金属ベルトの季節…… ちょっと古い機械式時計とオールドクォーツたちと
最近は時計に興味の無い人が増えてきているそうです。
必要か必要でないかということであれば、スマホがあれば今どきは時計なんて無くっても何も困らないのかもしれない……しかも正確だし。
だけどね、何か違うと思うんだよ、オジサンは。
ここ数年、暖かくなってくると我が家の時計たちは、その多くを冬仕様の皮革ベルトから布帛素材のNATOベルトに衣替えしていました(汗対策ですわ)
と言うか、それがマイブームだったわけで。
NATOベルトにすると、どんな時計も少しカジュアルっぽくなって使いやすくなるという副次的効果もあるし。
冠婚葬祭用に買ったフォーマル用な時計なんかでも、NATOベルトに換装するとアロハにジーンズなんて出で立ちにも似合っちゃうわけです。
一度お試しあれ。
普通のベルトより安価だし、それこそ間に合わせ品ならD◯ISOでも購入できます。
但し色や柄で悩み始めると迷路に入り込んで出られなくなるかも(笑
殆どの時計は似合っちゃうからね(アバタもエクボ)
NATOにしておくとその後のベルト交換楽だし(バネ棒外さなくていい)
時計に資産価値を求めてるわけじゃないから、自分の趣味に合った気に入ったものを使いやすくしたいだけ。
古い時計で防水性とか求められないもの、特にポコ蓋の時計なんかでもNATOベルトだと裏蓋に直接触れないから幾らか(ほんのちょっと)の安心感がある。
裏蓋に防水性無い時計は直接肌に触れると汗が入りやすいから。
そういう時計は夏場は使わないに限るって言えば……まぁその通りなんだが。
で、NATOベルト装着例です。
セイコークラウンスペシャルNATOベルト仕様SDマーク入り
D◯ISOの100円ベルトを装ったオールドセイコーのドレスウォッチ
別名プアマンズグランドセイコー
なかなかカジュアルな感じでしょ?
ポコ蓋なので夏場の皮革ベルトはキツイけど、これなら多少(気休め程度)はOKかな
今年の夏はサンサーフかヒューストンのハワイアンシャツにカットオフジーンズでも合わせてみようか
足元はもちろんギョサンだな、濡れたとこでも滑らないし
アロハシャツと言うよりハワイアンシャツと呼んだ方が気分かな
なんてこと言ってるのがジジイの証だわ(笑
しかし……ハワイアン・コナとかライオンコーヒーとか最近飲んでないなぁ
近所で手に入んないからネット通販か
ん~~~、失敗すると安いもんじゃないから悲惨だわ
(閑話休題)話が逸れました
この時計も今まともな状態のモノをOH代込みで買おうとしたら結構な額になります
自分が入手した頃の値段を言うと殆どの人はビックリしますね
そう、昔は国産オールドなんて二束三文だったんです
そもそもオールドなんて言葉すら無かった
単に中古品、中古時計ですわ
自分が時折買ってた質屋じゃあ質流れ品、質流れの時計と呼ばれてたわけで(汗
当時の価格帯からすると昨今のそれは驚くべきものになってます
とはいえそこはそれ、不人気なものに傾注するなら今でもお買い得な時計はいっぱいあるんですけど(笑
ベゼルに向かって長く伸びた分針と秒針の先がドーム型風防の縁の丸みに沿ってカーブしているところなんて、素晴らしく好物です
当時の素のクラウンなんかも同様です
他人とちょっと違う、普通に売ってるものとちょっと違う面白いもの、そんな興味を持てるような時計が好きなんです(困った性分です)
それが何故か今年は、久しぶりに金属ベルト(金属ブレスと呼ぶ人もいますが、何だか気取った感じがして個人的にはNG)にする気分になってるんですわ。
そう、また新たなマイブーム。
時計に興味の無い普通の人にとっちゃ全くどうでもいい話ですな。
外して取ってあった金属ベルトが十数本あったので、取り敢えず使い勝手の良い時計たちから順に換装開始。
まずはお気に入りのリコーの自動巻き最多石数45石、ダイナミックオート45石は純正ベルトがあります。
純正が取ってありました、よかったよかった。
この時計はカーキのNATOベルトがやけに似合ってたから、また変えるかもしれんね。
久しぶりに純正ベルトを装ったリコーダイナミックオート45石自動巻き
5振動ロービート機械
そもそもリコーが時計作ってるなんて知らないって人が多いかもしれんね
60年代前半の頃の時計で、タカノの頃の機械に自動巻きローター載せたもの
元になった33石機械のローターベアリングを全て貴石(人工ルビー)にしてます
純正ベルトだとちょっと厳ついイメージになるんだよな、コレ
同じのがもう一本あるから、あっちはNATOでもいいかな
時計自体はあちらの方が状態良いから、ベルトはテレコにした方が良いかもしれんけど
ただまぁ、こちらの方が気兼ねなく使えるんで登板回数多め(根っからの貧乏性)
しかし……45石の自動巻き時計なんてもう今後作られることは無いでしょう
同じ頃のグランドセイコーやキングセイコー辺りのファーストモデルで25石だった時代
グランドセイコーはセカンドでやっと35石になりました
セイコーの最多石は39石
シチズンは43石
オリエントが100石(笑
多けりゃ良いってわけでもないけれど、多いと単純に嬉しいわな
ラドーのゴールデンホースも通常版が30石(復刻版ETA搭載は25石)だけど、その他41石、57石、93石なんてものもあったね
ウォルサムにもホントに使ってるかのかどうかわからんけど100石ってのがあった
見てわかりやすい三変化の図の比較用
皮革ベルト仕様とNATOベルト仕様
結構雰囲気変わるでしょ?
