王都と謁見
俺は、戸惑っている。
俺は、王家の馬車の中にいるのだが、左にはエリザベス王女殿下、右にはアスティアラ嬢、目の前にはマトローナ穣、両手に花よりもすごい状態になっている。
3人ともアレンに夢中である。
エリザベス王女殿下以外は、アレンの戦闘を見ていたために、惚れているが、
エリザベス王女殿下が、なぜ惚れているかは本人以外分からない。
ちなみに侍女は、エリザベス王女殿下の指示で御者の横に座っている。
「アレン様、私の事はエリーと呼んでください」
「王女殿下に向かってそのようなこと」
「命令です」
「…エリー様」
「エリー」
「……エリー」
「はい!」
「私もティアって呼んで」
「私もローナって呼んでね」
「はい。ティア、ローナ」
「「はい!!」」
(早く王都に着いてくれーー)
ーー王城ーー
「グルード国王様、いらっしゃいますか」
「なんだ?」
「緊急の要件でございます。エリザベス王女殿下とアスティアラ様とマトローナ様が乗っている馬車が、オーガに襲われました」
「何!?それは本当のことなのか!」
「はい。今は、オーガは撃退されています」
「エリザベスは、怪我をしてないのか」
「はい。アスフォード伯爵の次男アレン殿に助けて頂き、回復魔法をかけていただいたそうで、今は大丈夫です」
「そうか、良かった」
「でもここからが問題で、エリザベス王女殿下含め助けていただいた3名はアレン殿に夢中だそうで、馬車の中ではアレン殿を囲っています」
「何!アインどうしよう」
「そうですね。次男ですから継承権はないはずです。オーガを撃退し王女殿下を助けたことを理由に、叙爵してはどうですか」
「そうしよう!直ぐにアレクとダイルを呼んでこい!」
ーーアレンーー
俺は服を貰ったものに着替え、部屋に一人でいる。
『コンコン』
「アレン様、謁見の用意が出来ました」
「分かりました。今行きます」
少し執事の後ろをついて歩いた。
「ここが謁見の間です。やり方は先程教えた通りです」
「はい。有難う御座いました」
「アレン・フォン・アスフォード殿が到着致しました」
「入れ!」
「失礼致します」
扉が空いたらそのまま真っ直ぐ進み、絨毯が切れている所で片膝をつき、頭を下げる。
「顔を上げよ」
「この度エリザベス王女殿下及びアスティアラ・フォン・シャルスト嬢、マトローナ・フォン・ネスパーグ嬢が変異種を含むオーガ20数体に襲われた」
宰相様の言葉に貴族がザワつく
「そこにアレン・フォン・アスフォードは自ら戦場に飛び込み、1人で10数体のオーガを殲滅した」
その言葉に更にザワつく。
「静まれ!。そこでアレン・フォン・アスフォードに褒章を与える。陛下よろしくお願いします」
「アレン・フォン・アスフォード、この度の活躍見事だった。そこでアレン・フォン・アスフォードを子爵に叙し、王都に屋敷を与える」
「お待ちください陛下。まだ未成年に叙爵などありえないでしょう」
「うるさいぞ。お主はオーガを1人で10体でも倒せるか」
「それは…無理ですがいくらなんでも」
「2度は言わん下がれ。貰ってくれるな」
「...有難く受けさせて頂きます」
有難う御座いました。
次回「新たな屋敷」お楽しみに