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第一話

残酷なシーンのライン引きが不明ですが、おそらく出るだろう。というので入れています。

一辺倒な愛情表現をする主人公です。

ああ、一目、彼女に会いたかった…。



冬の寒さが刈り込まれた項を攫う頃、彼女へ贈り物を買いに少し遠出をしていた。

彼女に『何か欲しいものは?』と聞いても、『特に。』と淡白な答えをする人であるため、毎度この季節は頭を悩ませる。

世間では恋人達が色めき立つクリスマスだというのに、僕たちはアッサリしたものだ。

いや、正確には僕たちではなく、”彼女が”アッサリしているのだけど…。

僕は、できれば一般的な恋人たちのように舶来ものの行事であろうとなんだろうとクリスマスを楽しみたい。

健全今時男子であれば、誰しもが思うだろう。

まあ、とにかく。僕の彼女は、実際僕のことが好きでいるのか怪しいのだ。

疑うわけではないが、いや、正直疑っているのだけど。

今、相手がいないからお付き合いしてもらってるんじゃないかと、どうしても思ってしまう。

これは、決して僕が心配性だからだとか、嫉妬深いからだとかいうわけじゃない。


例えばだ。

僕が友達と飲みに行くとする。そこには、男だけじゃなくて、女の子もいるとする。

大体、彼女だったら、そこに女の子はいるのかとか聞くもんじゃないんだろうか。

残念なことに僕の彼女は、そんなこと一回も聞いてくれたためしがないんだけどね。

剰え、『別にそんなこと、いちいち言わなくていいのに。』とまで仰る。

どうしてそんな酷い…失礼。

結局、僕は聞かれもしないのに『フリーの女の子も参加する』だとか『友達にどうしてもと言われて、断れないから参加する。』等と喋り、彼女の無言の冷たい視線を浴びることとなる。

『だから、なに?』と彼女の眼は言っているのだと思うけど、僕はまだ視線の意味を怖くて聞けないでいる。

そして、僕は飲み会には参加しない。

結局行かないのであれば、わざわざ彼女に言わなくてもいいんじゃないかと思うだろう。

だがしかし!彼女の気持ちが少しでも知りたい僕は、愚かにも端から行く予定のない飲み会の話をするのだ。

それで彼女の気持ちがわかったかのなんて?そんなの、愚問だよ。

他にもある。

僕が彼女以外の女の子と談笑していたとして、しかもどうやら親密そうだ。なんて状況で、それを目撃したら普通は、怒るとはいかずとも険悪な雰囲気に少しはなると思う。

でも、彼女はそんなそぶりを露ほどみせない。

仕返しに、僕以外の男と仲良くするとかがあれば嫉妬してくれてるのかと思うところだけど、そんなことを彼女がしたのを僕は一度も見ていない。

まだあるが、これ以上言ってしまうと自分が惨めになってしまうので、やめておく。

聞きたいなんて言わないでくれ。僕を哀れに思うなら。


生暖かい目で見守れる話にしたいです。

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