NATOにすると肩の力が抜けた感じ
で、次は同じくリコーのリクォーツ。
最近のお気に入りの一本。
リコーのクォーツだからリクォーツと名付けられたわけですが、セイコーに続いて国内で2番目にクォーツ時計をリリースした力作550系に続く2代目570系キャリバーを搭載した高級オールドクォーツがこれ。
当時の高級機とは言っても今ではただの古いクォーツ、それもマニア以外には見向きもされないリコー製品ということもあり、後の2本も含めて驚くほどの値段(勿論安い方)で入手。
リコーが好きだという変態にとっちゃありがたいことですな。
リセールバリューとか考えてたら、そもそもリコーなんぞに手は出さないわけで(笑
60年代~70年代にかけて名品を沢山出してるんだけど……普通の人は興味無いから大半無関心。
つい先日諦めかけていたトンボ本「タカノ・リコー」がやっと刊行されましたが、セイコーなんかとは違って完売しないんじゃないかな><
内容は本当に濃くて素晴らしかった……勿論オレは買ったよ(お布施とも言う)
リコーリクォーツcal.570
天然石文字盤はブラッドストーン仕様という当時の高級品
12時位置には黄水晶を配置
まだ内部のパーツが大きいので無駄にゴツくて良い感じ
時代的にはセイコーの38クォーツと同じ頃の製品(70年代初期)
この頃のクォーツは大卒初任給の1.5~2.0倍くらいの価格設定だった高級品
何せ当時のグランドセイコーと同等、もしくは更に高額な価格設定
今の貨幣価値に換算すると30~40万円くらいなのかな
製品の仕様によっては更に高かったかもしれん
手に取るとズッシリした重みがある
ベルトは非純正だけどケースの幅と丁度一緒でいい感じ
Bearの安物だけど><
風防は5面カットガラスで、いかにも70年代という雰囲気タップリのルックス
天然石文字盤はこのブラッドストーン以外にもタイガーアイ仕様が作られ、しかもこの時計の様にノンカレンダーでは無くカレンダー付きの個体の方がポピュラーです
当時のセイコーの56系ロードマチックなんかとも共通するんですが、今となってはカレンダーとか無い方が故障の可能性が低くなるんで望ましい
しかしながら売られていた当時はカレンダー付きの方が市場でよく売れたわけで、当然今現在残っているものはカレンダー付きばかり
皮革ベルト仕様のリクォーツ
ラグ幅18mmなので皮革ベルトだとベルトが細く見えてしまう
こういうケースの時計は金属ベルトの方がまとまりが良い感じやね
お次の2本もまたリクォーツ
デイデイト(曜日日付)付きのブルー文字盤の方がリコーfineリクォーツ
「若さはfine!!」
で、デイト(日付)のみの方が素のリクォーツ
どちらも570系のそのまた2つ後継590系キャリバーを搭載
70年代後半になって570系より少しだけ薄型になった
とは言っても、この頃より10年以上前に作られていた機械式薄型ドレスウォッチに比べたら、まだまだかなり分厚いけどね
ゴールドフェザーだとかダイヤモンドフレークまでいかなくても、ライナーとかハイライン辺りでも十分薄いからね
そして、デイデイト付きだといかにも当時のビジネスマン向けという印象が強い
当時のセイコーTYPEⅡに雰囲気はクリソツ
このfineリクォーツの文字盤は光の当たり加減によって横ボーダーの柄が浮き出てとてもキレイ
裏蓋シールがまだ残っていて、風防にもケースにもキズひとつ無いからひょっとしたらデッドストック品かも?
