15 問題を呼び寄せる声
語彙力が乏しいので変な部分があると思いますが、そういうところは指摘してあげてください。
「…………」
魔獣の気配を探りながら森を歩いているとお腹からグゥゥゥという大きな音がして、思わず足を止めた。そしてその場で、無視して進むか、それとも朝食を取るか、でどちらを選ぶか考え始めた。
5秒の思考の末、私はこの音を無視することが出来ず、朝食を取ることにした。決して空腹に負けたわけではない。近くに転がっていた多少大きめの石に座ると、
「いただきます。」
と言って、収納からトレントが落とした果実を取り出して食べ始める。
「………美味しい。」
美味しいけど他の物も食べたい。そんなことを思った。ずっとこの果実を食べていて、同じ味に飽きてきた。それでもこれしかないから食べるしかないのだけどね。
『じゃあ美味しいもの食べさせてあげようか?』
「誰!?」
突然、システムの言葉でも昨日聞いた謎の声でもない声が私に語りかけてきた。
『答えてあげたいけどきっと見たほうが早いね。私が案内するから、その通りに付いてきてよ。私のところにきて、一つお願いを聞いてくれたら美味しいものをたくさん食べさせてあげるからさ、付いてきてよ。』
2日連続謎の声に話しかけられるとか。私になんか呼び寄せる力でもあるのかな。そんなことを考えている私を気にせずに謎の声は話し続ける。
『この話に乗るか乗らないかはあなた次第だけど、できれば乗って欲しいんだよね。助けて欲しい子がいるの。』
「助けて欲しい子?」
『私の家族みたいな子なんだけど、その子が危ないんだよ。君はステータスが結構高そうだし、話が通じそうだから話しかけたんだけど、私の力が及ぶ範囲内に同じ条件を満たす奴なんていないからさ!君だけが頼りなんだよ!お願い。』
謎の声は私に懇願する様にそう言った。こんなに言われたら断りづらい。大事な子を助けて欲しいらしく、私の力が足りるなら協力して助けてあげたい。しかし、罠の可能性がある。迂闊に返事をするわけにもいかない。
『信じてくれるかはわからないけど、絶対に罠じゃない。私に協力して欲しいんだ。』
謎の声は力強くはっきりと言った。
「………わかった。協力する。私を案内して。」
「ありがとう!!感謝するよ。それじゃあ早速付いてきて、時間がないからなるべく早く。」
「わかった。」
私は謎の声の案内通りに森を走りつつ、先程のことを考える。謎の声は力強くはっきりとこれは罠じゃないと言った。そこから大事な子を助けて欲しいという思いが強く伝わってきて、その時に私は罠じゃないと確信した。そして謎の声に協力をしようと思った。美味しいものを食べたいっていう気持ちもあるけど、9割は謎の声の言葉に動かされたからだ。
『着いたよ。ここ。』
私が謎の声に案内されてたどり付いた場所は、一本の巨大な桜の木が生えている神秘的な空間だった。
「すごい、とても綺麗。」
そんな感想が自然と溢れた。
『私を褒めてくれるのは嬉しいけど、今はあれを見て。』
謎の声に言われた方を見ると、2頭の魔獣がお互いに威嚇し合い、睨み合っていた。1頭は白い毛の狐のような魔獣で、体は1.2メートルほどの大きさをしている。そして桜を守るようにもう1頭の魔獣の前に立ちはだかっていた。
もう1頭は猪と鹿を混ぜたような魔獣で大きな角と牙が特徴的だ。体は3メートルほどの大きさをしていて、狐の魔獣との体格差が激しい。そして桜を攻撃しようとしていて、立ちはだかる狐の魔獣と戦おうとしている。
『狐の魔獣の方を助けて欲しいんだ。あいつに勝てないのに私を守ろうとして、ああやって立ちはだかっているんだ。』
「もしかしてあなたの正体ってあの桜の木?」
『そうだけど。今はそんなことどうでもいいからあの子を助けてあげて。』
「わかった。ちゃんと美味しいもの食べさせてね。」
【操血】を発動させて長剣を作り出す。それと同時に2匹の魔獣が私に気付き、猪と鹿を混ぜたような魔獣が私を睨みつけた。その目は邪魔するなと物語っていた。狐の魔獣の方は謎の声改め桜の声が伝えていたのかあまり気にしている様子ではなく、もう1頭の魔獣をずっと警戒している。
「戦いを始めよっか?」
「ガァァーーァア」
「コォォーーン」
一人の声と二匹の咆哮が戦いの始まりの合図となり、殺し合いが始まった。
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