33 魔獣共鳴
投稿遅れてごめんなさい。
私たちはゴブリンのスタンピードの拠点の最奥へ向けてひたすら駆け抜ける。最初は大量のゴブリンが追いかけて来ていたが途中で追いつけないと諦めたのかいつの間にかいなくなっていた。
「………!?この先から強い気配がする!気を付けて。異常個体か上位種がいる!」
私の気配感知にこの先から強力な反応がある。ハクも異様な気配を感じ取ったようで警戒する様子を見せている。
私たちは一旦足を止めた。
「数は六体くらいかな。一体だけさらに奥にいるから多分そいつが異常個体かな。残りの五体は私たちを待ち伏せているみたいで戦闘は避けられなさそう。」
「どう、する?待ち伏せ、されているなら、罠とか設置、されてるかも、しれない。突っ込むのは危険、だよ。」
「それに一体一体が強いんじゃ結構消耗するのは避けられないよ。一応聞くけど、回り込める道とかはない?」
「ないね。異常個体がいるところまでは一本道になってるみたい。」
私は出来るだけ消耗が少なく突破できそうな作戦を考えてみるが、なかなか良さそうな作戦は思い浮かばない。
「どうしようか?いっそのこと何も考えずに突撃でもしてみる?」
「ここまで来たら、消耗を、気にしないで、突撃して暴れるのも、ありかも、しれない。」
「コォォーン!」
ハクとイルアは突撃するのに肯定的だった。あとはタルトの意見を聞いてから決めよう。
「そっか。タルトはどうかな?」
私は先程から顔を険しくして何かを考えているようなタルトに意見を聞く。
「………ねぇレティアちゃん。突撃するなら私に任せてくれないかな?」
「えっ!?」「コォン!?」「タルト!?」
二人と一匹の声が重なった。
◆
〜タルト視点〜
私は一人で上位種がいるところまで歩いていく。
レティアちゃんによると上位種のいる空間は大きいドームのようになっているらしい。私のチャクラムが使いやすい空間だが、それだけで勝てるほどゴブリンの上位種は弱くはない。
「………ふぅ。落ち着こう。」
私は一度足を止めて深呼吸をし、再び歩き出す。そして、
「一人だけか?折角待っててやったのに他の奴はどこにいるんだ?」
私が上位種の前に辿り着くと、五体の上位種のリーダー格と思われる、金属の鎧で全身を包んだゴブリンが流暢な言葉で話しかけてきた。
普通ならあり得ないことだが、その可能性も考えていたので私は特に反応することもなく対応できた。
「貴方達くらい私一人で十分よ。」
「言うじゃないか小娘。圧倒的な実力差を教えてあげよう。」
五体のゴブリンの上位種が武器を手に持ちそれぞれの構えを取る。
私はそれを見届けてとあるスキルを発動させる。
「【魔獣共鳴】ッ!」
スキルを発動させた次の瞬間、私の体が光に包まれ劇的な変化が訪れる。
【魔獣共鳴】は私の体に一番適した魔獣を宿し、その魔獣の力を扱えるようになるという、強力で珍しい特殊なスキルだ。
そして、私の体に一番適していた魔獣は蜘蛛だった。
私の体を包んでいた光が消える。そこにいるのは蜘蛛女に体を変えた一体の半魔。
下半身は完全に蜘蛛に変化しており、六つの無機質な瞳がそれぞれのゴブリンの姿を捉えている。左右にある四対八本の足は鋭く、まるで槍だ。
上半身は蜘蛛の体から生えているというところ以外はおかしいところはなく、あまり変化がない。爪と歯が少し鋭くなったくらいかな?
蜘蛛女になると体が四メートル程まで大きくなるので、辺りを見下ろすことができる。上半身の顔についている二つの目は上から見て地形を把握するのに優れている。
「さぁ、殺し合いを始めよう!」
「あぁ、始めようか。」
タルトとゴブリンの上位種との戦いが始まった。
観覧ありがとうございます。
執筆のモチベーション上昇になりますので、ブックマーク、感想、評価などよろしくお願いします。
次話はできれば次の土日のどちらかに投稿します。
できればですが。