しかしまぁ、550や570ならまだしも590系のデッドストックにどれほどの価値があるかって言うと正直なところ「?」ですが
デイトだけの方は小ぶりでシンプルで何にでも合わせやすい
コレだけあれば良い、用が足りるって人が多いかもしれんね
ちょっと前に若い人に流行ったデカアツ時計は、どう見ても日本人の腕には大き過ぎるでしょう
リコーのオールドクォーツの価格が高騰するようなことはないけれど、そもそもモノそれ自体がそれほど出回らないので良いものに出会えたら即決断が吉
特に初期のものは、過剰品質と言っても言い過ぎじゃないくらいコストのかかった良いものです
全く新しいものへのチャレンジだからどの程度のものを作ればいいかわからないわけで、そりゃ目一杯の力が入りますわ
二輪のスズキが4サイクル市場への参入期に作ったGS-750も、あの「POP吉村」さんをして過剰品質と言わしめたのは有名な話ですが、たぶん同じ様なことだったんでしょう
そしてこの頃(70年代後半)になると高かったクォーツ時計の価格帯もグンと下がってきます
大量生産と不必要だと判断された部分のコストダウンが為されたわけですね、残念ながら><
ちなみに1978年の大卒初任給が105,500円で、リクォーツfineは20,000円~27,000円程度
今回のリクォーツは3本ともにアホほど正確、まぁクォーツだしね。
とは言っても、オールドクォーツの場合(クォーツじゃなくても古けりゃ一緒)は内部の油切れや固着、手汗の侵入による錆や電池の液漏れ、帯磁などなどの問題もあって正確に動き続けていることを大きく期待しちゃいけない。
クォーツは帯磁しないという人もいますが、経験上帯磁することがあります。
方位磁石に近づけてみれば簡単に確認できる(100均のもので十分)
廃業された時計店から流れたしっかりした磁気抜き器買っといて良かったわ。
数十年経過したものは補修部品がメーカーにも無いから、ジャンク品なんかを入手して共食い整備するしかないとも言われる。
そもそもメーカーは受け付けてくれない。
以前に他で書いたけれど、オールドクォーツの修理を時計店に持ち込むと大抵嫌そうな顔をされます。
どうかすると受け付けてもくれません(だって部品無いんだもの)
通電確認してバラして部品洗浄、注油して組み上げくらいで直ればラッキー。
直せないことも実際には起こりえるけれど、その場合に店は請求しづらいし客は払いたくないんだけれど、時間と手間は掛かってるわけだよね。
直ってないから払わないって人が多かったから受けたがらなくなったんだろう。
そんな時、あなたならどうします?
本当の人間性が問われる瞬間。
まぁお互いにだけれど。
人間性というのは少々オーバーかもしれんけど、職人さんに手を掛けてもらった分の手間賃は払うべきじゃないかしらん、どうだろう?
そういうリスクを含めて考えると、機械式時計よりも寿命が短いかもしれんね。
クォーツのメリットは便利さと手軽さだろうなぁ。
巻き上げなくても動くんだもの。
電磁テンプや音叉式もそうなんだけど、一般的じゃない変態向けだし(笑
この3本はいずれも40年以上前のもの……まぁ本当にラッキーだったんだろう。
どうせだから次もリコーで行っちゃいましょう(笑
リコーの古い手巻き時計です。
リコーダイナミックエスコート23石手巻き時計
5振動ロービート機械
純正ベルトじゃないけれど、似合いそうなベルトがありました
これもNATOベルトがよく似合ってたけれど……
この頃のリコーの防水ケース入り、特にSS側のものはNATO付けると本当に軍用時計っぽくなるんです
シャトーとどちらにしようか迷ったけれど、シャトーに金属ベルトは何かこう……気分じゃないと言うか
付けちゃえばそれなりに似合うんだろうけど、今回はやめときました
シャトーと言ってもタカノじゃなくてリコーになってからのシャトーです
まぁ中の機械は一緒だけどね
これにもあり合わせのベルトだけど、なるべく昔っぽい雰囲気になるものを選択
そして弓カンは無加工なので、なるべくそのまま付きそうな物を選んだけど……やっぱチョット浮いてる
時間と根気のある時にリューターで少し削ってみよう(たぶんやらない)
皮革ベルト仕様のダイナミックエスコート
金属ベルト仕様とはまた違った雰囲気
ここまでの内、機械式の2本は60年代、クォーツ3本は70年代の製品。
どうです?
