影武者11-6
スンクはかつてから"亜種"と呼ばれる人類が存在していた。この世界の大半を占める人類とはルーツが異なっていると言われている。大きな違いはまず骨格にある。彼等の平均身長は180cmと大柄で筋肉の構造も若干異なる。彼等の祖先は大柄でありながら背骨が湾曲しており前傾姿勢になる。猿、チンパンジーと言うよりはゴリラに近く、かつて四足歩行であった名残が他の人類に比べてまだ残っている。こう言った構造から、両腕及び胸筋、背筋の発達が見られ、その代わりに短足で歩幅は小さい。後に他の人類とも交わり、進化を遂げ"人"らしくなったが強靭な上半身と持久力、耐久力は残り続けた。しかし知能面はあまり発達せず、直感的な行動が多く見られ学習能力は劣る。その為、近世では"脳筋"だのと揶揄されていた。
この人種は特徴的かつ伝統的な文化が未だに色濃く残っている。例えば食事だと植物性である野菜や根菜、果物はあまり好まれない。ほとんどが肉食であり畜産業、漁業が盛んでスンクでしか食されない動物も多くある。これは内臓機能などの違いで今までの進化において適応出来ず(したがらず)に今日に至る。
文化的な側面で言えば彼らは人間の言わば本能に近い方法で子孫を残してきた。雌はより強い雄に惹かれ優れた子孫を残そうとする。これはどの動物においても不思議ではなく原理なのだ。それを他の人類は見た目や性格によって相手を選び"今"を生きたがるようになった。
優れた子孫を残すことより今を生きる自分を優先する個体が増えた結果、能力値が平均化・平凡化され徐々に衰退しているのだ。
亜種に対抗する術は知能。それは作戦であり戦法であり兵器である。マーレン軍はその面で圧倒的アドバンテージを得ていると確信していた。だがそこに変化が起きた。スンクに"知能"が備わっていたからだ。




