員会……通称――超会が存在する。
理安は、その一人だった。
クラスメイトの奇異な視線もものともせず、理安はわき目も振らずに教室を飛び出した。
――――とにかく、ひろっちに会わなきゃ!
ずるいずるいずるい。
ずるいよ絶対。
約束してたのに破るし、お姉ちゃんだけずるいし。
ずるいよそんなの……お姉ちゃんの馬鹿。
理安が向かった先は、姉の詩安が通っている高校だった。
詩安はいない。が、詩安と同じ高校に通っているもう一人の超会メンバー――久々津弘人ならいるハズだ。
もう既に誰もいない校門を抜け、許可も取らずに校舎の中へと駆けこんでいく。
弘人のいるクラスは、少し前に詩安から聞いて知っている。理安は直感を信じ込み、校舎の中を駆け巡りながらその教室を探した。
走っている途中、廊下を歩いている教員が驚いて理安の方を凝視していたが、そんなことはお構いなしだった。
「ひろっちっ!」
教室へ辿り着くと、理安は授業中なのにも関わらず教室のドアを勢いよく開けた。
ポカンとしたいくつもの視線が、理安へと注がれる。
「あ、あの……ひろっち――じゃない、久々津弘人って人……いませんかっ」
息も絶え絶えにそう問う理安へ返ってきたのは、訝しげな視線だけだった。
理安返答を待ちながらもキョロキョロと弘人の姿を探すが、教室の中に弘人の姿を見つけることは出来ない。
「ひろっち……」
やがて、教室中がざわざわとざわめき始め、様々な言葉が理安の耳の中になだれ込んでくる。理安の制服が近くの中学のものであることや、どうやって入ってきたんだとか、結構かわいいだとか、誰かの妹か、とか――――
久々津弘人って誰だ、とか。
「お嬢ちゃん、このクラスに久々津君て子はいないよ。それより、どうしてこんな所に……」
理安の元へ歩み寄ってきた、教師らしき初老の男の言葉は、途中から理安の頭の中には入ってこなかった。
――――ひろっちが……いない……?
ペタンとその場にへたり込み、茫然と虚空を見上げる。
――――アンタ、一人っ子でしょうが。
――――このクラスに久々津君て子はいないよ。
「嘘……」
「おい君ー!」
間もなくして、駆け付けた別の教員によって理安は職員室へと連れて行かれた。
その後のことは、それ程ハッキリと覚えていない。ただただ絶望感だけが押し寄せて、理安の頭の中をボンヤリとさせていた。
ただハッキリと覚えているのは、職員室で「久々津弘人」について調べてもらったところ「そんな生徒はこの学校にはいない」という事実が判明したことだけだった。
後は、教員によって呼ばれた母親にこっ酷く叱られ、ボーっとしたまま学校に戻って漫然と授業を受けた。
詩安も、弘人もいない。
残っている超会メンバーは、ボスである藤堂鞘子と、謎の幼女シロだけだ。
放課後、理安はすぐに超会がいつも集まっている場所である蝶上町第三集会所――超会本部へと向かった。
本部へ向かえば、きっとボスやシロはいるハズ……そう考えて、理安は躊躇いなく集会所のドアを開け――
「えっ……」
そこに広がる光景に愕然とした。
「ん……?」
いつも理安達が使っている机の代わりに、雀卓が置かれていた。
そしてそれを取り囲むように、二十代前後に見える青年達が座り込んだまま理安の方を訝しげな視線で見ている。
「ごめんねお嬢ちゃん、ここ使ってるんだけど……」
フラリと。足元が揺らいだ。
眩暈を起こしたかのように。否、眩暈を起こして。
「超会……は……?」
その問いに対する返答があったかどうかすら、理安にはよくわからなかった。
重い足取りで、集会所を出る。
今日は、たまたまだ。
今日はたまたま超会が休みだった。
ボスは作家だから、きっと小説の原稿が間に合わなくて来れなかったんだ。
シロはいつも神出鬼没だし、誰も来ないから帰ったんだ。
だから集会所はあの人達が使ってたんだ。
頭の中で何度も何度もそんなことを自分に言い聞かせながら、うつむいたまま理安がどこに向うでもなく道を歩いていると、ドン、と理安の頭が誰かにぶつかった。
「あ、ごめんなさい……」
すぐに謝って顔を上げ、理安は息を呑んだ。
「あら、ごめんなさい」
そこに立っていたのは、背の高い赤いシャギーボブヘアの女性だった。
「ボ……ボス……?」
やや涙目になりながらも表情をほころばせ、理安は目の前の女性を凝視した。
間違いない、藤堂鞘子だ。
超会のボス、藤堂鞘子。河瀬詩安と久々津弘人が消えた今、理安にとって一番頼りに出来る存在。
思わず抱き着こうとして腕を広げたが、その手は目の前の女性――鞘子によって掴まれた。
「『初対面』でいきなり抱きつこうとするなんて……」
「えっ……」
初対面。
「それとも誰かと見間違えたの? ごめんね、お姉さんちょっと忙しいから相手が出来ないわ」
「り、理安だよ……わかんないの……? 河瀬理安だよ……っ?」
ふるふると。鞘子は首を横に振った。
「ごめんなさいね」
やや鬱陶しそうに、鞘子は足早にその場を去った。
そんな鞘子の背中を、追いかけるどころか見ることすら出来ずに、理安はその場へ立ち尽くした。
先に約束してたのは理安じゃん!
