第一話 「夢の中は?」
2013年、もう夏にも終わりを告げ始めたころ。
花の女子高生こと私は、ここに高らかに宣言します!!
馬鹿みたいに眠い・・・と
現在時刻は、四時間目←それを時刻とは言わない。
現在の授業はなんとビデオを見るだけという、眠くなる授業NO1に輝くのではないかと思われることがされている。
ほとんど寝ているような状態だが、一様学生としての常識的なものがある、というわけで・・・
私は頭だけを動かし、周囲を見渡した。
どうどうと寝ている生徒三人、少しでも隠す努力をしてるが寝ている生徒六人、寝そうになってる生徒四人、先生はもう諦めている。
私はそこまでゆっくりと見渡して直後・・・
よし、寝よう。
決断すると行動はすばやい、腕を机の上に組んでその上に頭を乗せるという、THE・寝るという体勢をとると、元々寝かけていた私の脳は、一瞬にして働くのをやめ、深い眠りへと入っていくのだった。
一面の砂漠だった。
私が目を覚ます?と視界に写ったのは一面の大砂漠、私は直後に理解する。
ああ、これは夢だ。
体は飛び跳ねそうなほど暑いし、のどのほうもいきなり乾き始めているが、それもどれも全部夢のせいだろう。
しかし、こんな夢を見て何をすれば良いのだ?別に夢なのだから何もしなくても良いかもしれないけれども。
私は、あまりにも不明瞭な夢だったのでかなりの間悩んでいたが、とにかく動いたほうが良いだろうと思って、とりあえずまっすぐ歩いていくことにした。
~数十分後~
おかしい、明らかにおかしい。
体感時間でもう一時間ぐらい歩いている。←そんなことはない
どこを見ても砂、砂、砂しかも引きこもり系女子には砂漠で歩くことはかなりの重労働だったらしく、のどはからからになり、視界はうまく定まらず、頭はぼんやりとしていた。
なぜ夢でまで、こんなつらい思いをしなければいけないんだ、こんなんだったらまだまともにビデオを見てたほうが楽だったのではないだろうか?
ちなみさっきから、もう何十回も同じことを考えている。
そんなことをしていると、とうとう足が限界をむかえ、私は砂漠の上に思いっきり倒れこんだ。
顔についた汗に砂がついてすごく気持ちが悪い、今すぐにでも取り払いたかったが、もはや指一本動かせる気がしなかった。
こんなんだったら、友達に誘われた部活に入っておくんだった。
そんなことを考えていると、意識はどんどん遠くなっていき、とうとう目蓋が完全に閉じきってしまった。
目を覚ますと、学校の天井でもなく、嫌がらせみたいに真っ青な空でもなく、緑色の布のようなもの見えた。
体勢は仰向け、頭はいまだに少し痛むし、のどもからからのままだったが、だいぶ気分がよくなっていた。
今自分がどこにいるのかを確認するために、首を回すと、恐らく大学生ぐらいの、若い男性が見えた。
その人は、私が視線を向けると、こっちを向き話しかけてきた。
「おお、やっと目覚めたか、それにしても驚いたよ、まさかまだ生き残りがいただなんて、おっと、積もる話はまず元気になってからだな、これを飲め」
男はうれしそうに一気にそこまで言うと、私に水筒を渡してきた。
体の不調はある程度直ってはいるが、のどの渇きだけはいまだにありありと残っており、私は体をおこすと、その水筒を受け取り、あおるように一気に飲みまくった。
私が水筒を飲み終わると、男は私に向かって手を伸ばしてきた、水筒を返してくれということだろう。
私もこの水筒をずっとキープするほど、あれな人間ではない、普通に水筒のふたを閉め、男に返した・・・が
あろうことか、その男は私から水筒を返してもらうやいなや、自分でも水筒を飲み始めたのだ!
