絶対に開けてはいけないオルゴール
僕は小さい頃、おばあちゃんから何度も言われたことがある。
それは、おばあちゃんの家にあるオルゴールのことだ。
そのオルゴールには、斜めにお札がはられていた。
僕がそれに触ろうとすると、ひどく怒られたんだ。
「こらっ、それに触るんじゃない!」
「なっ、なんでだよ、おばあちゃん……」
「それを開けると、大変なことになるからね。絶対開けてはいけないよ」
「うん……わかったよ、おばあちゃん」
それからしばらくして、おばあちゃんが亡くなった。
僕たちは、おばあちゃんの物を整理していくことにした。
そして、僕はあのオルゴールを見つけたんだ。
「おばあちゃんは、あんなこと言っていたけど……」
僕は、周りに人がいないことを確認して、もう一度オルゴールを見た。
なぜだろう……急に開けたくなってきた。
「開けるなって言われたら、開けたくなるよね!」
そして、僕は勢いよくお札をはがしたんだ。
そして開けると、きれいな音楽が流れだした。
「あれ、なんともないや。じゃぁ、なんでお札なんか……」
すると、急に悪寒がはしった。
「ありがとう、お兄ちゃんが出してくれたんだね」
背後から聞こえた声は、とても幼い女の子の声だった。
「もっと、お兄ちゃんの顔が見たいな。こっち向いてよ」
僕は直感で思った。
これは、絶対に振り向いてはいけない。
怖くなって、僕は強く目を閉じた。
その時、別の声が聞こえたんだ。
「おい、そのまま振り向くなよ」
「ぎゃぁーっ!」
男の人の声が聞こえたと思ったら、今度は悲鳴が聞こえたよ。
なにっ、なにが起きているの?!
僕の心は、恐怖と好奇心でいっぱいになった。
だけど、ちょっと気になって、振り向いたんだ。
すると、そこには黒いマントと、大きなカマを持った男の人が立っていた。
「振り向くなと言ったのに……」
「あれ、ここにいた女の子は?」
「俺があの世に送った。俺は死神だからな」
「しっ、死神?!」
「だが、あの女の言っていたことは正しかったな」
「あの女って?」
「お前の祖母だ。死ぬ前まで、お前がこれを開けるんじゃないかと心配していたぞ」
「ぎくっ!」
「まぁ、案の定開けたんだがな」
死神さんは、とても深いため息をついてたよ。
「これには、顔の無い少女の霊がとりついていたんだ」
そう言うと、死神さんは窓を開けて、こっちを向いた。
「俺の仕事は終わった。じゃぁな、小僧」
残された僕は、腰が抜けて座りこんだ。
その間、オルゴールは、きれいな音色を奏でていた。
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