表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
E.O  作者: えむ
13/13

終章:ツグナイ

 俺の言葉を聞いた桜花は、目を丸くした。

「え……?」

「俺も桜花も、罪を重ねすぎた。これ以上罪を重ねてどうなる?」

 俺は真っ直ぐに彼女の目を見据える。

 その目からは先程までの輝きはすっかり失われていた。

「こんなつまらない世界はぶち壊したほうが面白いじゃない、そうでしょう?」

 桜花が必死に説得を始める。

 以前の俺だったらこの言葉で彼女と同じ道を歩んだかもしれない。

 だけど、俺は変わった。

 彼女と契約したあの日から。

 俺は彼女に向かって、こう吐き捨てた。

「そんな面白半分で世界は壊されていいものじゃない。日常はそんな簡単に壊されていいものじゃない!」

「隼……」

「俺が能力を得た後も変わりたいと願ったのは何でかわかるか? たしかに、最初はもっと日常を変えたいと思っていた。だけどな、もう違う……俺は、日常に帰りたかったんだ。こんな狂った人生を変えたかったんだ!」

 勝手に目から涙が滴り落ちる。

「親友を殺して、間違った方法でその恋人を自分のものにして……だけど、その恋人も死んだ。間違った方法で得られた結果に意味はない。この今の俺達の関係だってそうだし、桜花が言うように世界を壊したって、それは偽りの結果だ! 間違ってる!」

「でも、この世界じゃ私は生きられないの……狙われるから——」

「桜花が狙われるようなことをしたんだろ」

 俺は冷たく言い放つ。

「ただちょっと特別な力をもって生まれたからって調子に乗って……大人しくしていれば普通の少女として人生を送っていけたのに、それを自分でぶち壊したんだろ? 結局は自分の欲望に負けた結果がこうなってるんだよ!」

 桜花は……何も言えなくなっていた。

 もううつむいてしまって目を見ることもできない。

「だけどさ……」

 俺はそんな桜花の頭を優しく撫でながら続ける。

「同じなんだよな、俺もお前も。たくさんの人を殺してきた……欲望に身を任せて」

 手の平に感じる髪の毛のサラサラとした感覚。

 ああ、あの“取引”に応じた時点で俺も桜花と同じだ。桜花のことを1方的に責める権利なんて俺にはない。だから——

「桜花を独りになんかしないさ」

「え……?」

 桜花はパッと顔を上げる。

 だが、その顔はすぐに曇った。

 これが俺の、罪滅ぼしだ。

「俺たち、共犯者……だろ?」

 ほんの数秒前まで髪の毛の感触を感じていた俺の手の平には、冷たく硬い、栓の抜かれた手榴弾が握られていた。

 大和、遥奈……俺も今、そっちに逝くよ。

 俺のこと、許してくれるかな……?

 全身に桜花の温もりを感じながら、俺は爆音と爆風に包まれた。

ここまで読んでくださった皆様、ありがとうございました。

少し読みづらかったかとは思いますが、自分なりに精一杯頑張ったつもりです。


そこで、今後の参考とするために皆様から批評を頂きたいのです。

なんでもいいので具体的に書いてくださると嬉しいです。

では、今後も頑張っていこうと思いますのでよろしくお願いします。

                  えむ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