「ちょ・・あ・えと・・ああ」
思わず変な言葉が口から出ていく、男はどう解釈したのか水筒から口を離すと、私に再び話しかけてきた。
「話せるまで元気になったかな?万全じゃなかったらまだ休んでていいんだぞ?」
男がそう私に易しく話しかけてくる、ただし、そんなことはどうでも良いのだ、今は・・・
「いや、その、え~と、そっそれ、すっすいとうが・・・」
伊達に少ない友人としか話す生活を何年間も続けていない、もはや立派なコミュ症になった私の口からは意味のわからない言葉が羅列されていく。
「ん?水筒?」
案の定男の人もなんだか分かっていないらしい、私と水筒の間を視線が行ったりきたりしている。
このままではダメだ、私はどう説明しようかと必死に脳を働かせていた。
しかし、以外にも助け舟を出してくれたのは男のほうだった。
「ああ!そういうことか!」
おお、分かってくれたか、この同級生からお前みたいに変にピュアなやつ始めてみたといわれた私の心が。
男が水筒は水筒を持った、そして・・・
「まだのみたりないのか」
「ちがーーーーーーーーーう!!!」
言った瞬間、我に返る、つい我を忘れて本気で突っ込んでしまった。
男の人はどんな顔をしているのか、怖いながらも確かめないわけにはいかない、私は我に返った直後下を向いた顔を少しずつ上げていった。
そして男の人の顔は・・・
笑っていた
「・・・へ?」
逆にこっちが困惑してしまった、男は笑顔を絶やさず、私に話しかけてきた。
「それだけ元気があったら大丈夫だな、で、水筒がどうしたんだ?」
言われた瞬間恥ずかしさがこみ上げる、だがしかし、ここまで聞いてもらって言わないわけにはいかない、私は今度こそ意を決してその言葉を発しった。
「いや・・そそそ、その・・なんというか・・間接的なキ・・キキキキス的なあははははは」
意を決したってなんだっけ?ぼそぼそ喋ったり、超キョドッテいたり、最後笑ったり、一体誰なんだこの変人は。
はい、私です。
しかし、そんな私の様子を見た男の人は、
「ん?間接キス?ああ、別に良いだろこれぐらい、へるもんでもないし」
「でででで、ですよねーあはは・・・」
このあっさり感、私が頑張ってもいえなかったことをあっさりと口から出してしまう上に、別に良いだろ?か、その対人スキルを分けてほしい。
私がかなりへこんでいると、男はさも当然のように話を変えてきた。
「それで、こっちから質問しても良いか?」
さっきまでとは少し態度が違っていた。
まるで、ここからが本番だというように、前かがみになり、少し声のトーンを落として言ってきたのだ。
それに習い、私も姿勢を整え、できるだけ真面目な顔ををしながら答える。
「はい、何でも聞いてください、私に答えれることでよければ」
なぜか口調が変わっている、まぁ気にしないが。
どうやらあっちも特に気にするきはないらしく、話を続けてきた。
「よし、それじゃあ質問」
「はい!」
妙に気合が入る、一体何を聞きたいんだ。
そして、男の口から出てきた言葉は・・・
「どうやって今まで生きてきたんだ?」
・・・・・・・・
「はい?」
一瞬本気で思考が停止した。
しかし、そんな私に男は気づかずに、どんどん話を続けていく。
「俺たちは、今までこうやって何度も生存者を探してきたが、今まで出会ったことはなかった、第一普通いるはずがないんだ、この世界でアイツから逃げれるところはあの巨大施設しかないはずだ、それなのになんで・・・」
「ちょ・・ちょっと待ってください!!」
男が熱を込めて話してきたので、私の脳内はパニックを起こしていた。
どうやって生き残ったか?アイツ?巨大施設?
何の事だかさっぱり分からない、しかしそれもしょうがないことだろう、これは夢なのだ。
私はさっきまで学校で普通に授業を受けていた、それが夢の中でいきなり、今までこの世界(夢の中)でどうやって生きてきただなんて分かるはずがない。
夢?
第一ここまで来るとそれさえ怪しくなってくる。
ほんとに私はただ寝ているだけなのか?実は本当に、どこか異世界に飛ばされたりしたわけじゃないのだろうか?
私が混乱していると、男はさらに話しかけてきた、しかし今度はさっきみたいに攻めるような感覚ではなく、少し落ち着いた口調だった。
「もしかして、覚えてないのか?」
私はその質問に首を縦に振った、正確には覚えてないではなく、知らないが正しいのだが、まさか寝てたら来ただなんて言えるはずもない。
男はさらに続ける。
「この地球がどうして砂漠化したかも、ゴッドのことも、何もか?」
「はっはい、何も覚えてないんです」
私がそういうと、男は一瞬だけ頭を抱えた。
しかし、それをすぐにやめると、ゆっくりと頭を上げ立ち上がって壁? ここでやっと気づいたが、ここはテントの中らしい のほうを向いて一回深呼吸した後、私のほうを向き、こう言った。
「記憶喪失か・・それならそれで良い、まず一言、よくい生き残っていたな、自己紹介から始めよう、ほかの事はその後だ」
そういうと、男は私に近づいてきてさらに続けた。
「俺はイシカって呼ばれている、現在西暦3020年季節は春ごろ、この世界で人類最後の集団として機能している『サハラの放浪者たち』のリーダーをやっている」
もし人生に特異点のようなものが存在するのならば。
私は自信たっぷりに言うだろう。
私にとってそれはこの言葉から始まったと・・・