まだまだイケてるでしょ?
えっ、どうでもいい?
そうでしょうとも、わかっちゃあいるんですがね。
さて、お次は国内最大手のセイコーさんです。
どれから行きましょうか、以前にも出したものですが……
セイコーエルニクス 0703-7110
分厚いです、この後紹介する38クォーツくらいあります
現行品の6R15搭載機くらいの分厚さでガッチリ感ありますね
8振動の電磁テンプ式というゼンマイでは無くて電池でテンプを駆動する機械式時計
機械式腕時計のゼンマイのある位置に電池があったりします
それ以外は普通の機械式時計と同じ構造で、精度も機械式時計と同様かちょっと良いくらい
変態の方向けの逸品(笑
高振動機械なのでウルトラスムーズに秒針がスイープしていきます
見ていても気持ち良い動き
70年代っぽくステンメッシュのベルトを合わせてみました
ステンメッシュベルトは、近年復古調の時計で使ってるものを見かけますね
亀戸の第二セイコー社製(諏訪より亀戸の方が好きかもしれん……)
セイコーエルニクス皮革ベルト仕様
ケースとベルトの接合部分にちょいと不自然さを感じてしまう
ただ、それをも込みで70年代っぽいと言えなくもない
そんな風に感じてしまうのは贔屓目というヤツかもしれないが
電磁テンプ式という駆動方式自体は現代に於いては既に廃れてしまい、新品を入手することは叶いません。
時代の主力が機械式からクォーツへと変遷してゆく、まさに端境期に咲いた「時代の徒花」的な希少な存在。
電池で駆動する機械式時計だから週末使わなくても月曜の朝動いてます。
クォーツと違って機械式なりの日差はそれなりにあるから、使う時に合わせなきゃならんけど……日差を把握してれば金曜の晩にその分を逆算して進めておくっていう手も使えるけどね。
クォーツじゃないから一秒ごとのステップ運針じゃなくてスムーズなスイープ運針。
狙い目ではあるんです、今ならまだ。
今は一部の変態にしか存在を知られていないわけですから。
それほど市場価格も高騰していません。
じっくり構えていればチラホラと出物が出てきます。
セイコーで言えばエルニクス、エルニクスSG、ELシリーズ、シチズンのコスモトロンシリーズ(X-8、スペシャル含む)、ハミルトンリコー、果てはラドー、テクノス辺りよりももっと格上の海外メーカーなども一時は揃って参入していましたから。
但し実用で使うならセイコー、シチズン辺りに留めておいた方が無難でしょうか。
例えばラドーのマーストロンあたりでも出物はたまにありますが、完動品となると結構高騰しますし万一の際に負うダメージ(精神的な)は大きいですからね。
精度自体はその機構の精度にまつわる箇所が機械式ということもあってクォーツには全くかないませんが、魅力は巻かなくても動き続けてくれる点と針の動きのスムーズさでしょうか。
スイープ運針のクォーツなんて選択肢もあるっちゃあるけどね、まぁ少ないけど。
針のスムーズな動きという点に関してなら音叉式という選択肢もありますが、電磁テンプ式より更に希少で完動品となるとかなり張り込まなければなりませんし、メンテ費用と引き受けてくれる業者さん探しが大変です。
オールドは基本的にメーカーが対処してくれないと思って下さい。
というか、セイコーかシチズンでまた出してくれんかなあこの方式で。
ソーラー発電方式とか巻いて発電方式とか色々と電池交換いりませんなんて時計を出してくれてるけれど、アレ本当に電池交換必要無くなったわけじゃないからね。
10年くらいすると充電する二次電池を交換しなきゃいけなくなるし、その交換費用は自分でやらないなら結構高額(普通に新しい時計買えるくらい)になるんだけど、これユーザーにはほぼ内緒ですわ。
A◯AZONあたりでも二次電池買えるから頑張れば自力交換可能だけど、何かあれば当然自己責任。
いろんな人がブログとかに交換記を掲載してるから参考にするのもアリ。
普通のクォーツの方が結果として維持費用安くなるんだけど知らせないようにしてる、本当にどうなのよ?
