思惑6-8
空を見上げると数え切れないほどの星がある。それぞれ強弱があるが光っている。この光は自ら光っているのか。それとも他の星に照らされているのか。星空の中は一体どうなっているんだろう。
他の星からこの地球を見たとき、果たしてどのくらい光っているのだろうか。そしてその星にもし同じ様に人間が居たとして地球の事を何と呼んでいるのだろう。人間が、地球以外の星に生命が存在しているか知り得ない様に、あの星々から見た地球が、どんな場所でどんな生命体が居るのか、想像すらしていないかもしれない。いや、意外ともう知っているかもしれない。
ノヴァは自宅の屋根に上り空の中を想像した。自分はあの星々だとするとどのくらい光って見えるのだろうか。
今日、あの地下室で見た事。あそこには何があって何のために使われたんだろう。
それも気になるが、あの地下室の存在を知っている者が少なくとも自分とレノ以外に一人居るという事。何者だろうか。何をしに来たのだろうか。そして自分達の存在に気付いているのだろうか。
一気に不安が押し寄せた。レノは好奇心を抑えきれずに地下室をまた調べるだろう。第三者の存在を知った以上、関わりを持つと厄介なのは間違いないだろう。
そして、地下室から出た時に感じた視線はただの気のせいか。思い過ごしか。
自分だけならまだいいが、レノは王族だ。彼の身に何かあれば一大事だ。身分の違いを改めて実感した。王族だからと腫れ物に触る様に接するのは嫌だった。レノも嫌がった。他の友達と変わらない様に接していたが彼が王族なのは紛れもなく事実だ。大事な場面ではその事実がちらつく。彼の身に何かあれば只事ではない。この国全体に関わる問題だ。それを思うと何の気なしに接していた今までがどれだけ無知で無謀だったか一瞬で恐怖に呑み込まれた。このまま彼と関わっていて良いのだろうか。レノはそんな事気にしないだろうがそれも逆に恐ろしく思える。一挙手一投足に神経を使わなければ何か起きる気がしてならない。
その夜はいつも以上に星が煌めき、いつも以上に明るく感じた。




