すれ違う7-11
ユティンはノア国で腐り始めた政府の内情を知った。ラーム教が力をつけ始め国政に影響力を及ぼす可能性が高まると議員らは寄ってたかってユティンにごまを擦りだしたのだ。今まではただの宗教団体が国を動かすなど有り得ないと鼻で笑い、マインドコントロールされおかしくなった集団だと忌み嫌われた。だが、今はどうだ。慣習だのと言い、賄賂や斡旋、隠蔽、裏工作が横行した国会を国民が声を挙げて非難し、ラーム教が代表として公の場で明らかにする。汚職まみれの議会を正しく導く事がユティンの信念だった。
しかし力を得たものは往々にして慢心し、同じ道を選んでしまう。ラーム教内でも同様のスキャンダルが出始めた。組織というものはなぜこうも簡単に腐るのか。ユティンは自分が信じた教えを真正面から捉える事が出来なくなってきてしまった。自分は正しくあるのか、信じたものは正しいのか、胸を張って信者に教えを説けるのか。変革しなくてはならない。だがどうすれば…
この国において国政に参加するもう一つの組織、朝廷だ。今でこそ名ばかりの王族であるがそれ故に目立った事件もない、功績もない。ひっそりと、悠々と日々を送っている。ノア国は長らく平和であった。その反動で沢山の悪事が組織内に蔓延した。
三者痛み分けと行こうじゃないか。
ユティンは計画を企てた。




