第20.1章: "Funny man"
太陽の光が、心地よいカフェの大きな窓からゆっくりと差し込み、ガラスの上で戯れるように、木製のテーブルに不思議な模様を描いていた。そんなテーブルの一つで、周囲の喧騒と食器の音に包まれながら、ありふれているようでいて、どこか特別な光景が繰り広げられていた。その中心にいたのは、紛れもなく「ジョン・レノン」、いや、もっと人間臭く言うならシロだった。
シロはいつものように、まるで瞑想する僧侶のように静かに座っていた。長く少しウェーブのかかった髪は、乱れた干し草の束のように肩に垂れ、丸いレモン色の眼鏡の奥からは、現実を超えた何かを見つめるような眼差しが覗いていた。向かいに座るカオリは、人間が抱えうるあらゆる失望をその顔に浮かべていた。彼女の目の前のテーブルには、難攻不落の要塞のように教科書が積み重ねられ、その手には、不運なページに復讐を遂げる準備万端のペンが握られていた。
「シロ、私の話、聞いてるの?」カオリの声は、いつもより少し尖っていたが、その奥には絶望の色が滲んでいた。
シロはゆっくりと顔を上げ、まるで遠い銀河から戻ってきたかのような表情で言った。「ああ、カオリ。君は…積分の話をしていたんだっけ?」
カオリは深く息を吸い込み、彼とのこの噛み合わないやり取りに、もはや無駄な抵抗だと悟った。「違うわ、積分じゃない!試験の話よ、シロ!ちゃんと準備しなきゃいけないのに、ぼーっとしてないで!」彼女は教科書を指差し、その勢いで可哀想な本が跳ね上がりそうだった。
シロは目をぱちくりさせながら、彼女の不満げな表情に焦点を合わせようとした。「でもカオリ、人生の道は試験よりもっと大切なんじゃないか?僕たちが本当に何をしたいのか、考えるべきじゃない?」
「あなたは何がしたいかわかるわ!あなたは、前期で退学になる無能な学生になりたいんでしょう!」カオリは叫びたい衝動に駆られた。「それでどうやって生活するの?真剣に勉強しないとだめよ!」
シロは顎に手を当て考え込んだ。「カオリ、ちょっと考えたんだけど…バリスタになるのはどうかな?それともバーテンダー?」彼はシェイカーを器用にジャグリングし、神秘的な笑みを浮かべながらカクテルを注ぐ自分の姿を想像した。「想像してみてよ、僕は人々に最高の雰囲気を提供するんだ!ユニークなカクテルを考案する!僕のドリンクはみんなを魅了するだろう!」
カオリはすっかり希望を失い、額をテーブルに打ち付けてうめいた。「お願いだから、シロ、せめて一度くらい真面目になってよ。二ヶ月後には卒業試験があるのに、カクテルの夢を見ているなんて!あなたお茶すらまともに淹れられないじゃない!」
シロは一瞬考え込んだ。「まあ、お茶というのは一つの芸術だからね。適切な温度や抽出時間を選ばなきゃいけないし…もしかしたら、僕でもできるかもしれない?」彼はウインクをし、その瞳には子供のような無邪気な輝きが宿っていた。
カオリは諦めたように彼を見つめた。この男はどうしようもない。彼は自分の世界に生きていて、そこにはストレスも試験も、大人の責任も存在しない。だが、それでも彼女は彼を愛していた。彼の馬鹿げた夢、奇妙な間の抜け方、そしていつも「自分のペース」で生きているところを。それが彼の魅力だったのだ。
彼女は戦略を変えることにした。「じゃあ、シロ、こうしましょう。あなたのバーテンダーとしての冒険は後回しにして。今は、あなたが言うところの『恐怖の積分』から、せめて一段落読んでみましょう?」彼女は教科書を開き、奇跡を期待して最初のページを見つめた。
シロは疑わしい目で本を見つめた。「まあ、いいけど。もし新しいカクテルのアイデアが浮かんだら、メモしておくからね。」
カオリは運命を受け入れ、ただ目を回して頷いた。結局、「ジョン・レノン」との生活は決して退屈ではなかった。彼女はこの彼の学業に対する無関心との戦いが、敗北に終わることを知っていたが、それでもこの不条理な喜劇の一瞬一瞬を楽しんでいた。そこで彼女は、主役の一人を演じるという栄誉にあずかっていたのだから。そしてシロは? シロはその間にも、新しいカクテルのレシピを考え始めていた。「サインス・レインボー」、レモンの軽やかさとミントの夢のような香りを合わせたもの。だって、人生はちょっと変わったものでないと短すぎるって言うじゃない? そうでしょう?




