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第24話 私も妖精よ! キラリン


「うわー、人間に見つかると思ってなかったから油断したー、食べないでー」

「落ち着いて、食べないしあなたに危害を加える気も無いから」


 私の手の中で暴れていた妖精の女の子は、私をキっと見て口を尖らせた。


「だってさっきパ――――ン! てやったじゃん!」


 ごめんなさい、本当にごめんなさい。

 ぷんすか怒っている妖精の子にひたすら謝って機嫌を直してもらった。


「聞きたい事があるのよ、この辺であなたくらいの大きさの、フィギュアの女の子を見かけなかったかな?」

「フィギュア族の女の子? しらなーい」


 果たしてフィギュア族で合っているのだろうか。


「見かけない顔の子とか見てない?」

「そう言えば今日、妖精の村に新入りの子が一人入ったよ。期待の新人だってバーのママが」


 どこの飲み屋の話だよ。


「どんな特徴の子?」

「うーん、レース模様のパンツ穿いてたよ」


 その子だ! スカートの中で特徴を現しているのがちょっと思うところあるけれど、フィギュアちゃんで間違いないだろう。

 モブ太君がドヤ顔なのが腹立つ。


「その飲み屋、じゃなかった、妖精の村に案内してもらえないかな。私たちその子の友達なのよ」

「案内するのはいいけど、普通の人間は村に入れないよ? 結界っていうのがあるんだ」


 入れなかったその時は、フィギュアちゃんだけ呼び出してもらえばいいか。

 妖精の子について行くと、今まで森の中だったのにいきなり開けた場所になった。


「ここが妖精の村なの?」

「そうだよー、入れたんだねー」


 その妖精の村は、なんというか心情的にキラキラしていて心が眩しかった。


 だってお花がいっぱい咲き乱れたその場所に、女の子としてはときめかざるを得ないじゃないか。

 しかも妖精たちが飛んだり遊んだりしてるんだよ、何ここは天国? 桃源郷?


「大きい子だねえ、どこの子?」

「育ったねえ」

「わー何この子? 人間? 人間が侵入しちゃったの?」

「まっさかあ、人間がここに来れる訳無いじゃん」

「お花の柄のパンツ穿いてるよ」


 妖精たちが私たちに気がついて寄って来た。

 まずパンツを確認するのやめて頂けませんか。


 私が何故妖精の村に入れたのか、やっぱりほら、私って可愛いから? 私ってお花も似合うよね、だから。


「私も妖精だよ! キラリン」


 妖精たちが怯えだした、心外である。


「あー、リンだー! わーい」

「フィギュアちゃん! 良かった無事だったんだね。探したんだよ、また会えて本当に良かった!」


 駆け寄ってきて私に飛びついたフィギュアちゃんを両手で迎える。


 パ――――ン!


 いけね、またやっちまったよ。


「なんだ、新入りちゃんのお友達だったんだ。じゃあ妖精か」

「やっぱり! 不思議なオーラを感じると思ったんだー」

「私ってば、てっきり人間の痛い子だと思ったよ」

「自分を妖精だと思い込んでる可哀想な子とかいるもんね」


 くうう、私は心の中では妖精なのよ!

 妖精たちはモブ男君たちにも群がっている、うーん、こっちはどう説明すればいいのやら。


「こっちはお供のモブ族の人たちかな?」

「僕たちはどこまでいってもその認識なんだね」


 モブ族ってのが既に何かわからないんだけど、妖精たちがそれで納得しているのならそれで通そうか。

 細かい事はどうでもいいのである。


「モブ族の人たちも入って来ちゃったんだね」

「妖精の子のお供なんだから仕方無いよ」


「モブ族の人たちにお願いなんだけど、外に出ても妖精の村の事は秘密にしてね」

「間違っても記録なんて取っちゃダメだよ」


 文献なんか残されたら怖いもんね。

 よからぬ事を考えた悪い連中に侵略されたり、破壊されたりする事は危惧しないといけない。


「観光客が押し寄せて来ても、こんな村じゃ観光資源無いからね」


 そっちですか! 村そのものが観光資源だと思うけど。


「なるほどこれはとても興味深い」


 そう言ってメガネ君がノートを取り出して記載し始める。

 記録はダメだって言われたそばから、自重しようよメガネ君!


「岩と岩の間からタンネネの花が咲いています、これは珍しい」


 妖精じゃなくて草ぁ!

 妖精を珍しがりなさいよ妖精を! 岩の間から草が生えるのなんか珍しくもなんとも無いわ!


「妖精の村の秘密が記録されたわ!」

「とうとう暴かれてしまったのね」

「なんて恐ろしい」

「観光客が押し寄せる!」


 来ないわよ! 岩の間から草が生えてるのを、わざわざ見に来る暇人なんか居ないわよ!


 気を取り直した妖精たちは、私たちの歓迎会を開いてくれる事になった。

 何でも元々フィギュアちゃんの歓迎会を開く予定だった所に、ついでに友達の私たちも混ぜ込んで歓迎してくれる運びになったらしい。


「仲間の歓迎会って、随分大きなイベントをやるのね」

「新入りちゃんには、村の仲間を助けて貰ったんだよ」

「そのお礼!」

「感謝大事!」


 聞けば、村の妖精の子が森の中でモンスターのオーガに追われている所を、フィギュアちゃんが助けたらしいのだ。


「凄いねフィギュアちゃん、オーガって言ったら結構強いモンスターだよね」

「うん、ふうせんでふわふわ飛んでたら紐から手が離れちゃってさ、真っ逆さまに落ちた先にオーガがいたんだよ。で、私の頭のアホ毛がオーガの目にチクーって」


 オーガも災難だったわね。


「それでオーガが逃げて行って助かっちゃった」

「危うく捕まる所だったんだよね」

「これはもうご馳走出して祝わないとね!」

「お祝い大好き!」


 アホ毛も武器になりえる事を認識させられた事件である。

 まあなんにせよ、フィギュアちゃんの活躍のお陰で私もご馳走のご相伴に預かれるわけだ。アホ毛バンザイ。


 宴会のご馳走楽しみー!


 今日はお昼ご飯抜きだったからお腹ぺっこぺこなのよね、フィギュアちゃん捜索で大慌てだったからさ。

 さあ食べるぞ食うぞ食するぞー。


 そしていよいよ宴会が始まり、座った私の目の前に待ちに待ったご馳走が出された。


 花の蜜だった。


 次回 「お饅頭を食べさせたら妖精が絶滅?」


 リン、肉食植物を出される


 本日中に投稿します

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