何で帰ってこなかったの!?
嘘吐き嘘吐き! お姉ちゃんの馬鹿!
わかってるよ。ただの嫉妬だって。
約束すっぽかされたのが悔しかったんじゃない。
お姉ちゃんがひろっちと一緒にいたのが羨ましかっただけなんだ。
わかってる、わかってるんだ。自分でちゃんと。
でも見たくなくて、見ないようにして、お姉ちゃんのせいにした。
いつの間にか長い石段を上り切って、理安は蝶上神社と呼ばれる廃神社の境内まできていた。
ボンヤリと歩いていたせいで、どうやってここにきたかすら覚えていない。いつの間にか日は落ち始めており、景色はオレンジ色に染まっていた。
「返してよ……」
呟くような、声音。
理安は賽銭箱まで歩み寄ると、ポケットの中から財布を取り出し、中に入っているお札や小銭、果てにはポイントカードに至るまでを乱暴に賽銭箱の中へと突っ込んだ。
「神様でも誰でも良いから返してよ……! お姉ちゃんを! ひろっちを! ボスを! シロを! 超会を――」
賽銭箱の中に、暖かい滴がこぼれ落ちた。
「理安の世界を返してよっ!」
空っぽの神社が、悲痛な叫びで満たされる。
「何で……どうしてこんなことするの……? 理安が酷いこと言ったから? お姉ちゃんに、ひろっちに……『どっか行っちゃえ』なんて言ったからなの……っ!?」
膝から崩れ落ち、賽銭箱にしがみつくようにして涙を流す。
「もうあんなこと言わないから……何だってするから……返してよ……っ」
賽銭箱に落ちた声は、戻ってこなかった。
「理安がいない?」
素っ頓狂な声を上げる俺――久々津弘人に、少女――詩安は不安げな表情のまま小さく頷いた。
「いないって、どういうことだよ?」
「いないのよ……今朝からどこにも……それに、置き手紙も何もないの」
今にも泣き出しそうな声でそう言う詩安に、俺は気のきいた言葉をかけることが出来なくて唇を結んだ。
目の前にいる黒髪の少女、河瀬詩安には理安という妹がいる。放課後はいつもなら、詩安と理安は一緒にいるのだが今日は詩安一人だけだ。
今日、詩安は学校を休んだらしく、一日中蝶上町中を捜し回ったらしいが、未だに理安は見つかっていない。
一度超会の本部へ戻って何か考えようかとも思ったが、詩安の様子はそれどころじゃなく、今すぐにでも走り出してもう一度理安を捜しに行きたい、と言った様子だった。
「ねえお願い久々津君、理安を一緒に――」
「わかってる。捜そう。でも……」
手がかりがない。
詩安の話だと、理安は今朝からずっといないらしい。置き手紙もないまま、こつ然と姿を消していたらしく、本当に手がかりがない。
「昨日のこと怒ってるのかな……」
かも知れない。詩安と理安が喧嘩した昨日の今日だ、勢いで家出したっておかしくはない……が、それにしちゃあ長過ぎる。今朝から今までだともう半日近く家出したままだということになる。詩安の話じゃ学校にもいないらしいし……。
ほんの些細なことだった。
昨日の放課後、超会の活動が休み(ボスの都合で)だった俺と詩安は、放課後に話し込んでそのまま流れで、近くのラーメン屋で一緒に夕食をとった。だが、詩安は先に理安と約束をしていたらしく、帰ったら一緒に借りたDVDを見ることになっていたらしい。しかし詩安がそれに気づいた時には、理安と約束していた時間を一時間以上オーバーしており、慌てて帰った頃には理安がカンカンに怒っていた……。
これだけなら良いのだが、腹を立ててつい言い過ぎた理安の言葉にカチンときた詩安が理安へ言い返し、そのまま詩安を送るついでに理安に謝りにきた俺の目の前で大喧嘩……。
そこでうっかり俺が詩安のフォローをしてしまったばっかりに、理安の怒りはヒートアップして――――
詩安と理安は、それから口をきいていないらしい。
「私のせいだ……私の……」
プルプルと小刻みに震える詩安からは、普段のような気丈さは微塵も感じ取れなかった。
「お、落ち着けって……。仮に原因が喧嘩だったとしても、詩安だけのせいじゃないだろ。俺にだって責任はあるんだ……」
詩安は完全に昨日の喧嘩が原因だと思い込んでいるようで、震えながら「私のせいだ」と繰り返していた。
「弘人」
不意に、足元から声がした。
「……シロ?」
足元を見るとそこには、白髪の幼女がちょこんと立っていた。