まぁその頃になったら新しい時計に買い換えて下さいよってことなんかもしれんけど。
同じのをずっと使い続けられたらメーカーとしてメリットは何も無いわけだし、当然っちゃ当然か。
次も以前に出したことがある時計です。
セイコー38クォーツQT
オールドクォーツの名品シリーズの一作
電池の行き場所が無くなって出っ張ったと言われる(ホンマかいな)裏蓋デベソ付きで有名
電池交換は楽々(電池蓋だけ開ければいいから)なシリーズですが、残念ながらコインでは開きません
専用工具が無ければラジオペンチでも何とかいけます
ただ、ラジペンは力加減が難しくて弱いと滑って傷つくし、強いとそれも痕残るし
……で、専用工具使う方が後悔しないかな
先に挙げたリクォーツ570cal.とほぼ同時期に出たもので、当時は大変な高級機
グランドセイコーよりも高額な価格設定だったと言っても今は誰も信じちゃくれない
まぁ本当にゴツくて重くていい感じ
ベルトも三連のゴツいものにしてみました
諏訪セイコーの製品
他でも載せましたが38クォーツの裏側
所謂デベソ部分はこんな風に普通に出っ張ってます
この少し後からは真ん中にコインでも回せる窪みがつきましたが、この時はまだでした
この蓋だけ外せば電池交換できるようになっています
38クォーツを横から見たらこんな風に分厚い、本当に分厚い、電池蓋の分もあるから更に分厚い
電池蓋の出っ張りが腕に当たってますが、本人はそれほど気にならない(不思議だ)
横から撮るのでちょっと不自然な(腕の)姿勢に(上手く撮れない)
さてさてお次は当時の普及機の有名なクォーツモデル。
セイコーTYPEⅡ 7123-8090
ビックリするくらい沢山のデザイン違いが市場に溢れたクォーツ時計
40年以上前の当時の極普通の普及機なのに今でもとても正確に動く
昔の日本製って本当に優秀だわ
ポーセリンダイヤルというわけでもないのに、いつまでも真っ白な文字盤は正直言って普及品としてはどうか?と思う
ケースと風防のキズの具合からすると、それなりに使い込まれた個体な割にはキレイな文字盤
この頃はリコーのcal.590搭載機もそうだが、お手頃プライスになってきた頃
それでも今の貨幣価値に換算すると4万~6万円くらいだろうか
曜日日付つきで正にビジネスマン向け仕様そのもの
大量生産、内部パーツの小型化、簡略化などもあって初期クォーツより薄型
入手は非常に容易だけど市場にあるものは玉石混交だから要注意
多少の失敗から学ぶというのもアリかもしれんけど
表記は可動品となっていても実際に手元に届いたらお不動さんってことも普通にあるし
あくまでも自己責任だからね
運良く当たりを掴めば驚くくらい安く正確に動くオールドに出会えます
TYPEⅡとSilverWaveは出回ってる数も多いし、価格帯も比較的良心的なので手を出しやすい
SilverWaveはもう少しスポーツ・アウトドア寄りのイメージかな
亀戸の第二セイコー社製
電磁テンプ式にクォーツと電池駆動の時計が続いたので次は機械式の定番です。
セイコーロードマチック 5601-9000
6振動ロービート機械
言わずと知れた56LMシリーズという当時のビジネスマンの標準装備品
1968年に市場にリリースされました
ウィークポイントのカレンダーが無いから安心して使える狙い目の時計
裏蓋の無いワンピースケースなので手汗の侵入の心配はあまり無い
全モデルに秒針規制が標準装備で準高級機という位置付けだと言われています
56系と呼ばれるこの薄型自動巻きの機械は振動数だけ変えてキングセイコーやグランドセイコーにも使われた名作です
56系ほど薄型で巻き上げも軽くて普及価格帯でも使える自動巻き機械は今はもう存在してません
本当に優秀な機械だと思ってます
また作ればいいのに……販売価格帯をあまり下げたくないのかもしれんし、一時機械式の技術は中断したし
先のTYPEⅡはローマ数字インデックスがプリントでしたが、こちらはアップライトなインデックス
とは言っても価格帯から考えると植字じゃなくて恐らくプレスでしょう
全数字のインデックスのものもあってそちらも市場では人気モデル
この時計は文字盤のLORD MATICの上にLM表記の無い極初期のもの
画像ではわかりにくいですが、文字盤は一部からはオヤジ臭いとも言われる絹目模様
