26 襲撃
会話のシーンを書くのが苦手です。誰かアドバイスください。(願望)
「とりあえず、今のグレストがどういう状態なのかを説明するわ。まずは冒険者ギルドで魔獣災害の発生を確認し、緊急依頼を出したわ。」
緊急依頼とは、冒険者ギルドの総力を尽くしてどうしても達成をしないといけないクエストのことらしく、冒険者は強制的に全員参加となる。
ちなみに緊急依頼が出される時は、街が滅ぶかそれとも国が滅ぶかのレベルの危機が迫っている時であるため、達成しないと最終的に皆死ぬので冒険者全員が協力的らしい。
「その次に、冒険者ギルドはグレストの騎士団と協力して住民の避難を始めたわ。低ランクの冒険者や魔獣との戦闘を望まない冒険者を住民の避難と護衛に回して、現在はここから真逆の位置にある門から別の街に避難しているはずよ。騎士団からも何人か派遣されているから、魔獣や盗賊に襲われても安全なはずよ。」
「安全そうならよかった。」
「そう、だね。安心、した。」
タルトもイルアはほっと息をつく。
「それで今は、街を守りつつ情報収集や対策法を考えているという感じね。」
「少し待ってください!街を守りつつって、魔獣に襲撃されているんですか!?」
タルトがほっとしたのも束の間、今度は声を大にして叫ぶ。
「えぇ、そういうことになるわ。奴らは三時間おきくらいに襲撃しに来ているわ。今のところは騎士団と冒険者が城壁の上から魔法や遠距離攻撃で撃退しているけど、街に侵入を許すのも時間の問題ね。」
「次の襲撃はいつですか?」
「そろそろ来るはずよ。もうすぐ始まるんじゃないかしら。」
ルアがそう言った直後、ドゴォン、バゴォンと爆発音が聞こえ、WAOONNとフォレストウルフのものと思われる鳴き声が聞こえた。
「襲撃だ!!数は約150。人手が足りない!応援を頼む!」
城壁の上から助けを求める騎士の声が聞こえた。
「まずいね。前回の襲撃よりも数が三十体以上は増えてる。数で押しつぶしに来たのか、それともスタンピードの規模が大きくなったのか………」
エルノアが聞いた情報で冷静に思考している。
「考えている場合じゃないですよ!早く応援に行かないと!ってレティアちゃん!?」
「行くよ、ハク!」「コォォーン!」
私は助けを求める声を聞いた瞬間、走り始めていた。ハクを抱きしめ羽を展開し、城壁を駆け上がる。さらに、MPを消費して【飛翔】を発動させると、一瞬で城壁の上まで辿り着く。
「なんだ、人か!?」「狐方の魔獣もいるぞ!」
自分の下から騎士だと思われる人の声が聞こえた。
「少し飛びすぎちゃったか。もう少し制御できるようにならないとね。じゃあ行くよ、ハク!」
「コォォーン!!」
ハクの頼りになる返事を聞き、今度は壁の外へ向かって急降下する。地面にぶつかる前に羽を羽ばたかせ、勢いを殺しふわりと着地する。
襲撃しに森から出てきていたフォレストウルフが私たちに気づき、足を止めた。こちらを睨みつけ鋭い犬歯を剥き出しにする。そして、前足の爪を構えた。
「ハクの力を見せてあげて!!」
「コォォーン!!」
ハクが【千桜花】で無数の桜の花弁を生成する。無数の花弁は私とハクの周りを漂っていて、まるで結界に囲まれているようだった。
私も戦闘態勢をとる。ハクの【千桜花】をイメージして【操血】を発動し、無数の短剣を作り出すと【血流操作】で宙に浮かせる。
「WAOONN!!」
こちらへ向かってくる十体以上のフォレストウルフ。その中でも一番早く私たちに辿り着いた一頭のフォレストウルフがハクの桜の花弁によって切り裂かれる。
一頭目に続いて攻撃しようとしていたフォレストウルフが動揺して動きを止めた。
その隙を見逃さずに私が【血流操作】で空中の短剣を打ち出し、フォレストウルフの足を切っていく。
慌てて反応し避ける個体もいたが、ハクの桜の花弁によって回避先で細切りになった。足を切られ動けなくなった個体も同じ運命を辿った。
その光景を見た後続のフォレストウルフが完全に動きを止めた。私とハクとフォレストウルフで数秒間の睨み合いが発生する。
すると、リーダーと思われる他の個体と少し違っているフォレストウルフが遠くまで届くような大声で吠え、その声を聞いた他のフォレストウルフは次々に森へ戻っていった。
「撃退できたね、ハク。」
「コォォーン。」
「無理は禁物だよ、ハク。でももう少しレベルが上がれば進化できたから、あと数十体は倒したかったね。」
私自身とハクに【鑑定】を発動させると、私がLV22、ハクがLV21になっていた。
(LV25で私とハクは進化できるから、次の襲撃でレベルを上げて進化したいかな。)
【操血】と【千桜花】が解除され、桜の花弁と血の短剣は空気中に溶けるようにして消えていく。
【収納】にフォレストウルフの死体を入れると私はハクをしっかり抱き抱え、再び【飛翔】を発動させてグレストの街へ戻っていった。
―――
――
「レティアちゃん!ハクちゃん!」
城壁の上からタルトとイルアが手を振っている。隣にはルアがいる。私は【飛翔】をコントロールして城壁の上にゆっくりと着地する。
「もう、勝手に一人で突っ込んだらダメだよ!レティアちゃん!」
タルトとイルアのところへ戻った途端に、タルトから説教を受けた。
「ハクがいるから一人じゃないよ。」「コォォーン!」
「確かにそうだけど………と、とにかくハクちゃんがいても突っ込むのはダメ!危険なのには変わりないからね!」
「わかった?」
「………次からは善処します。」
「それなら今日は許してあげるね。」
「タルトが、レティアちゃん、の、親、みたい。」
「タルトは良いお嫁さんになれるよ。」
「お、お嫁さんって!二人とも私をからかわないでよ!!」
私は本心から言った言葉で、決してからかっているわけではないんだけど…。その後も私とイルアはタルトのことで話に花を咲かせていた。
ちなみに、タルトの顔が恥ずかしさで真っ赤になって、最終的に泣きそうになったところで話すのをやめた。
【エルノア視点】
「想定していたよりも強かったわね。」
雑談しているレティアとその左肩に座っているハクを見て、私はそんな感想を述べた。
圧倒的な力で蹂躙し、百体以上いたフォレストウルフを二人で撃退してのけた。通常のブラッドヴァンパイアが出来ることではないし、あんなスキルを持っている狐方の魔獣なんて見たことがない。
「あの一人と一体は何ですか?あの強さは普通ではないですよ。」
城壁の騎士を纏めている副騎士団長が私に聞いてくる。
「それは私が知りたいわね。」
レティアちゃんとハクちゃんの強さに関係してそうなことは私にはわからず思考を放棄する。
「でもレティアちゃんとハクちゃんはこの状況を打破するための希望の光かもしれないわね。」
「私も同感です。」
私と副騎士団長は、無表情でも二人と楽しそうに話しているレティアを見ていた。
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