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夏の背に、面影

作者: 顎歌

「はい、タッチぃーお前、鬼ぃ〜!!」


油断して歩いていた僕は、後ろから触られてびっくりして転んでしまった。


「コケてやんの!!」


あはっはっはーひぃーひぃー


そんな僕を君が指さして腹を抱えて笑った。


周りで隠れている皆も笑っていた。


僕も何が可笑しかったのか君につられて大きく笑った。


「やべ、捕まる。逃げろ!!」


そんな君の声に周りの人もハッとして一斉に蝉の鳴く方へ笑いながら逃げていった。


蝉たちが耳元で歓声を上げてる。


笑顔で僕の前をを駆け抜けてく君達の背中を僕は見つめていた。


「お~にさんこちら!!手のなるほーへ!!」


君は振り返って舌を出しながら僕を茶化してくる。


「このやろー!!」


小さな僕は、汗を拭ってすぐに追いかけた。


「来たぞ!!作戦Bだ!!皆、隠れろぉーー!」


小さい僕たちの背中が笑い声の方へどんどん遠ざかっていく。


その場に取り残されたしわくちゃの僕。


夏の音が耳鳴りみたいに残って頭の中をぐるぐると巡っている。


作戦Bで皆、それぞれの方向に隠れんぼしてしまった。


少しだけ近くなった夏空とうるさくて仕方ない蝉の声が「戻れない」と教えてくる。


もう、夕方だ。ヒグラシだって鳴いてる。


帰りの合図は、いつ鳴るのだろうか。


長い間、聴いていないような

つい最近、聴いたような不思議な感覚だ。


でも、帰りの合図が鳴ったらきっと

皆集まって来て、また、会える。


そしたら今度こそ、ちゃんと皆に言わなきゃ。

「また、明日。」って。

読んで下さってありがとうございます。


何も考えず、過ごしてたあの時が、時々、目の前に現れるのです。


大人になりたくないです。


皆さんは、どうですか?

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