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スピリット  作者: 猿飛
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すれ違う7-3

三人組に引き連れられブライとライトは手を縛られたまま歩いた。ライトはここが何という国の何という町かは分からないままだったが、町の雰囲気に呑まれ息苦しさを感じた。淀んだ空気が漂い活気はまるで無く、相反して殺気が充満していた。通り過ぎる現地民の目はどことなく血走り伏し目がちに他所者を警戒と標的にする様だった。そこかしこから言い争いが聞こえ、ゴミが散乱し、そのゴミを漁る者がゴミを取り合い、生気を失った者が隅で呆然と座り込み異様な雰囲気だった。アミーユの成れの果てはこんな有様になってしまう気がして恐ろしかった。

「ここは生き辛そうだな。引っ越し先の候補にはならなそうだ」

ブライは嫌味ではなく現実で感じた率直な意見を述べる。確かにここでは生活出来ない。

「まぁそう言うなよ。ここでしか生きられない奴もいるんだからよ」

先頭を歩く彼は言った。開き直っている様に聞こえた。

「そんでそのリーダーってのはどんな奴なんだ?お前らはどんな組織なんだ?」

「組織ってほど大それたもんじゃねぇよ。ただ何となく集まっちまっただけだ。リーダーはただ俺らが勝手にそう呼んでるだけだ。リーダー自身もそれについては何も言わないから受け入れてるんだと思うがな」

特にこれと言った情報は得られず町の奥へと進んでいく。先頭の彼は淡々と質問に答えるが核心を突く回答をしない。意識しての言動かは分からないが頭が回る人間だろう。


町を抜けたところに大きな倉庫の様な建物が見えてきた。窓ガラスは割れ、壁のところどころに修繕した跡があった。何かしら事があった廃虚をアジトとして利用しているのだろう。何も言わずに彼らと中に入った。中に入ってすぐ左に長く細い通路があるだけで建物の全貌は全くわからない。その通路を縦一列に並び進むと今度は右にまた長い一本道を進む。意図してこういった構造にしているのだろうか。

その先の階段を上りUターンしてまた通路を進むと右手に扉があった。

「リーダー。港で変な奴らを捕まえたんで連れてきました。中に入れても?」

先頭の彼は扉の向こうに言った。返答はなかったが彼は扉を開け、ブライとライトに中に入る様、顎で指示した。ライトは生唾を飲んだ。

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