70年代らしさ満点のライスブレスを合わせてみました
ライスブレスってホントおじいちゃんの時計みたいな雰囲気になるな
これも弓カンは無加工で付きそうなものをチョイス
たぶんリューターで整形までは……やらんだろうな
諏訪セイコーの製品
さて次は個人的に想い出深いもの、亡父の形見時計2本の内の1本。
セイコーロードマチック5606-6000
6振動ロービート機械
デイデイト付きで少し小振りなサイズ、今どきならボーイズサイズとか言われそう
56系はカレンダーが弱点と言われるけれど、正しく使ってれば大丈夫
壊れるのは概ね禁止時間帯にカレンダー操作したことが原因
大体8時から4時の間は日送り車が噛み合う時間帯なので操作は避けましょう
というか6時くらいのところへ動かしてから操作すれば壊れません
56LMに限らずクイックチェンジが壊れてるものは、他社含め概ね禁止時間帯を遵守していないことに起因する
ダメと言われててもやってしまうのが人間だし、金出して買った自分がどうしようが勝手だろ?という思考形態なんだろう
このシリーズは大半がワンピースケースだけど、これは裏蓋が開けられます
受け継いだ時にはお約束のカレンダー不動で機械自体も精度が出ていない状態
おまけに交通事故に遭った時に使っていたので風防ガラスはキズだらけ
オーバーホールに出して日常使用OKな状態になったけど、色々考えて風防は無交換
キズも思い出の内かな?と思ったんですわ
透明マニキュア処置で普段使いギリOKな代物となりました
カレンダーも直してもらったから気をつけよう
純正のステンメッシュを合わせてみたけど、どうでしょう?
そう言えば、ベルトに付けるカレンダーとか昔この時計に付いてた様な記憶があるけど……
もう今どきはどこも作ってないのかな?
こちらも諏訪セイコー製
後もう一本(二本?)、今度はシチズン
シチズンコスモトロンスペシャル
72年3月製で初期型ワンピースケース入りモデル
これも分厚くてゴツくて良い感じ
この時期の力入った時計は皆一様に分厚くゴツいんじゃないかな
10振動の高振動機械搭載の電磁テンプ式
セイコーのエルニクスも一緒だけど、ゼンマイじゃなくて電池でテンプを駆動します
ゼンマイ駆動に比べるとずっと一定した駆動になるので、キチンと調整してあれば精度は期待できる
とは言ってもクォーツ様とは比較にならんけど、十分実用には足りますよ
高振動だから理論上それなりに精度も出る筈だし
ギミックが色々ついてるけれど、それら全てが不要な故障要因になりかねない代物
正常動作してくれれば便利だし面白いし最近の時計には無いものなんで興味深い
12時を上にして竜頭押し込むと日付送り、6時を上にして竜頭押すと曜日が送れる
8時位置のプッシュボタンを押すと秒針が帰零(0に戻る)
12時プラスマイナス3分以内に押すと全ての針が帰零する
12時間で3分以内のズレなら簡単に合わせられるってこと
面白い機構でしょ?
シチズン純正コスモトロン用ベルトだけど、このスペシャル用かどうかは定かではない(笑
このベルトのままだと弓カン付かないからたぶん違う筈
バックルにコスモトロンのマークは入ってたけどね
弓カンが無い、手持ちの中でも合いそうなものが無い
弓カン狙いで安いジャンク落とすのもアリ?
皮革ベルトにするかNATO付けとけば問題無いか
シチズンコスモトロンスペシャル皮革ベルト仕様
こちらも72年3月製のワンピースケース入りで、電池交換以外の中へのアクセスは素人さんお断り仕様ですわ(笑
金属ベルトの方と中身は一緒で文字盤の色とケースのデザイン違い
高振動機械なので秒針の動きはスムーズなスイープ運針
エルニクスもそうだが、このスムーズな運針は見ていて気持ち良いので本当にずっと見ていられる(恐らく病気)
それなのに暫くの間動いたり止まったりを繰り返して調子が悪かった
「もしや?」と思って電池を同じ規格のマクセルに交換したら復活した
問題無く動きだしてくれた
止まらない
古い時計はこんな当たり前のことでも喜ぶことができる
マイナス極の部分の出っ張りがマクセルは少し大きいのが良かったみたいだ
あの例の金色のヤツですわ
本当にちょっとした事だけど、他メーカーの電池だと接触不良だったようで
不思議なのはもう一本のコスモトロンはマクセルじゃなくても動作OKなこと
何処が違うんだろう?