神出鬼没身元不明。超会切っての謎幼女……シロ。そんな彼女が、無表情に俺の方を見上げていた。
「きて」
ぐい、とズボンの裾をシロが引っ張る。
「きてって……どこに――」
「理安が、呼んでる」
シロの言葉に、俺と詩安は二人そろって目を丸くした。
日が、暮れた。
オレンジ色だった世界は薄らと黒みを帯び、太陽の代わりに空の覇権を手にした月が、申し訳程度に理安を照らした。
泣き疲れた。時間の感覚が麻痺してしまったのか、自分がどれだけの時間ここにいたのか、理安にはよくわからない。ただ一つわかるのは、この悪夢みたいな状況が「現実」だということくらいだった。
「帰りたい……」
家に、ではない。
「皆のとこに……帰りたいよ……っ」
空しく響くだけの言葉。
それに呆れることさえしようともせず、理安が立ち上がって賽銭箱に背を向けた――その時だった。
『……ん……!』
不意に、聞き慣れた声が耳に届いた。
「え……っ」
『……安っ!』
振り返ると、賽銭箱が黒く裂けていた。
比喩ではない。文字通り、裂けているのだ。まるでジッパーか何かでもついているかのように、賽銭箱が裂け、真っ黒なよくわからない空間が姿を現していた。
そしてその空間から、勢いよく細い手が伸びてきた。
「ひ……っ!」
思わず身をすくめて怯えた。が、そこにある細い手が何か危険なものであるようには感じられなかった。
『理安っ!』
黒の中から聞こえたのは
「お姉……ちゃん……?」
姉の声だった。
「お姉ちゃんっ!」
『理安っ!』
力いっぱい叫ぶと、力いっぱい返ってくる声。
すぐさま理安はその細い手を掴んだ。
「お姉ちゃんっ! お姉ちゃんっ!」
細い手を精一杯に掴み、それに引っ張られて黒い空間の中へ入ろうとする。が、何か別の力が働いているのか、理安の身体は中々黒い空間の中へ入ることが出来ない。
「お姉ちゃん……お姉ちゃぁんっ!」
両手で手を掴もうと、もう片方の手を差し出した瞬間、今度は別の手がその手を握った。
最初の細い手とは違う、やや太めの筋肉質な手。
『理安ッ!』
「ひろっち……? ひろっち!」
二本の手に引っ張られ、理安の身体は半ば無理矢理に黒い空間の中へと収まっていった。
次に気が付いた時には、理安は暖かい温もりの中にいた。
懐かしい匂い、懐かしい感触。ゆっくりと、理安はその中に顔を埋めた。
「理安……」
顔を上げると、そこには泣きそうな顔があって。
傍では、弘人がシロとホッとしたような顔をしていて。
自然と、涙があふれてきて。
「お姉ちゃん……っ」
「理安っ……!」
互いの身体を抱きしめあい、互いの存在を確かめあう。
ここにいるんだと、傍にいるんだと。
消えてなんか、いないんだと。
「ごめんね……ごめんね……っ」
しばらくそのまま、謝りながら二人で涙を流し続けた。
「にしても……よくわかったなシロ」
言いつつ、俺の肩に身体を乗っけていわゆる「肩車」の状態になっているシロへチラリと目をやると、シロは何が? と抑揚のない声で答えた。
「理安のことだよ。どっか別の世界に行って帰ってこれなくなってて、その世界への裂け目が蝶上神社にある、なんて……」
理安は、別の世界へ行っていた。
まだ理安から詳しくはきいていないが、どうやらそこは詩安や俺がいない世界らしく、理安いわく「二人にどっか行っちゃえなんて言ったからこんなことになった」とのことだった。
「……勘」
「勘かよ」
相変わらずよくわからん幼女だ。
この手のことになると、いっつも解決の決め手になるようなこと知ってるし……。
「でもまあ何にしたって、どうにかなって良かったよ……」
嘆息して、俺は目の前を歩いている二人の少女を見つめる。
しっかりと互いの手を握り合い、思い出話に花を咲かせる姉妹。
――――もう離すんじゃねえぞ。
心の内でそんなことを呟いて、俺は二人の背中に微笑んだ。
「超会! スピンオフ」は今回で最終回です
ただの短編集みたいなモンなんで、どこから見ても大丈夫なように出来てます
何かしら後書に書こうと思ったんですけど特に思いつかないので今作に関してはこの辺で……
近々新作始めます
連載で新作は家綱以来なんで、一年ぶりの新作ということになりますね……
よろしければ、そちらもよろしくお願いいたしますm(__)m
それでは、読了ありがとうございましたー!