30 始まる戦い 紅の世界
いよいよ戦闘の始まりですね。上手く書けてるかは置いといて、作者は戦闘シーン書くのは好きです。
〜エルノア視点〜
作戦会議を終えてから約三時間が経過した頃、城壁の上でフォレストウルフの動きを監視していた一人の騎士が森から続々と出てくるフォレストウルフの姿を発見した。
その情報はすぐに城壁の外であるものを準備をしていた私に伝わってきた。まぁ聞かなくても来ているのは薄々わかってはいたけど。
「いよいよグレストをかけた戦いが始まるわ!囮と街の防衛は私達に任せてあなたたちはさっさと異常種を討伐してきなさい!」
「「「おぉぉぉぉ!!!!」」」
私は冒険者と騎士を鼓舞すると囮と防衛のことに思考を切り替える。私は手首に歯を噛み立て、そこから流れ出る血で両手をコーティングする。
「いつ見てもエルノアの【操血】は凄いね。私が今まで見てきた武器よりも鋭く鎧よりも硬い。」
いつの間にか隣に来ていた副騎士団長………アレンがそんなことを言った。私とアレンはそろそろ十年近くになる仲で、二人のだけの時はお互い役職にとらわれずに気軽に話すことにしている。
「お世辞はいらないわよ、アレン。私と同格の吸血鬼なら皆これくらいのことはできるわよ。」
「私は吸血鬼に詳しくないから本当なのかはわからないけどエルノアが言うならそうなんだろうね。私は吸血鬼だけは絶対に敵に回したくないよ。」
アレンは苦笑しながら応えた。
「前までそんなことを言わなかったじゃない。レティアちゃんの影響かしら?」
珍しく弱音を言うアレンに私は思い当たるふしを言ってみた。
「きっとそうだろうね。レティアの戦う姿を見てからそう思うようになったからね。私の目から見てレティアは異常だよ。エルノアもそう思うだろう?」
「えぇ、レティアちゃんが異常なのは同意するわ。普通ならD+のブラッドヴァンパイアがあんなに強いはずがないもの。おそらくだけど、レティアちゃんは吸血鬼の異常個体なのかもしれないわね。」
「吸血鬼の異常個体か………。五百年前の戦争で暴れたという黒血の災禍を思い浮かべるよ。吸血鬼の異常個体がSランク相当まで進化しその代の魔王にまで匹敵したという災厄。」
「確か当時の聖国を一人で壊滅させたという吸血鬼よね?まさしく災厄ね。」
【黒血の災禍】
魔族の中でも忌み嫌われる程の力を持っていたという吸血鬼。黒血の災禍が戦った後の土地は彼女の血で汚染され今も汚染された黒い大地が広がっている。
「レティアちゃんが進化していけばいつか黒血の災禍のような吸血鬼に至りそうね。……お話はここまでにしておきましょう。いよいよ始まるわ。」
「あぁ最初は任せたよ、エルノア。」
「任せなさい、アレン。」
フォレストウルフがおよそ一キロ先まで近づいてきている。森に入っていく攻略班のためにも、侵略してくる全てのフォレストウルフを私とアレンに引きつけないといけない。
「そろそろね。始めまるわ。」
私は詠唱を紡ぎ始める。それと同時にフォレストウルフが一斉に駆け出してくる。
「紅い世界。紅い空間。紅い空。ここは私の世界。私が統べる紅の世界。あなたの血は雨になる。あなたの肉片は私の糧になる。あなたの全ては私に消えていくの。紅い紅い私の世界で永遠の夜を楽しみましょう。【紅い世界の月夜】」
私を中心にして世界が紅く塗り潰されていく。紅い大地が広がっていき、紅い空が辺り一帯を覆う。昼過ぎで明るかったはずの周辺は暗くなり紅暗い空には紅い月が浮かんでいる。
グレストまで残り三百メートルほどまで近付いていたフォレストウルフは私の発動させた空間結界に次々と囚われていく。だいたい三百体程度だろうか。全てのフォレストウルフを空間結界に入れることができた。
私の世界に招かれた客を歓迎しよう。
「私の世界へようこそ。死んでいってね。」
〜レティア視点〜
「……凄い。世界が紅く……」
私はフォレストウルフの攻略が始まるのと同時にゴブリンの攻略に出ようと思っていたのだが、それが功を奏したのか興味深いものが見れた。
「魔術の一種、の、空間結界。自分が決めた理が支配する、特殊な空間を作り出す、超高難度魔法。十万人に一人くらいの確率で、使える人がいるか、いないか、くらいの、凄いレアな魔法。」
同心円状に広がっていく紅い世界はフォレストウルフを全て飲み込むとさらに少しだけ広がってから紅い世界は動きを止め、完全に外と中を完全に隔てた。
残された騎士と冒険者が一斉に森へ向かっていく。本格的に攻略が始まるようだ。
「私たちも行こうか、レティアちゃん。」
「そうだね。行こう。」
私たちもゴブリンのスタンピードが発生したという南西の森に向かって走り出す。
この瞬間からグレストの命運をかけたスタンピード同時攻略が始まった。
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