電極の接触部分を少しいじって調整(?)するといいのかもしれん
動作不安定だというコスモトロン安く落としてこの方法で上手くいくかも……
狙ってみようかしらん
そして、やはりこの種のケースに皮革ベルトは細く感じてしまう
ラグの取付部より横に張り出した金属ベルトにした方がバランス良いかな?
しかしまぁ、これはこれでオールド感あって嫌いじゃない
本当なら先のコスモトロンとベルトをテレコにすると良いかもしれんね
コスモトロンスペシャル初期型の裏側の図
こんな感じでコインで回せる電池蓋
素人でも電池交換が簡単にできるようになってます
時計屋さんが電池交換で日銭を稼げないので、今はこういうのはありません(笑
ワンピースケースなので裏蓋ありません
中へのアクセスは表側(ダイヤル側)から行います
ワンピースオープナーが必要ですね
このシリーズもこれ以降は普通に裏蓋開ける方式になりました
取り敢えずリコーとセイコーを中心に最近お気に入りな時計たちに金属ベルトを付け替えてみました。
まだ後何本分かあるから、手持ちの時計の中で似合いそうなものを見繕ってみるけれど。
着せ替えてみて思うのは、最近の金属ベルト付きの時計とはやはり纏う雰囲気がちょっと違うということ。
何本かはホムセンで買えるチプカシっぽくなるものもあったりするけれど……悲しい(涙目
70年代っぽい薄い金属ベルトだとどうしても安っぽくなるみたいだ。
少し奮発してA○AZONあたりで新調した方が間違いないってことですね。
大げさかもしれんけどそれぞれの時計にはそれなりに歴史があるわけで、自己満足であろうとも自分が納得できていれば面白い趣味だと思いますよ。
高価なブランド時計も良いかもしれんけど、そうじゃない楽しみ方もあるってこと。
自分自身を振り返って考えてみる。
オヤジになって自分勝手に使えるお小遣いは激減したから(だって他に出ていくところが多いし金額も大きいし)、みみっちく楽しむしか道が無かったりするところはちょっと悲しいけれど。
普通の人はこんなに沢山の時計を集めたりしないし、まして使いづらい古いものに拘ったりしないし……なんだけどね。
そんなに沢山の人に読んでもらえるものじゃないけれど、このシリーズを読んで少しでも古い時計に興味を持ってくれたら嬉しいかな(笑
お馴染みのオークションで一番の狙い目は知識の無い人が出品しているもの。
前に他でも書いたけどカレンダーのクイックチェンジできませんなんてのは、新しい時計じゃなくて古いものならリューズでクイックチェンジは元々できないから。
個体差は若干あるけれど、大体9時⇔12時を往復させて日付進めるものが多い。
稀にリューズ押し込んだり引いたりで進めるものもあるけどね。
二段引きの一段目でリューズ回してなんて今の時計みたいにやってみようとしたら大概できない。
知らずに破格に安値つけてたらラッキーだわね。
先の電磁テンプなんかもちょっと振ると少し秒針動くから、自動巻きの巻き上げの調子悪い時計だと思って安値つけてることもあるね。
但し電池入れた時に動くかどうかはわからんけど。
手巻きを自動巻きだと勘違いしてて、振ったけど動かないからジャンク出品なんてこともあるし(実際にはテンプが回るからほんの数秒は動く)
色々とお得に買物できた経験ありますよ(笑
オールドクォーツの動作未確認品は要注意だね。
本当に未確認なのか電池投入してみたけど動かなかったブツを敢えて未確認と記載してるのか、そりゃあわかったもんじゃないからな。
送料込みで1000円未満くらいだったらまだダメージ少ないけど、それでも嫌な気分にはなるわけで。
数千円投入してお不動さんだったなんて日にゃあ愕然とするでしょ?
