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スピリット  作者: 猿飛
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すれ違う7-4

「リーダー。この二人です」

リーダーと呼ばれる男の部屋には蝋燭が灯され一つ置かれた椅子の上に一人腰掛けているだけだった。無音が続く。


リーダーの前にブライとライトは座らされ、沈黙の重みが体を押し潰そうとしている。そしてついにリーダーは口を開いた。

「貴方がたはどこからいらした」

「…アミーユ」

ブライにはいつもの調子はなく、搾り出すような声なのが分かる。

「何のためにいらした」

声からしてリーダーは男だったがローブを纏っているのと部屋の暗さで顔はうかがえない。

「逃げてきた。町は消えた」

再び沈黙。

「ここがどこかは分かっていらっしゃるか」

「わからない。船に忍び込んで身を隠したから。行き先は知らない」

「ここはルボンです。この町の惨状はご覧になったか」

ルボン。アミーユに隣接する小国の一つだ。

「見た。何があったかは知らない」

ブライがそう言うとリーダーは立ち上がりローブのフードを脱いだ。

「ここは敗戦国となった。今はアミーユ領だ」

リーダーは整った顔立ちで幼顔の青年だ。いや、それよりもルボンがアミーユ領?ライトは理解に苦しんだ。

「そんな事知らない。アミーユがルボンを襲ったと?」

ブライも状況を把握出来ていない様だ。

「それは違う。ルボンを襲ったのはマーレンだ。そしてその後ろにはマルベスがいる」


マーレンも同じ様な小国だ。かつてアミーユ、ルボン、マーレン、そして今回アミーユを襲ったスンクはマルベス統治下だった。しかしノア国との大戦で四カ国は事実上放り出される形となった。隣り合う四カ国で徐々に優劣を図る様に対立が増え始める。そしてアミーユとルボンは敗れた、という事か。


「ちなみにあんたはここで何してんだい」

ブライはリーダーに率直な質問をし、また沈黙が流れた。

「私も貴方がたと同じ様に逃げてきた身だ。ここで静かに暮らしていたが戦火に飲まれた。私を救い給うたこの国を少しでも良い方向に導きたい。そう思っている」

ブライは何かを決め、覚悟した声でリーダーに言った。

「そうか。なら共同戦線を引こう。目指すものは同じだ。俺もアミーユを元に戻したい」

ライトはただ二人の会話を聞くことしか出来なかった。


沈黙の後、リーダーが口を開く。

「私の名はフラッグ。ここに居る者たちは私をリーダーと呼ぶ。そして集団となった。彼らは集団の名前をデスガルゴンと言っている」

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