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6話目 暴力

 キシさんから渡された一式の装備はこの世界で冒険者が着込む一般的な皮の鎧と二本の短めなハンティングナイフだ。それらを装着したぼくを連れて、キシさんは城下町にある騒がしい酒場に入っていく。


「あいつらを倒してこい。ただし、殺すな」


 キシさんが指さすテーブルには酒場の売り子さんにちょっかいをかけて、自分たちの席に座らせようとする5人の見るからに怖そうなおじさんたち。



「ああ? なんだあ? 小僧が俺たちになんの用だ」


「おれらはいま忙しいから遊んでやれねえんだよ。あっちに行ってろ」


「おい、騎士団のやつがいるぞ」


 ぼくに凄んでくる怖いおじさんたちは、ぼくの後ろで嫌がるぼくにケリを入れながら、テーブルまで進んできたキシさんに気付いて、少し後方へ下がる。その間に絡まれた酒場の売り子さんがぼくらのほうに駆けてきて、キシさんの後ろへ身を隠した。


 よかった、これで争いがなくなりそうです。



「あー、そこのクズドモめ。いい年してイキがるんじゃねえよ」


 なぜかな? キシさんの口調は棒読み、あまりやる気を感じません。


「なっ、なんだと! 騎士団だからってフザけんじゃねえぞ」


「畜生お、調子に乗んなよ!」


 腰を引きつつも、怖いおじさんたちはビビりながらキシさんのほうへ小声で怒鳴りつける。



「ってことをこの子が言ってたぞ」



 いやー! キシさんなんてこと言うんですか! ぼくはそんな偉そうなことは言ってませんから。ぼくは慌てて怖いおじさんたちに説明しようとしたが、それは間に合いませんでした。



「小僧が! 生意気を言ってる痛い目に会うぞ!」


「こちとらガキになめられっと飯を食っていけねえんだよ!」


「ぶち殺すぞくそガキが!」


 怖いおじさんたちに囲まれたぼくは、助けを求めてキシさんのほうを見たが、キシさんはぼくと年の変わらない若い酒場の売り子さんを慰めてる。売り子さんのほうはキラキラした目でキシさんを見つめてる。


 ぼくが困っているのになにをやってるんですかキシさん。アーリアさんに言いつけてやる!



 ぼくの頬が突然殴られました。キシさんと売り子さんのことで気を取られて、怖いおじさんたちのことを忘れてしまいました。そのスキに殴られたみたいです。


ありがとうございました。

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