1 ステータス
少し頑張って書いた。
手紙から溢れた光が消えると私は倒れていた。
「………ッ!」
起き上がるがろうとするが、頭に激痛がはしり、膝をついてしまう。両手で頭をかかえ、頭痛がやわらぐのを待つ。頭の中で自分のではない記憶が駆け巡る。
「はぁはぁ…マシに…なって…きた…」
1分ほど動かずに痛みがやわらぐのを待っていると、思考ができるようになるぐらいには、痛みがやわらいだ。最初の方はあまりの痛みにただ耐えることしかできなかったが、思考できるようになったので、今の状況について、痛みから気をそらすために考え始めた。
こうなったのは、十中八九さっき読んだ手紙のせいだろう。読み終わると同時に光だし、変な声まで聞こえてきた。しかも、その声がレティシアの一部の記憶の継承などと言っていた。
もしかして、この頭痛はレティシアの記憶が私に流れ込んできたことによって引き起こされた?多分、情報量に処理が追いつかなくて痛みがでたのかな。それなら、もうしばらく痛みに耐えれば完全に痛みが引くかな。今も少しずつ痛みがやわらいできている気がする。あくまで気がするだけど。
しかしもう一つ、通常スキルの一部継承という気になる言葉が聞こえた。だが、こっちは全くわからない。いや、頭の中を駆け巡るレティシアの記憶にスキルというものがあるから、処理が終わってレティシアの記憶を見れればスキルについてわかるかもしれない。となるとスキルのことは後回しでいいのかな?その時だった。
(鑑定……自分…に……鑑…定…をし…て)
「誰!? ッ!」
誰って聞いた時に大声を出したから、頭痛の頭に響いた。痛い。というか今気にするところはそこじゃない。小さかったけど確かに声が聞こえた。周りを見渡すが誰もいない。あるのは、壊れた培養槽が散らばる広大な地下空間だ。
「鑑定をすればいいの?」
問いかけるも、返事はなかった。
とりあえず鑑定をしよう。でもどうやって鑑定をするんだ?とりあえず口に出してみる?これをすれば何かわかるのかな?思考がぐちゃぐちゃだが、最終的に鑑定と呟いてみるということで決まった。
「鑑定」
呟いた途端、脳裏に文字が浮かび上がってきた。これで成功するなんて思ってなかった。
名前:レティア
種族:レッサーヴァンパイア F
LV:1/10
HP:15/15
MP:20/20
筋力:10
耐久:10
敏捷:10
魔力:15
称号スキル
【魔王】
特殊スキル
【吸血鬼LV1】
魔法スキル
【鑑定LV1】
【収納LV1】
耐性スキル
【日光耐性LV10】
【痛覚耐性LV1】
通常スキル
【剣術LV5】
【射撃LV5】
【魔力操作LV5】
【逃走LV5】
脳裏に浮かび上がってきた文字や数字は私のステータスでいいのかな?そしてステータスの下には気になっているスキルの欄がある。私は、しばらくステータスを見続けた。
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