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スピリット  作者: 猿飛
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火種8-6

「デスガルゴンねぇ。全部で何人くらいいるの」

ブライはアジトを出たところで三人組に聞いた。

「正確には分からねぇ。名簿を付けてる訳でもねぇしな。知らない野郎が知らない間に増えてもいるし、昨日来た奴が今日には来ねぇなんてザラだ。ぽっくり逝ってる事だってある。あぁ、そう言えば俺等も名乗ってなかったな。俺は[ハン]だ。ひょろ長いコイツが[リドル]。ずんぐりむっくりが[ピート]だ」

リドルとピートは相変わらずヘラヘラフラフラしている。ハンが続ける。

「ルボンは前も決して裕福な国じゃなかったけどよ。平和に暮らしてたんだ。マーレンを始め、アミーユも、スンクだって似たようなもんだろ。でも奴らは蜂起した。マルベスが焚き付けたのさ」

ライトはアミーユから一歩も出た事がないし、戦争だって経験をしていない。世界大戦の時もアミーユは戦場にならなかった。ライトは純粋に疑問をぶつけた。

「なんでマルベスがそんな事する必要があるの」

ハンは開き直ったように笑いながら答える。

「もともとさっきの四カ国はマルベス領からそれぞれ独立した。ただ実質的にはマルベスの統治下だ。世界大戦が睨み合いになって二大国は疲弊しちまった戦力を整えようとした。そこでマルベスは考えた。この四カ国がノアに乗っ取られる、もしくはそれぞれが力を持って完全な敵対勢力になった場合マルベスに勝機はない。その前にトーナメント戦をやらせたんだよ」

ハンは飄々と話しているが内容は極悪非道極まりない。


マルベスのシナリオでは四カ国それぞれを戦わせ、戦勝国がトップとなり新たな国を作る。それをマルベスは掠め取ればいい。四つをそれぞれ取らずにまとめさせて一つを取れば良い。きっかけだけお膳立てして後は傍観、最後に突付けばそれで領土も兵士も得られる。ボードゲームさながらにこれらを駒としか見ていないのだ。


ーーー俗に言う[四国大戦]の始まりである。開戦当初は混乱を極めると予想されたが、破竹の勢いを持った集団によってあっという間の終戦を迎える。それはまだ先のお話。ーーー


「とりあえず事を始めるには人数が必要だ。集められるだけ集めてほしい。アミーユからも人を呼ぶ。そこに一切のしがらみは無しだ。マルベスの狙いが四国大戦ならルボンとアミーユの連合で敗者復活戦と行こうじゃないの」

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