27 作戦会議
今回はいつもより短いです。会話のシーンを書くのが苦手なのもありますが、なかなか上手く書けませんでした。申し訳ない。
「これから冒険者ギルドと騎士団合同の作戦会議を始めるわ。」
冒険者ギルドの一番広い会議室にエルノアの声が響く。私はルアの隣でハクを撫でながらその作戦会議に参加していた。
「まず最初に驚かないで聞いて欲しいことがあるわ。フォレストウルフのスタンピードが起こっている南東の森、その反対側の南西の森でゴブリンのスタンピードが発生したわ。」
静かだった会議室が一気に騒がしくなる。
「静粛に!」
作戦会議が始まる前にエルノアと話しており、周りの人から騎士団長と呼ばれていた赤髪の三十代に見える男性の覇気のこもった一声が、会議室を静寂な状態へと戻した。
「ゴブリンのスタンピードは確実に発生しているわ。通常のゴブリンの群れに上位種が多数混ざっていたという証言と、討伐して持ち帰ってきた実際に戦闘をした上位種の死体がある。」
「………」
証拠があるから、どんなに否定したくても否定することができない。沈黙が場を支配する。
「そんなに絶望しなくても大丈夫だと思うわ。元々の作戦が少し変わるだけだもの。」
エルノアは余裕そうな態度を崩さない。
「元々の作戦自体はフォレストウルフの上位種を潰す班と街の防衛を行う班に分かれて戦う。それにゴブリンのスタンピードを潰す班が増えるだけよ。」
「ギルドマスターは簡単に言いますが人手不足です!今の編成からゴブリンの方に人数を割けば自殺しに行くのと変わらない!近くの街からの応援を待つべきです!」
冒険者のうちの一人がルアに反論し、ほとんどの冒険者がそれに同意している。
「問題ないわ。そもそも編成を変えるつもりはないわ。」
「ではどうするつもりだ?」
「この子をメインにして少数精鋭の編成を作るわ。(レティアちゃん、自己紹介頼んだわ。)」
ルアが私にだけ聞こえるような小声で、自己紹介するように頼んできた。これは作戦会議の前の打ち合わせでエルノアから伝えられていたので、私はハクを抱き抱えたまま考えておいた自己紹介を述べる。
「私はレティア、こっちはハク。よろしく。」
二秒で自己紹介を言い終えると席につく。
「レティアちゃん。ちゃんと考えた?短すぎない?」
「考えたよ。これ以外に言うことがない。」
タルトと小声でやりとりをしていると、
「子供じゃねぇか!こいつが少数精鋭のメイン?街の危機なんだぞ?ふざけてるのか!?」
その場のほぼ全員の気持ちを代弁するかのように、荒々しそうな冒険者が怒鳴り声をあげた。
(というか私は子供に含まれるのかな?)
年齢だったらおそらくだが数百歳はこえている可能性が高い。五百年前の戦争を終わらせたレティシアに造られているのだから、記憶がないだけで培養槽の中で何百年と過ごしているかもしれない。だが見た目は完全に子供だ。進化の時に少し身長が伸びたが、それでもまだ子供の枠組みの中だろう。実際に子供扱いされている。
自分が子供という概念に含まれるのか含まれないのかというくだらないことを考えているうちに、エルノアが冒険者の怒鳴り声に怯むことなく淡々と返答を述べていた。
「ふざけてなんていないわ。レティアとハクは先程のフォレストウルフの襲撃を一人と一匹で撃退しているわ。それに、ゴブリンの上位種が十体以上混ざった群れも壊滅させているわよ。」
「!?」
会議室に驚きが広がる。
「私はレティアとハクがフォレストウルフの襲撃を撃退したのを城壁の上からこの目で見ているからね。エルノアの言葉は嘘ではないと思うよ。」
城壁の上にいて見ていたという副騎士団長が皆に事実と伝える。
今度は会議室に動揺が走る。特に騎士に多い。自分よりも強い副騎士団長がレティアとハクの実力を認めたからだろう。騎士団長は笑みを浮かべている。
(まぁ、私からしたら信じてくれなくてもやることは変わらないしどうでもいいけどね。)
「……レティアとハクを認めてくれたようね。」
再び会議室が静かになる。誰もレティアとハクを否定しない。その様子を見てルアが満足げな表情をしたが、すぐに切り替えた。
「では前置きはここまでにして、本題に入るわよ。」
こうして、ルアの口からスタンピード攻略の作戦が語られた。
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