平気で嘘八百並べる人もいるから。
それでも一か八かで「えいやっ!!」と落として動いたら本当にめっけもん。
自動巻きや手巻きで動作未確認ってのは要するに不動ということなんだろう。
だってすぐに確認できるから。
機械式はロービートで部品揃ってて錆まわってなければ何とかなるから、OH費用含めても安値になるなら文字盤の状態とか良ければ一考する価値があるけどね。
後々文字盤だけ探そうと思ってもなかなか見つからないから文字盤の状態は大事だね。
格安出品の充電不具合持ちキ◯ティックあたりを狙って、二次電池自力交換なんてのは十分アリかもしれんね(まだ新しいタマだし)
日頃から皆さんが使い慣れたクォーツ時計の中でも古い機械の評価の高いものは、セイコーなら38系やセイコーの良心とも言われる48系、シチズンなら86系、リコーの570系あたりのものは変態の方々の中でも良いものとして認識されてます。
実際に良いもの(コストの掛かったもの、過剰品質なもの)と言われてる。
付いてるベルト(エルミテックスとか)狙いでジャンク出品の安値のものを落札するってのもアリだしね(オクあるあるですな)
そして金属ベルトの汚れ落としですが、超音波洗浄機が必須です。
嫌じゃなければ、本人納得なら無くてもいいけど……
何だったらポ◯デントとかの繰り返し使用とかも効果あるみたいだけどね。
予め洗剤つけて古い歯ブラシでゴシゴシしてから洗浄機何度かかけると見違えます。
ざっと洗ってキレイになった様に見えても洗浄機かけると実際驚くからね。
ホムセンでシチズンの2980円の洗浄機買ったけど、そんな程度で必要十分。
なんならオクでもっと安いの落としてもいい。
時計の名前が誤表記(誤登録)されてて検索に引っかからないなんてものもたまにあったり。
先日それでウォッチリスト入れてるのが自分だけで、シメシメと思ってたら終了間際に掻っ攫われた(涙
日頃から思っていることは、今はたまたま自分が所有しているけど、これを次の世代の人へいずれは受け渡していくってこと。
だから責任持って良い状態のものはその状態を可能な限り維持していくってことかな。
今の時計たち……その時が来たら本当にどうしよう?
ホムセンで買えるチプカシの中にローマ法王モデルがあったり、リメイクされたセイコーシャリオのスティーブ・ジョブズモデルなんかもそれほど高価ではないから手を出しやすい。
手頃な値段のものにも何かしらストーリーのある時計もあるようで。
新しいものの中にも面白いものがありますね。
そして購入したらベルトを色々と着替えさせてみて下さい。
それに合わせて気分も変わったりしますよ。
古い時計趣味というのは旧車趣味に通じるものがある様に感じる。
どちらも新しいものよりは少々使いづらい古いものが好き、というより古いものにしか興味を示さない。
今どきの若い世代の人たちは車に興味無い人が多いってことだから、時計にも興味無くても当たり前なのかな(悲しいけれど
文中で電池交換で復活したコスモトロンですが……作られた当時の電池規格が1.35Vの水銀電池で、当然今はもう作られていませんし入手もできません。
そこで以前に書いた別作では亡義母の使っていた補聴器用の空気電池(1.4V)を使おうと思ってると書きました(1.55V使うより規格が近いから)
しかし色々と調べていくと1.55Vをそのまま使っている方が結構いらっしゃる。
そこで自分も入手しやすい今どきのボタン電池を使っています。
本当は良くないんでしょうが、現在のところは何の障害もありません。
まぁ今後はわからないですが……そうは言っても手に入らないんじゃ仕方ない><
文中にも書きましたが同じ規格の製品でもメーカーにより若干形状が違うので、試してダメでも諦めないで他の製品で再度試してみることをお勧めします。
取り敢えず現在は入手以来最高に安定して動いていますよ。
長らく60年代前半くらいまでに軸足を置いてコレクションしていたのが、何故だか最近は70年代に興味が移りつつある。
不思議だ。
70年代前半頃には面白い時計が次々とリリースされている。
武骨な作りの初期のクォーツ(オールドクォーツ)、電磁テンプ式、音叉式、成熟した機械式などだ。
各社共にその後の市場でのシェア占有を有利にする為に鎬を削っていた頃だから、興味深い製品が作られる土壌があったわけだ。
デザインも試行錯誤していた様子が伺える。
最近エルニクスとエルニクスSG、そして初期クリストロンの良い出物があったけれど、一歩及ばず買い逃して傷心気味の「F」でした><
後書きの中に追伸(?)
文中のダイナミックオートの金属ベルトは、結局再びNATOのカーキに換装しちゃいました。。
いい感じです、本当にGOODですわ。
念願のエルニクスSGはその後割と程度の良いものを入手に成功。
最近は音叉時計を追っかけてます……が、なかなか強敵揃いで手にできませぬ。